奔別炭鉱 配水池跡 探検: 北の細道 奔別炭鉱 配水池跡

奔別炭鉱で循環水の痕跡に会う





北海道三笠市

   良い石炭と悪い石炭をより分ける方法、これが選炭であるが、この選炭作業には大量の水を使う。
一般に原炭1tあたり、2〜8m3とされているが、この必要量の幅が大きいのも事実だ。

選炭工場の処理(設備)能力と操業時間によるバランスは、過去の慣例に従って設計されてきた。
24時間三交代や二交代で操業される採炭業務に対して、余剰な貯炭なくまた不足なく選炭が行われるように
選炭工程の処理能力は目算、そして拡充されてきた。

選炭作業の設計時間の想定は2方番、16時間操業の13時間実働が一般的とされており、
設備のスペックではなく、そのための使用水や廃水量の問題が大きく影響する。
使用水量に開きがあるのはその原水の性質と原炭の性状によるところが大きい。
つまり選炭用水のもともとの成分と石炭の質により、必要水量は大きく左右されるのである。

選炭に必要な水の総称を『選炭用水』とすると、未利用のもともとの水を『原水』、
使用前後を問わず貯蔵された水が『貯水』で、これは薬品によるpH調整や不純物の沈降が施されることもある。
選炭工場の機器(水選機/ポンプ/ベッヘ槽)内の水が『保有水』、
利用後の不用水が『廃水』、溢流(あふれた)した『放流水』、粉炭などが混じる『汚濁水』、
そしてシックナーや沈殿池で処理した再利用可能な『循環水』などがある。

選炭工場設備能力の算定基準はその工場1日での処理能力となるが、
原炭産出量は年間目標平均を稼働日数で日割りした平均値となるので、そこに増減が生じる。
日変化、時間変化のある原炭産出量に対して選炭工程手前には原炭貯炭槽の設置が必要条件となり、
時間的に一定量の精炭が出荷できるように、出口では貨車や輸送設備が淀みなく稼働する必要がある。


今回は奔別炭鉱の山中に残る配水地、つまり水タンク跡の探索だ。
選炭における用水の確保の苦難とその踪跡をみてみよう。


配水池・浄水施設・雪崩・・・



雪原
雪原





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