佐井鉱山跡 探検: 北の細道 佐井鉱山跡

佐井鉱山跡で浮遊選鉱場を遠望する


青森県下北郡佐井村

 各地の鉱山跡の選鉱場は同じような形の施設が多い。
斜面に階段状に配置され、その機器配置も酷似している。
どうして離れた日本中の選鉱場が似たような姿をしているのだろう。


『戦時規格型標準選鉱場』というものがある。
これは昭和18年(1943)に戦局の影響ですべての日本の金山が休山し、
軍需に必要な銅・鉄・石炭などの鉱山に資材投入がなされた際に
選鉱場の統一規格が計られたその痕跡である。

これら選鉱場の緊急拡充に対し、金山整備による遊休機械類の転用とともに
政府は選鉱場の規格を設定し、30/50/100/200/400t/日の5段階の
『戦時規格型標準選鉱場』を設定した。

その系統図・配置図・機械の仕様・電力並びに電灯配線工事仕様などが計画され、
この標準化した基準に各鉱の特殊事情を考慮して、
運転補器類を一括調達する運びとなった。

つまりコストや納期を抑えるため、全国一律5段階の選鉱所統一規格を作り、
それに基づき、同機器・同配置の選鉱所が方々に建設される運びとなった。
これが各地の選鉱所の風景が似通っている所以である。


本坑は大正時代に発見され、昭和27年(1952)から企業による稼行着手、
30t/日の処理能力を持つ浮遊選鉱所の存在も資料にはある。

今回は坑口に至る道を遡り、
資料にある選鉱所への到達を目標として探索したい。

なお、軌道跡を転用した林道からも山中深く
遭難の危険性も高いため、場所については伏せさせていただく。



通洞・大滝坑・浮選・・・




選炭所
7代目ダットラ620



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