マンガン鉱山跡  探検: 北の細道 マンガン鉱山

Tb鉱山 坑道の馨香




 マンガン鉱はその全生産量の90%が鉄鋼生産用に割り当てられ、
その分野では脱酸、脱硫の働きが生かされている。
「製銑」(せいせん)高炉などで鉄鉱石を還元してできた鉄=銑鉄(せんてつ)を生産する工程 においては鋼製品の酸化防止・媒剤等の働きをする。

鋳鋼を製造する場合に適量のマンガンを含めれば成型するのが容易となり、
また鋼に抗張力・耐摩耗性・非磁性・耐腐食等の性質を添加するためには、
適量のマンガンを加える必要がある。
またマンガン鉱中には起電力・酸化力・着色力等の性質を持つものがあり、
乾電池や薬品、ガラスの着色剤などの原料にも用いられる。
しかしこれらは鉄鋼分野の使用量と比較するとごく僅少である。

昭和30年代の日本のマンガン埋蔵量は、
含有30%以上の鉱石が約600万t残存しているとの試算であった。

しかし15万t/年を採掘すれば、約40年で資源枯渇となり、
やがて含有30%以下の低品位鉱の採掘が必要となる。
そこで低品位鉱の利用に関する研究が加速し、
焙焼、つまり低品位菱マンガン鉱を焼結し、
炭酸ガスを遊離することで10%の 品位の上昇に成功した。
これはやがて採掘するであろう低品位鉱の構造改善がもたらした産物となる。

本坑は昭和47年(1972)閉山と比較的最近まで稼働していた鉱山だ。
昭和32年(1957)の都道府県別マンガン生産量は、
北海道が全国の50%を占め、次いで岩手・栃木、
そして京都・長野・群馬と続く。


地形図で見ると鉱区は標高310mとかなりの深山である。
藪を漕いで鉱山跡を訪ねてみよう。


鉱山事務所・坑口・斜面・・・



鉱山事務所
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