東栄鉱山跡  探検: 北の細道 東栄鉱山跡 選鉱所

東栄鉱山で岳の粒選りに登る


青森県青森市

 坑内から採掘した鉱石は『粗鉱』と呼ばれ一般には多種の岩石が混じっている。
そのため搬出直後は金属を採るための原料にはならない。
一旦選鉱場に送り『捨石』を省いて製錬に達するまでの品位に上げなければならない。
このことを『選鉱』と称し、そのための設備・機械・理論が存在する。

一般の選鉱工程はミルなどによる鉱石粉砕、そして以下選鉱、そして熱処理となる。

比重選鉱法は粒の大きさに大差なく比重が異なる二つの鉱粒が、
同時に外力が加わった場合に、
その運動の大きさが比重によって異なることを利用した選鉱方法だ。
同じ大きさの粒でもその重さが違えば、
振動などを加えても動きの大小が違ってくるのだ。

重液選別法は重液と呼ばれる比重の高い固体粉末を混合した擬重液を作り、
これを比重の重い尾鉱と比重の軽い金属の中間比重に設定し、
その重液内での粗鉱の浮き沈みを利用して選別する方法だ。
重さが1.7の鉱物と2.5の捨石を、比重2.0の液に浸せば、
鉱物は浮き上がり捨石は底に沈む。
投入する固形粉末をフェロシリコンなどにすると、
後に磁力を用いてその粉体固形物を回収するのが容易となる。

浮遊選鉱法は微粉以下の粗鉱に適しており、
パイン油やある種の薬品と共に水中に投入した微粉鉱石に多量の空気を吹き込む。
方鉛鉱などの鉱物はその気泡と結びつきやすく浮上し、
石部の粉は気泡と吸着せず水中で沈殿する。
プールのような水槽に空気の泡を循環させて粉化した鉱石を投入、
泡と結びついた鉱物だけが浮き上がるのだ。
この浮き上がった微粉を回収すれば目的の鉱石を得ることができる。

本坑は当初、鉄鉱石鉱山として繁栄したが、
戦後銅山として再開、昭和28年(1953)閉山と比較的早くに採掘中止となった。

選鉱方法は多様にあり、各企業・ヤマによってオリジナルの方法が幾多もある。
今回はかねてから選鉱場が残存していることを予想していた鉱山跡を目指す。
森の奥の選鉱場、古地図に載る痕跡を求めて探索する。



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