ズリ山のささやき



冬季閉鎖の道を歩くこと4.2q。
1時間強で鉱山跡の集落に到達だ。
集落跡には風呂が一つ残る。 風呂


集落跡を過ぎ、鉱山跡に入ると、
斜面に石垣がある。
昭和33年閉山の鉱山跡に到達だ。 鉱山跡


積込施設跡の遺構だ。
壁に囲まれた一角に階段がある。
水槽か水利に関する設備だ。 遺構


ここからは旧鉱に向けて2.6qの林道歩きだ。
廃道の予想もあったが、歩きやすそうな路だ。
斜面を縫うように大回りする林道だ。 廃道


林道脇にはRC製の施設がある。
アバットのようにも見えるが、索道の基点かもしれない。
相当の年月が経過しているようだ。 索道


林道に沿って、石垣や柱のような部材が点在する。
旧坑からはこの林道をもって
鉱石搬出を行ったわけではないらしい。 索道


決定的な索道の脚の遺構があった。
この林道は後に完成したもので、
索道をもって鉱石搬出を行っていたのだ。 索道



林道から外れて、旧廃道に入る。
下ると斜面が開け、
鋼製の部材が残っている。 鉄材


斜面を少し下るとそこはズリ山のようだ。
なんとか旧坑に到達したようだ。
帰路を確保しながら下る。 ズリ山


ズリ山付近には梁のような木材が朽ちている。
恐らく建物があり、
作業者が詰めていたのかもしれない。 梁


ズリ山の最下層で選鉱場の廃墟に遭遇だ。
坑内からの鉱石は時に300o以上の塊もある。
それを12o以下に砕くのが第一段階の破砕工程だ。 選鉱所


石垣の選鉱場基礎が大きく残る。
破砕機はコーンクラッシャ、ブレーキクラッシャといった機械で、
粗砕、中砕、細砕と3段工程で6〜12o程度に粉砕する。 石垣


基礎の上には鋼製の部材がある。
浮遊選鉱のためには更に細かく砕く必要がある。
通常これには 「ボールミル」円筒の中に鋼製ボールを入れ, 原料とともに回転させて衝突と摩砕により 微粉砕を行う装置 が使用される。 鋼材


コンクリートには装置が設置されていたであろうアンカーボルトが残る。
ボールミルの粉砕は大きすぎても浮選機の泡末から落ちてしまうため、
200メッシュ(74ミクロン=0.074o)〜48メッシュ(355ミクロン=0.35o)が狙い目とされる。 アンカーボルト


しかし細かく砕けば良いわけではなく、
有価鉱物の最小粒サイズでかつ粉砕経費を抑えるために、
各種テストによってその粒度は定められる。 選鉱場跡


鉱石の粒度を揃える工程を分級と呼び、
グリズリと呼ばれる傾斜の付いた隙間のある鉄棒上に鉱石を流して選別したり、
トロンメルという網目が入った円筒を回転させてふるい分けを行う。 石垣


これはベルトコンベアーの脚のようだ。
ドル分級機はボールミル下流で粉鉱の分級に用いられる。
液体中に浮遊している固体粒子を、重力の作用により沈殿分離させる装置だ。 脚


ベルトコンベアの土台が2連残っている。
付近にシックナーが存在したかもしれないが、
それは発見に至らなかった。 土台


ズリ山はいつまでも植生が戻らず、
鉱山跡発見の良いヒントとなる。
坑口の発見には至らなかったが、選鉱場は山中にひっそりと残存していた。 ズリ山








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