太良鉱山跡  探検: 北の細道 秋田県 藤里町 太良鉱山

太良鉱山で老練の選鉱場に到達する


秋田県藤里町

 坑内から採掘したばかりの鉱石は粗鉱と呼ばれ、幾多の種類の岩石が混ざっており、
すぐに目的の金属を採るための原料にはならない。
一旦選鉱場に送り鉱石と捨石を分離、大きさを揃えた後、 製錬という工程で金属を抽出する。
この選鉱は手で行うこともあれば、多様な装置を使用することも多い。

坑口から選鉱場までの距離は短い方が便利だが、
敷地や地形、用水や捨石場所の確保などにより、 遠く離れて配置されることもある。
例えば兵庫県明延鉱山は8q、満州の鞍山鉱山は18qにも及ぶ。
通常は500m以内に配置しその間は軌道が敷設され、 場合によっては索道が配備される。

用水の供給は特に留意が必要で、粗鉱t当たりの必要水量は、
浮遊選鉱工場で2.5〜5.0m3、 比重選鉱併用工場で5.0〜12.0m3が標準である。
使用水を再利用することも多いが、用水の確保は大条件だ。

また廃石の処理も考慮を必要とする問題で、岩塊の捨て場の他に、
泥状微粒の浮選尾鉱の沈殿池の確保は、設備費と鉱害に大きく影響する。

選鉱場建屋は20〜30mの高さが必要でこの確保があれば、
これは中間産物の鉱石用エレベーターなど設置が不要となる。
取扱粗鉱量1t/日に対しての建坪面積はおおよそ以下で設計される。
30t以下ー5〜8坪、50〜100tー3〜4坪、200〜500tー1.5〜2.5坪。

鉱舎と呼ばれる処理前鉱石を一時的に貯鉱する場所は、
鉄筋コンクリート製の建屋で厚み3〜7oの鉄板にて裏張りされる。
これに傾斜を40〜60度つけ、排出がスムーズになるよう考慮される。

操業時間としては機械選鉱の場合24h、つまり連続運転で間断なく運転される。
粉砕や浮選工程はその回路を空にする必要上、
操業停止すると無駄な時間の消費が発生してしまう。
特に寒冷夜間の休転は用水の凍結を招く結果となる。


今回は山中深く、鉱山と称された一角から、
更に2.6q入った旧鉱跡にアタックする。
単独行でほぼ一日を費やす結果となってしまったが、
古びたズリ山の奥に小さな選鉱場が残存していた。

石垣・ズリ山・索道・・・





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選鉱場





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