鉱山跡のいで湯



入山ポイントに目印は何もない。
標高230m、ここから山中の平場を探す。
鉱床図からプロットしたGPSが頼りだ。 入山


本坑は昭和11年(1936)発見、本格操業は昭和33年(1958)頃だという。
路の無い山中に分け入る。
規模から言って、遺構の存在は確実だと思われる。 山中


40分程度歩くと、第一の遺構だ。
斜面に鋼製の土台のようなものがあり、
しかし劣化が激しく、全貌はわからない。 遺構


北東に更に進むと、汚泥の一角がある。
何か諸設備があったようだが、
付近にはなにも見当たらない。 汚泥


奥の斜面は植生が疎らで、人工の雰囲気がある。
昭和40年代まで操業していたらしく、
閉山後50年以上は経過していることとなる。 人工


斜面を登りきると、明らかな平場がある。
恐らく何か建屋が存在したのかもしれない。
坑口方面に向かう。 平場


ここからは完全廃道の激藪だ。
藪と言っても濃薄もあれば生えている向きもある。
ツタが少なく進行方向に生える歩きやすい藪を探す。 激藪



藪が晴れた付近に遺構だ。
建物の土台、つまり基礎の立ち上がり部分のようだ。
ここが鉱山事務所跡だ。 遺構


基礎の脇にはRC製のヒューム管のようなものもある。
周囲には硫化水素臭が漂っている。
付近に温泉でも湧きだしているのだろうか。 鉱山事務所


森の奥に赤い小川が見える。
しかもシューシューと音が聞こえる。
明らかにせせらぎの音ではない。 鉱泉


上流には直径3mほどの池があり、
そこから大量の泡と共に水が湧き出している。
付近は底なし沼の様相、温度は16.5℃の鉱泉だ。 温泉


鉱泉から再び藪を進む。
坑口までも近いはずだ。
周囲の陥没に注意しながら進む。 藪


再び足元に赤い汚泥が堆積している。
これは鉱泉か坑道から流れ出たもののようだ。
上流を追う。 鉱泉


進むと明らかに人工的に組まれた木材がある。
鳥居のような形状で、
もしや簡易な索道施設ではないか。 索道


組まれた材木にはφ13o程度のワイヤーが絡む。
これは鉱石搬出用の索道の基点、脚だ。
斜面のワイヤーを追う。 索道


斜面の先には黒く開いた坑口だ。
ワイヤーは太い木に巻き付いている。
予定の名もない坑道に到達だ。 植林


索道のワイヤが気に絡み、その成長を妨げたようだが、
木はその生命力をもって、
蜷局を巻いて育っている。 木


坑道は真っ赤な汚泥を堆積している。
坑口周辺は自らが堆積させたであろうダムと化している。
酸素濃度等を計測しながら入坑する。 坑道


坑道は埋没することなく、深く続いている。
足元でも60p程度の深さがあり、
50年間の汚泥の堆積に入坑は諦め撤退した。 坑道








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