Md鉱山跡  探検: 北の細道 Md鉱山

Md鉱山で真赭の坑道に逢う




 『鉄は産業の米』という言葉がある。
鉄は約6,000年前の先史時代にすでに使用されていたが、
工業への利用によって近代産業への発展を即したと言っても過言ではない。

現在では鉄は一国の産業の根幹をなし、近代文化と密接な関係を持つ。
鉄資源確保のために歴史上幾多の争いが繰り返されたことも周知の事実だ。
今後、金属元素の新しい用途が発見されたとしても、
一国の経済や文化を左右していく基礎となるものはやはり鉄である。

昭和30年代、日本の鉄資源の需給状況は未利用の砂鉄・硫化鉄の補充が十分として、
65%の供給不足となり、約9万tが輸入される状況で、 これは非常に不安定と言わざるを得ない。
この海外依存を緩和するために、日本の地下資源の開発増強が、
昭和30年代の理想とされ、経済・文化にとっても重要な問題とされていた。


日本では西暦紀元前にすでに砂鉄が利用されていたという記録がある。
主として刀剣、農機具などの小型鉄器が中心で、 地方的需要を満たす程度であった。

江戸時代に入ると盛んに砂鉄が用いられたがまだまだ小規模で、
明治13年に岩手県の釜石鉱山において最初の出銑があってから、
明治38年に福岡の八幡製鉄所の高炉に火が入り、
それらが今日の鉄鋼業の基礎となった。

鉄鉱石及び砂鉄を構成する主要鉱物は、
「磁鉄鉱(Fe2O4)」「じてっこう」黒色で光沢があり、強い磁性をもつ 鉄の酸化物からなる鉱物「赤鉄鉱(Fe2O3)」「せきてっこう」赤色で塊状または黒色結晶状で産出する 鉄の酸化物からなる鉱物「褐鉄鋼(FeCO3)」「かってっこう」鈍い光沢がある鉄の水酸化物を主成分とする鉱物 であり、
鉱床となり得るのは、磁鉄鉱を主体とする砂鉱、磁鉄鉱・赤鉄鉱の 「接触鉱床」マグマが貫入したとき、マグマから供給された物質と周囲の岩石との反応によって生じる鉱床=スカルン鉱床
そして褐鉄鋼の 「沈殿鉱床」 熱水から晶出する鉱物が岩盤の割れ目の両側(外側)から順次内側へ向って沈殿した鉱床 である。

その他、硫化鉄鉱床と言うのは 「黄鉄鉱」 「おうてっこう」金属光沢を帯びた淡黄色/黒色の鉄と硫黄からなる鉱物「磁流鉄鉱」 磁性を持つ鉄の硫化鉱物からなり、
これらの鉱物中の鉄含有率は36.4〜46.6%と非常に高く、
硫化鉄から硫黄分を回収した残滓は鉄鋼原料として有用だ。

昭和30年の鉄鉱石鉱山は55か所、硫化鉄鋼鉱山に至っては121か所にのぼる。
しかも生産量の96%は北海道・東北で占めていた。


今回探索した鉱山跡は山深く、
乏しい資料の中から、一か所の坑口に照準を定めて、
入山したいと思う。


廃橋・鉱泉・汚泥・・・






坑道
( ̄u ̄;)坑道





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