Tm鉱山跡  探検: 北の細道 鉱山跡 坑道

Tm鉱山で地底湖の坑木を見る



北海道某所


 鉱山跡を机上調査するときに、いつも使用する『地質図幅』。
これは元来どういった資料なんだろう。

ダムの建設や鉱山に投資するとき、基礎的な地質調査が十分に行われていないと、
工事の途中で設計変更を余儀なくされたり、無駄な掘削に労力を払う結果となる。
狭い国土を有効に開発利用するため、その土地の岩石や地層の成り立ちを知り、
どんな地下資源が埋もれているかを事前に知ることが重要である。

地質図幅調査事業はこの目的のために、地質調査所が創設以来続けてきた業務である。
『地質図幅』は全国を経緯線によって一定の区画に分け、
国土地理院五万分の一地形図を一図幅とし各区の地質を調査したものだ。

調査の第一段階は関係文献や空中写真の閲覧、そして現地の河川や谷など、
岩盤の露出している経路を歩き、場合によっては表土をはいで内部構造を調査する。
「クリノメーター」 傾斜儀とも呼び磁石と水準器と振り子からなるケースを地層面に当て方位・角度・走向を計測 で地層の走る方向(=走向)や傾斜を計測し、
化石などからその地層の年代を特定、
露頭のスケッチや採取した標本などの断片的な資料を統合し地質図幅が出来上がっていく。


地質図幅
【地質図幅】

すべてのポイントに到達しなくても、地層の傾きや走向から境界線を推論し、
等高線や直線の地質境界を図示してゆく。
温泉や金属、石油や地下水についても現地調査し、 最終的には机上作業となる。

現地で採取した岩石標本は顕微鏡による観察で、種類や年代相互関係が明らかにされ、
五万分の一地形図に岩石別の色分けを行い、鉱種や各種凡例記号を記載していく。
調査開始から地質図幅が完成に至るまで、通常は3〜4年を要すると言われる。


今回到達した4か所の坑道も地質図幅の記載から鉱床図に辿りつき、
谷や沢、等高線や尾根の形状から推察して到達に至った。
なお、山中深くアクセスが厳しいため場所については伏せさせていただく。

堀下・支保工・地底湖・・・





懸垂下降
( ̄u ̄;)懸垂下降





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