計呂地円山鉱山跡  探検: 北の細道 計呂地圓山鉱山

計呂地円山鉱山の忘れ形見に逢う




北海道湧別町

 採掘したばかりの鉱石には、目的の成分以外の脈石と呼ばれる不要部分がある。
有用部分を抽出するために、化学反応や熱を加えて不要部分を分離させるわけだが、
その前段階として鉱石に外力を加えて破壊し、元の大きさより細分化する必要がある。
これが粉砕と呼ばれるもので、粒子の大きさを揃えたり、
表面積を増加させることで反応速度を早めたりすることを目的とする。

鉱石に外力を与えると粒子が 「弾性変形」外力を受けて変形した物質が、外力を除くと元の形に戻るような変形 の限界を超えて、
クラック(=ひび割れ)が入り、それが奥へ先へと広がる。
圧縮や衝撃を用いた粉砕は体積粉砕と呼ばれ、 粒子内部から全体に数個の塊に分離する。
磨り潰すような磨砕は表面粉砕と呼ばれ、粒子表面からの小片の剥がれが発生する。
これらを組み合わせて、選鉱・製錬の前処理として粉砕工程が施工される。

粉砕には大きく分けて次の4種の外力があるが、それぞれ単発で作用することは無く、
粉砕の機械によっては、複数の外力が同時に付与されることとなる。

『圧縮粉砕』二面が相対にゆっくり接近し、物質全体に均一の圧力が加わり、粗砕に利用される。
『衝撃粉砕』高速運動の衝撃体(ハンマーやボール)によって瞬間的な衝撃を与える。
『せん断粉砕』くさび型のカッターを用いて小片に切断。
『磨砕』物体と作業面の摩擦を利用し、磨り潰すように微粉化する。


搗鉱機(とうこうき)とは繰り返し鉱石を叩くことで粉砕する、衝撃を用いた破砕機である。
型枠内で垂直に保持された鋼製シャフト(杵)を、
回転により上下動するカムにより連続的に上昇/落下を繰り返すことで、
下部の臼部分に置いた鉱石を杵で突き粉砕する。

スタンプミル

正に水車小屋内部の機構であり、その型枠と破砕棒は『スタンプ』と呼ばれる。


本坑は昭和19年(1944)に湖畔で黄鉄鉱の転石が発見され、昭和24年(1949)に鉱区が設定された。
その後3坑道の掘削が行われ、金・銀・銅の鉱石が採掘されたものの、
10年間程度の出鉱に留まり、小規模鉱山の域を出ることなく、
休山に至っている。

いつものように山中深くではなく、湖畔の開けた鉱山跡。
秋の終わりの小鉱山で、大きな発見に至る。
街の期待を背負った、小さな金山を訪れてみよう。

スタンプミル・レール・坑道跡・・・



ハイラックス
( ̄u ̄;)ハイラックス1971





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