弓削瀬戸瀬鉱山跡  探検: 北の細道 弓削鉱山

弓削瀬戸瀬鉱山、歳時の火難




北海道遠軽町


   地球の年齢は約46億年と言われるが、
その地質の年代はどうやって計測するのだろうか。

鉱石や岩石に含まれる 「ウラン」元素記号U ,原子番号 92,核分裂の過程で高エネルギーを放出する放射性物質の一つ やその他の放射性元素の原子は、
絶えず崩壊しつつエネルギーを拡散して 「ラジウム」元素記号 Ra ,原子番号 88、 キュリー夫妻によってウラン鉱石から発見、γ(ガンマ)線源として医療分野で使用 となり、
最後には鉛とヘリウムを残すが、その半減期は4億5,000万年で、
1gのウランから生まれる鉛の量は1年間で76憶分の1gである。
つまりその地層にある鉱物中のウラン量と、その崩壊によってできた鉛の量を測定すれば、
その鉱物の生成した年代がわかるわけである。

具体的には放射性物質を含む火成岩を探傷して、
その中のPbやHeの量を計測すれば良いのである。
現在最古のものは、カナダのマニトバのペグマタイトで、
約21憶年前のものとされている。


本坑で採掘された鉱石は黄銅鉱で、これは銅・鉄・硫黄からなる鉱物だ。
噴火や地熱、そして冷却や地圧によって、いくつかの元素が合わさって化合鉱物となったものだ。

化合鉱物は一定の元素の割合で成立しているので、
一定の分子式で表され、それは含まれる鉱物の分析により決定される。

例えば黄銅鉱、CuFeS2の場合は、

  元素   重さ(%)        原子量        結合比   割合
 Cu(銅)  34.89  ÷  63.57  =  0.5488  1
 Fe(鉄)  30.04  ÷  55.84  =  0.5379  1
 S(硫黄)  34.51/99.44  ÷  32.06  =  1.0678  2

となり、各成分の割合をもって『CuFeS2』となるのである。


昭和16年(1941)札幌の弓削氏が探鉱を開始、
10年後の昭和27年(1952)には10t/日の選鉱場を建設したが、
翌年、住友金属鉱山(株)の所有となり、
休山、貯鉱分の搬出のみを行い、昭和33年(1958)には閉山している。


標高は穏やかなようだが、道もない深い山中。
現在の地形図にも鉱山は明記されていないものの、
様々なヒントが隠されている。
小さな銅鉱山跡を追って、初冬の山に入ってみよう。

沢・遺構・焼失・・・



選鉱場
( ̄u ̄;)選鉱場





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