Kr鉱山跡  探検: 北の細道 Kr鉱山

Kr鉱山で尾綱巻に会う



北海道某所

    鉱石を採掘するとき、当初は地表に近い部分から採掘するが、
採鉱深度が徐々に深くなってくると、坑道の延長が大きく長くなる。
やがて、その坑道は巻上能率や通気、坑道維持という点でも困難が生じてくる。
そのため坑道延長が短くかつ、目的の鉱床に最短路で達するために、
坑道の傾斜を強くし、場合によっては垂直な坑道、立坑を検討することとなる。

立坑は開発費が膨大で建設にある程度の年月が必要となるが、
通気・運搬・坑道維持の点では最良となる。
しかし、一般的な中小鉱山では斜めに採掘する斜坑が一般的だ。
そして一般に斜坑から鉱石を搬出する方法は、ベルトコンベヤー、
スキップ巻き、コース巻きなどが用いられる。

ベルトコンベヤー

ベルトコンベヤーは傾斜角10〜22°の範囲で用いられ、ベルト幅にその運搬速度は比例する。

ベルト幅と速度の関係(昭和34年)
  ベルト幅(インチ)   20   24   30   36   42
 ベルト幅(o)  508  610  763  915  1066
 最高速度(m/min)  105  120  135  150  165

ベルトコンベヤーの長所は、運搬が円滑で多量の運搬に適しており、
騒音が少なく動力費は少、傾斜の上下方向共に運搬可能で、
傾斜の緩急や凹凸にも対応でき、直線であれば設置できる。

短所としては設備費やゴムベルトが高価なこと、
そしてベルト自体が短寿命、横方向の屈曲が不可、移設は困難などの要件がある。

ベルトコンベヤー ベルトコンベヤー

スキップ巻き

スキップ巻きは斜坑内の軌道上を巻上機により往復運動する
大型鉄製の箱型鉱石専用貨車を利用した運搬方法であり、
坑底には貯鉱ポケット、そして坑口にも専用の排出ポケットが設置され、
それぞれ自動的に鉱石が積込み、底開きや転覆式で搬出される。
傾斜角25°以上でも使用可能で、 積卸が迅速、巻上荷重が有効に作用することなどが利点であるが、
積込/積卸の際の鉱石の落下により粉化が発生する。

スキップ 斜坑用スキップ


コース巻き

コース巻きとはコース(綱首)と呼ばれる鋼製ロープの先の留め輪を用いて、
鉱車(トロッコ)を連結し、巻上機で斜坑内の軌道上を巻上/巻下ろしする方法である。


コース(綱首)

コース巻き
傾斜14°以下で使用され、大きく分類して単胴巻きと複胴巻きがある。
前者は単線軌道を1本のロープを用いて交互に巻上、
動力が坑口側の場合と坑底に設置の場合がある。
後者は複線において複胴の巻上機にて2本のロープで空車と積車を同時に運転する。

今回、坑道内で発見した巻上システムは、これらに該当せず、
単胴型で動力が坑底にあるタイプの変形型であった。
坑内分岐と複数の 「シーブ」無動力滑車が語る、驚きの巻上設備。
坑内は非常に危険なため、場所については伏せさせていただく。




尾綱式・シーブ・坑道・・・



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( ̄u ̄;)シーブ





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