溶鉱炉跡と風車の共存


恵山火山は二重式の成層火山に分類され、
賽ノ河原と呼ばれる楕円式の火口原を持つ外輪部と、
数個の寄生火山により構成されている。
古武井川支流にはかつて黄銅鉱、閃亜鉛鉱、方鉛鉱などが蜜雑したものに、
重晶石を伴う黒鉄鉱床が分布していた。
戸井、日浦、古武井付近では、江戸時代から箱館奉行の名により砂鉄が採掘され
蘭書によって初めて洋式の溶鉱炉が築造された。


ここ古武井は、昭和26年頃には砂丘の砂鉄を採掘し、
精鉱生産量22,000t/年をほこり、女那川桟橋から船済みされて
釜石及び室蘭の製鉄所に送られていた。 古武井

古武井川゙ 海水浴場や道の駅もある国道から、
少し上流へ向かう。
道はほとんど登らず、海抜は海岸付近とほとんど変わらない。


製油所

製油所のような設備がある。

さらに林道を遡る。

林道

低木が茂る林道は汐の香がしている。


風車

奥には風力発電の風車が見えてきた。

ロータの直径はφ90m、支柱の高さは70mとされている。

近くで見ると大きい。

足跡

広場に人間のものではない足跡があった。
慌てて近づいてみた。

丸い足跡。

馬鉄

足跡の片方はエゾジカで、片方は馬であった。
羆かと思い驚いた。

かなり登ってきたが、

ダート

相変わらず目立った施設は無く、
風車が点在している。



平地

少し進むと大きな空き地があった。
古地形図ではかつて大きな設備があったようだが今は見えない。

ウエイト

奥にはコンクリートアンカーがある。
鉱山とは関係のない設備かも知れない。

水道蛇口。

水道蛇口

水道もひかれているが、
こちらも鉱山とは直接関係なさそうだ。


放牧

風車の脇に何か見える。

点在する黒い塊は馬の糞だ。

風車に最接近した。

風力発電

ローターが風を切る音がすごい。


鉱山

一段と旧い施設がある。
古地形図の高塔の位置ともほぼ一致する。



廃墟はRC構造の見慣れないものであった。
施設は十分に時が経過しているようだ。



風車と廃墟。

廃墟

最新の稼動している設備と産業遺産。
隣に並んでいるのが、不思議な光景だ。


石

奥には庭石のような、
巨大な石材の保管場所があった。


突き当たり

やがて道は突き当たり、
廃道となった。
かつては段丘堆積物の砂鉄を露天掘りしていた、
北工古部井鉱山があったが、今は見る影もない。

大昭日の浜鉱山

少し椴法華方面に向かった同鉱床の大昭日の浜鉱山に向かう。
カラマツの茂る細い道を遡る。


鉱床

複雑な地層の脇を通る。
昭和34年ごろ、約20,000t程度採掘されていたが、
表層が6〜8mと厚く、一日の採掘量が低く、まもなく休山したらしい。






林道はそして通行止めとなった。
付近の砂鉄鉱床は大部分が採掘されず、
その残鉱は30,000t程度といわれている。

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廃墟
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