神の穴


札幌−十勝間が高速で結ばれる前は、
日高峠、日勝峠を越えるのが通例で、
その際、この日高町は休憩のポイントでもあった。、
山がちな日高町は山岳リクリエーションにも力を入れており、
森林コースがいろいろ設定されている。


富岡3号の沢沿いの右岸林道を歩き始める。
ここから「なみだの滝」まで15分、「さんごの滝」まで徒歩1時間となる。
林道
地図

カンテラロード゙ 林道脇には鉱山を紹介する看板が・・・
石綿やクロームを求め坑道や露天掘りを掘り進め、
鉱山社会特有の制度が確立されていたらしい。


富岡3号の沢゙ 三号の沢は流れが急で、
がれ石が非常に多い。


なみだの滝

約10分でなみだの滝に到着した。

岩石や断層の説明がある。

融雪期には流れがあるが、夏場以降は枯れてしまうところが「なみだ」らしい。

トレッキング

林道はゆるやかに登っており、
鉱床や岩石の説明看板がところどころにある。


砂防ダム

左岸を登る頃から、やたら砂防ダムがある。

新しいものから、簡易なもの、多くの種類があり

よく整備された川と林道だ。

鉱床

自然と鉱床が豊富であるらしい。
確かに野鳥の声がずっと聞こえている。

更に林道を登っていくと

北日高岳

北日高岳登山口との分岐がある。
さらに林道を遡る。

昭和62年に「日高治山の森」として指定されたこの付近は、

ワンダーフォーゲル

廃坑跡からの土砂の流出を防ぎ、
景観に配慮した「谷止め工」が施工されている。



砂防

砂防ダムの連なる林道をゆっくり歩く。
もちろん一般車両は通行止めだ。

砂岩

鉱床や岩石の説明も続く。
廃道ではない鉱山めぐりもなかなかいいものだ。

何やら重機が見えてきた。

パワーショベル

こんな山中でも工事中なのか。
脇を抜ける。


ダム工事

今まさに新しい砂防ダムを建設中であった。

ポンプで水流を迂回させ、鉄筋と型枠でダムを作っている。

いよいよサンゴの滝に近づいた。

サンゴの滝

昭和45年頃にこのあたりで珍しい「六射サンゴ」が見つかった。
それから「さんごの滝」と呼ばれるようになったらしい。


滝

いよいよ林道から登山道に入り、
滝も近い。



「サンゴの滝」
鉱山の採掘により川の流れが変わり、
やがてできた滝だと言われる。


足元には

さるのこしかけ

大きなサルノコシカケが。
この先、登山者の侵入は少ないようだ。


廃道

いよいよ滝を過ぎると道は無くなる。
踏み分け道も無く、完全廃道の沢登りとなる。


沢登り

大型の岩山を登り
苔むした沢を遡る。
フェルト底の靴とネオプレーンの靴下で気兼ねなく水辺を歩く。


死体

沢にエゾジカの死体が横たわる。
頭蓋骨も背骨も毛も残っている。
これが養分となり、また他の動物が生きる。


沢登り

こんな道を30分以上登る。かなり疲れてきた。
人の気配はまったく無く、果たしてこんな山中に何かあるのだろうか。






見えただろうか。
崖の上に現れた隧道が。


神の穴

登山を超えた沢登り後に突然現れた「神の穴」
それまでの疲れも忘れて、夢中で近づいた。
自然の洞穴ではない。手彫りの廃隧道だ。


廃隧道

距離は短く、8mぐらいか・・・。
意匠も何も無い。結構な高さがある。

廃隧道


坑門

坑門を見上げながら、潜り抜ける。
かってこの上流に位置したクローム鉱山からの、
鉱石を搬出するために掘られた、
運搬用隧道。

坑口

くぐり抜けると、
その奥に道は無く・・・。

鉱床

更に遡ったが鉱山は見えず、
谷は細く急になる。


隧道跡

素堀りの隧道は、
めったと人の目に触れずに、静かに眠る。




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