神の穴
約10分でなみだの滝に到着した。
岩石や断層の説明がある。
融雪期には流れがあるが、夏場以降は枯れてしまうところが「なみだ」らしい。
林道はゆるやかに登っており、
鉱床や岩石の説明看板がところどころにある。
左岸を登る頃から、やたら砂防ダムがある。
新しいものから、簡易なもの、多くの種類があり
よく整備された川と林道だ。
自然と鉱床が豊富であるらしい。
確かに野鳥の声がずっと聞こえている。
更に林道を登っていくと
北日高岳登山口との分岐がある。
さらに林道を遡る。
昭和62年に「日高治山の森」として指定されたこの付近は、
廃坑跡からの土砂の流出を防ぎ、
景観に配慮した「谷止め工」が施工されている。
砂防ダムの連なる林道をゆっくり歩く。
もちろん一般車両は通行止めだ。
鉱床や岩石の説明も続く。
廃道ではない鉱山めぐりもなかなかいいものだ。
何やら重機が見えてきた。
こんな山中でも工事中なのか。
脇を抜ける。
今まさに新しい砂防ダムを建設中であった。
ポンプで水流を迂回させ、鉄筋と型枠でダムを作っている。
いよいよサンゴの滝に近づいた。
昭和45年頃にこのあたりで珍しい「六射サンゴ」が見つかった。
それから「さんごの滝」と呼ばれるようになったらしい。
いよいよ林道から登山道に入り、
滝も近い。
「サンゴの滝」
鉱山の採掘により川の流れが変わり、
やがてできた滝だと言われる。
足元には
大きなサルノコシカケが。
この先、登山者の侵入は少ないようだ。
いよいよ滝を過ぎると道は無くなる。
踏み分け道も無く、完全廃道の沢登りとなる。
大型の岩山を登り
苔むした沢を遡る。
フェルト底の靴とネオプレーンの靴下で気兼ねなく水辺を歩く。
沢にエゾジカの死体が横たわる。
頭蓋骨も背骨も毛も残っている。
これが養分となり、また他の動物が生きる。
こんな道を30分以上登る。かなり疲れてきた。
人の気配はまったく無く、果たしてこんな山中に何かあるのだろうか。
見えただろうか。
崖の上に現れた隧道が。