鉱山ではない鉱山
三笠のかつてのシンボル、高さ43.8mの竪抗。
昭和34年からわずか工期4年で建設された。
今はひっそりとしている。
赤平山のすそ野から山へ入る。
やがて間もなく雪に埋もれた廃祉が見える。
一対の廃墟が2連並ぶ。
白い建屋は送風機の制御室らしい。
雪が重くのしかかる。
内部に侵入する。
破れた屋根から雪が積もっている。
ここは送風機の台座のようだ。
更に奥にはコンデンサーらしきものがあった。
ここで送風機の制御をしていたのだ。
今だ存在した制御盤。
抵抗やトランジスタが並ぶ。
巨大な設備だ。
制御盤に残るR-S-T相スイッチ。
電圧や電流を見るメーターを切り替えるswだが、
恐ろしく古い。
(本スイッチについては某電気工事士に確認をとった)
制御盤の最下部には、
「河野鉱山電機器製作所」の文字が・・・。
これは鉱山名ではなく、現在存在しない会社名のようだ。
控室のような小部屋があった。
劣化は激しい。
窓も既に機能していない。
控室の壁にはヘルメットや作業着を掛ける棚がある。
鋼製のハンガーがあり、
腐食が激しい。
制御盤の対角にはフライホイールと思われる、
フランジ付きのローラーがあった。
軸受部は腐食し、すでに摺動しない。
制御盤室から続く斜面に沿って、
排気坑が2連、地下へと続く。
ここから立坑直下へと続いているのだ。
排気坑は送風機室から続き、
断面は3m角ほどある。
内部は密閉され奥は見えない。
炭塵爆発の防止や酸素濃度19%以上の確保のための排気坑。
埋没しているようだが、
今となってはこの先の確認はできない。
戻る