名古屋祭り 宵まつり 郷土芸能祭 |
’99.10.16 PM4.30〜7.00
例年、開催される郷土芸能祭、昨年は台風の来襲で中止でしたが、今年は好天に恵まれ、全演目、盛況のうちに演じられました。
4.30 オープニングに新次郎太鼓の笛と太鼓で華やかに開幕しました。
古出来町お祭り囃子 古出来町お囃子保存会
古出来町は、王儀之会HPに、説明があります。
お囃子に特徴があります。人形囃子は名古屋市指定無形文化財です。
天保年間からの伝承とされ、からくり人形が演じられる時、太鼓が激しく打たれ、大きく盛り上がります。車切、神楽、そそり、帰りと合わせ五つのお囃子が演奏されました。
笛、大太鼓、小太鼓、鼓、それぞれ、練習の行き届いた名手揃いで、風情のある雰囲気を醸しました。
私は、祭り当日、昼夜共、ビデオ取材していますが、是非、祭り本番の山車からくり、見事なお囃子、どんてん(方向転換)、夜祭り、三町内の出合い、千秋楽の祝儀挨拶、帰り囃子で三方に別れる哀愁の別れなど、わくわくする気分を味わって頂きたいものです。
稲武町 夏焼太鼓 夏焼泉太鼓保存会特別参加
戦国時代に起源を持つ、勇壮な太鼓打ちです。
大太鼓、締太鼓、笛、チャッパを打ち鳴らし武士の鼓舞と、武運を祈願し、地区の「浅間神社」に奉納するため打ち鳴らしたといわれます。
短い「すりこぎ」状のばちで大太鼓、平竹で締太鼓を破れんばかりに打ちます。
「道行き」を始め「宮入り」など四曲の演奏でした。
一曲は、全員が二つの大太鼓を交互に乱れ打ち、息を弾ませての熱演でした。
尾張新次郎太鼓 曲打ち 尾張新次郎太鼓保存会
江戸時代に、熱田神宮の神楽から発生したという、神楽太鼓と曲太鼓の二種の太鼓と笛による演奏で、幅広い年代の男女が見事な撥さばきと、笛の演奏を披露しました。
尾張西部では、古くから秋の豊作を祝い、太鼓を打ち鳴らしていましたが、戦争、伊勢湾台風などで途切れがちになってしまいました。
それを悲しんだ、故西川新次郎が復活。
今では400人を超える会員です。神楽太鼓の打ち分け。曲太鼓は、撥を回転させたり、空中に投げ上げたりします。
「神楽舞」、「わたよせくずし」、「森津」などがあります。リズム感の素晴らしい演奏です。
10月の神社祭礼には、港区だけで38台の神楽が町内を巡ります。名古屋祭りの神楽揃えには、10台程が山車揃えに続いて道行きをします。
催馬楽 「桜人」 催馬楽桜人保存会
笙、ひちりき、琵琶、琴、拍子による雅楽演奏です。催馬楽の語源は定説は無いといわれます。
昭和 30年、譜が発見され復元されました。
「さくらびと その舟ちぢめ、島つ田を十町つくれる、見て帰り来んや、そよや、あす帰り来んや、そよや」
平安時代ののんびりした歌曲ですがなかなか現代人には難解です。
平針木遣り音頭 平針木遣り音頭保存会
「とさのこまごと」、「手斧始式」、「年代記」、「とさ」
慶長15年(1610)名古屋城築城の際に唄われたものと伝えられます。
築城の際の資材の運搬などの時、他国から来た人夫の唄う木遣り唄を憶えたと伝えられます。
指揮者(かけ)と作業者(受け)とが調子を合わせて唄います。
一宮の今伊勢町馬寄に、同じく、名古屋城築城に出掛けた時、唄われたと言われる「馬寄木遣り音頭」が保存会によって伝承されています。
神社、寺院などの造営の時などに祝賀奉納されます。数年前、今伊勢呑光寺洛慶の折、道行きがありビデオ取材しました。
様式、唄などは共通していると思いますが、地域によっては違う文句があるかもしれません。
「枝も栄えて葉も繁る」は全国共通です。
木遣りは山車祭りでも楫方が扇子を手に唄います。
それぞれの保存会が、二十分程の持ち時間の熱演でした。こういう機会に触れて、後は、できれば当日、現地で風景に溶け込んだ祭りに出会えれば満足出来るでしょう。