徒然草「九月二十日のころ」(第三十二段) 問題

 A九月二十日のころ、ある人に誘はれたてまつりて、明くるまで月見ありく事侍りしに、思し出づる所ありて、B案内せさせて、入り給ひぬ。荒れたる庭の露しげきに、わざとならぬ匂ひ、しめやかにうち薫りて、忍びたるけはひ、いとものあはれなり。
 よきほどにて出で給ひぬれど、なほ、事ざまの優に覚えて、物の隠れよりしばし見ゐたるに、妻戸をいま少し押し開けて、月見るけしきなり。 C やがてかけこもらしまかば、口をしからまし
 跡まで見る人ありとは、いかでか知らん。 @かやうの事は、ただ、朝夕の心づかひによるべし。   Aその人、ほどなく失せに  Bけりと聞き侍り D

問1 A九月二十日のころについて、
   (1)「九月」の異名での読みをひらがなで記しなさい。★
   (2)「九月」は旧暦でいうと、どの季節にあたるか。適当なものを次の中から選び、記号で答えよ。★
      ア 晩夏  イ 初秋  ウ 仲秋  エ 晩秋
   (3)「二十日のころ」の月は、どういう月か。適当なものを次の中から選び、記号で答えよ。★★
     ア 上弦の月  イ 下弦の月  ウ 新月  エ 満月

問2 B案内せさせて とは、誰が誰に何をさせたのか説明しなさい。★★

問3 C やがてかけこもらしまかば、口をしからましについて、
  (1)現代語訳しなさい。★★
  (2)作者の気持ちを推定の言い方ではなく、端的に言うとどういうことか。★★

問4 Dの用法を文法的に説明しなさい。★


advanced Q. @ かやうの事は、具体的にはどういうことか、2点でまとめなさい。

advanced Q. A その人とはだれのことか。

advanced Q. BけりとDの助動詞の使い分けについて説明しなさい。

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徒然草「九月二十日のころ」(第三十二段) exercise

 a九月二十日のころ、ある人に b誘はれたてまつりて、明くるまで @月見ありく事侍りしに、 A思し出づる所ありて、案内せさせて、 c入り給ひぬ。荒れたる庭の露しげきに、 dわざとならぬ匂ひ、 eしめやかにうち薫りて、 f忍びたるけはひ、いとものあはれなり。
  Bよきほどにて出で給ひぬれど、なほ、事ざまの優に覚えて、物の隠れよりしばし見ゐたるに、妻戸をいま少し押し開けて、月見るけしきなり。 gやがて Cかけこもらしまかば、口をしからまし
 跡まで見る人ありとは、 hいかでか知らん。 Dかやうの事は、ただ、朝夕の心づかひによるべし
 その人、ほどなく失せにけりと聞き侍り i

問1 aについて、次の問いに答えよ。
   (1) 「九月」の異名の読みを記せ(「くがつ」は不可)。

   (2) 「九月」は旧暦でいうと、どの季節にあたるか。適当なものを次の中から選び、記号で答えよ。
       ア 晩夏  イ 初秋  ウ 仲秋  エ 晩秋

   (3) 「二十日のころ」の月は、どういう月か。適当なものを次の中から選び、記号で答えよ。
       ア 上弦の月  イ 下弦の月  ウ 新月  エ 満月

問2 bcfの主語として適当なものをそれぞれ次の中から選び、記号で答えよ。
     ア ある人  イ 従者  ウ その人  エ 作者

問3 dに「わざとならぬにほひ」とあるが、何の「にほひ」か。漢字一字で答えよ。

問4 eghの意味をそれぞれ答えよ。

問5 iの文法的な用法を説明しなさい。

問6 @の口語訳として適当なものを次の中から選び、記号で答えよ。
    ア 月を見ながら歩いていることがありましたときに
    イ 月をながめて歩きまわることがございましたが
    ウ 月を求めて浮かれ歩くことをなさっていたところ
    エ 月の下で見まわって歩きなさったときに

   ABの説明として適当なものをそれぞれ次の中から選び、記号で答えよ。
     A  ア 古歌に詠じられているところ  イ 幼い日々を過ごした家
        ウ 通っている女性の居所     エ かって月見の宴を開いたところ

     B  ア 月の隠れないうちに      イ 日がたけてのちに
        ウ 供の者が退屈しないころおいに エ 日がまだ昇らぬうちに

問7 Cについて、
  (1)文法上何と言う用法が使われているか、漢字4字で記しなさい。
  (2)35字前後で口語訳しなさい。

問8 Dについて、
  (1)「かやうの事」とはどういうことか。その部分が2ヶ所あるととらえると、どういうこととどういうことか、簡潔に述べなさい。
  (2)「かやうの事」に作者が感じ取っているのは、どういう心か。適当なものを次の中から選び、記号で答えよ。
      ア 人をもてなす心  イ 月をめでる心  ウ 恋をはかなむ心  エ 優雅を愛する心

問9 「徒然草」の作者名、そのジャンル名、成立した時代の名を順に記しなさい。

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