無垢材・手づくり・注文家具の専門木工房
アトリエ 几の香
woodwork Atelier Kinoka

■無垢の木でつくるカスタムメイド家具
■指物で組み立てるシンプルモダン家具
■天然素材で仕上げるハンドメイド家具

家具はひとの暮らしぶりに合わせて在るはずのもの
いつの頃からなのでしょうか、ひとが家具に合わせて生活するようになったのは

「几の香」の家具は、使い勝手の良さ、使い心地の良さを求めて
きめ細やかな配慮のもとに設計・制作しています

制作の技術を支えるのは「指物」という、いにしえから受け継がれてきた
手道具による手わざ・手しごと

ふだん使いの家具として、使うかたのために、使うかたが使いやすいように
木取り、木造り、組み手加工、と丹念につくり込みます

「柱のきずはおととしの5月5日の背比べ」
童謡の歌詞にある柱の「きず」は劣化でも故障でもありません
日々の暮らしの中での小さな挿話、紡がれた家族の物語

当工房は新規の制作だけでなく、大正ロマンや昭和レトロを感じさせる
ノスタルジックな家具の修復・復元も手がけています

愛着をもって世代を越えて家族に受け継がれてきた家具は
古さゆえの良さも受け入れて、いつまでも大切にしたいものです

古くなったと感じたら捨て去り、新しい製品を購入することで得られる満足感は
実はそれほど長続きするものではありません

思い出は家具に染み込み、家具はいつしか家族の歴史の語り部となります
「几の香」は家族の物語を紡ぐ家具をつくります

花と緑の小さな専門木工房  
 
東京の北部にある下町、足立区に工房があります。
東武スカイツリー・ライン、大師線の西新井大師駅から北へ徒歩1km。あるいは日暮里・舎人ライナーの谷在家駅から東へ徒歩1km。
静かな住宅街の一角、玄関わきに木製の小さな看板「アトリエ几の香」。看板を取り巻くように、夏になると、たわわに実をつけるピオーネというブドウの木。
木製の外階段を昇るとウッドデッキ。コンテナガーデンにもレモン、イチゴ、ナスタチウム、ランタナ、ポーチュラカなど季節ごとの花々。工房の入り口にはシラカバの丸太が二本。
花と緑の小さな工房は、いわゆる「木工所」のイメージとは異なって、大型の工作機械類がひとつもありません。
作業台と工具収納。作業イスがわりにしているナラの丸太。主宰者はノコギリやゲンノウ、カンナやノミなど昔ながらの手道具を用いて、すべての工程を手仕事で制作しています。
 
 
工作機械を使えば、効率がよいはず。けれども減価償却費や電気代がかさみ、当然のことながら、価格にはねかえります。価格を安く抑えるには、チープな化粧合板を多用せざるを得ません。
「既製の家具と比べて、それほど高くはないんですね。無垢材の注文家具って、うちらなんかには手がでないほど高価だとばかり思っていました」
あるとき、母娘で工房を来訪されたお客様が、主宰者の示した見積額を知らされて、意外そうにお答えになりました。
自宅を兼ねた、ひとり工房ですから、テナント料もなく、営業スタッフもいません。ホームページが唯一の広報手段。
完成した家具はすぐに納品しますから、家具を展示するギャラリーも、在庫品を納める倉庫もありません。そのため、化粧合板をいっさい使わず、総無垢材の家具でありながら、廉価で家具を提供できるのです。

 
ただし、ひとり工房の欠点は、納品するまでに時間がかかることです。既製の家具店のように「来週、納品します」など、とてもできません。
ご注文を受けてから、部材を仕入れ、制作を始めますから、場合によると3ヶ月ほどもお待ちいただくことになります。
ところが、お客様にとってはこれが実は楽しみのひとつなのだと、工房を開設してから気がつきました。
「きょうは、ここまで進んだのか」と、工房を見学して、ご自身のオーダーされた家具の制作状況を確かめることができるからです。お客様にとっては、家具がどのようにつくられていくのか、そのときどきのようすを見る機会は、おそらく初めてのことでしょう。
家具が出来上がるまで、2度、3度と当工房を来訪され、できあがるのを心待ちにされています。なお、遠方のお客様には、進行状況について手紙やメールで、その都度お知らせしています。
 
  二十四節気と不定時法  
   
生き物である木を相手に作業をするため、主宰者は木のリズムに合わせて生活しています。
日が沈んだら眠り、日が昇る1時間ほどまえに起床。夜が明けきるまで、組み手加工の図面とにらめっこ。朝日が工房に射し込み始めると制作活動をします。
一日を24時間で区切る「定時法」より、江戸時代に確立された「不定時法」を採用したほうが、木に合わせた生活には有効です。
つまり「明け六つ」に起床し、「昼八つ(3時のおやつの語源)」に一日の作業を終えます。
夜明けから日没までを6等分する不定時法は、夏と冬では「一つ(一とき)」の長さが異なります。つまり夏場のほうが、活動時間が長くなります。「二十四節気」をもとに、人間の生活を自然のリズムに合わせる時刻制度は、木を扱うには、理にかなっていると思います。
 
実際に、日が沈んでから木を加工しようとするとうまくいきません木が「シブ」くなり、ときにふてくされて、ノミ使いは反感を買うのです。きっと木も夜になると眠いので、無理に起こされると機嫌が悪くなるからでしょう
不思議なことですが、木は鉄や石などとちがって、切り出されて製材され、部材となっても生きて呼吸をしています。
梅雨時は、湿気を吸って膨らみ、冬季には湿気を吐き出して縮みます。また、木の種類や状態によっては、反ったり、ねじれたりもします。
主宰者はつねに「二十四節気」を参考にして、気温と湿度の関係がもたらす木の態様変化を把握しようと努めています。
木と向き合い、木の息吹を感じながら制作活動をしています。

 
 「几」(き)の香りを楽しむ  
   
森林浴がひとにもたらす健康作用は、樹木に含まれるフィトンチッドの効果として、よく知られています。
木にはそれぞれ独特の香りがあります。
風呂桶に使われるヒノキやヒバ、たる酒に使われるスギの香りは、とても心地よいものです。サクラやナラのチップは、その香りが食欲をそそるため、燻製に用いられています。
「几の香(きのか)」の由来はこの香りにあります。
「几(き)」は「机」という漢字に用いられるように、古くは机そのものを、のちに家具の天板を意味するようになりました。お盆や茶碗などのいわゆる調度品と家具のちがいは、「几」と呼ばれる天板があるか、ないかによります。
「几」はそれが家具であることの証しなのです。
「几」からほのかに漂う香りこそ、無垢材家具ならではの特徴として、工房の名に付けたのです。
ほんものの木は燃やしたときにも、それぞれのもつ木の香りがします。よく乾燥した無垢材は、完全燃焼して、きれいな白い灰となります。さいごまで、ほんものの木はほんものとして終えるのです。
 
   
  木工・指物に賭ける心意気
 

工房の主宰者は 二世 程田仲太郎(ほどたなかたろう)。
本名、遠藤茂則(えんどうしげのり)。
1955(昭和30)年、東京・足立区千住生まれ。

1977(昭和52)年、法政大学法学部政治学科を卒業して、社会科教諭、柔道部顧問として埼玉県内の中学校に勤務。
2008(平成19)年、三郷市内の中学校教頭を早期退職。
「ここが潮時と決断し、退職しました。教員は職業でしたが、木工は生き方です」

江東区南砂の woodworkNAGAO主宰 長尾隆久 氏に師事。
「木工駆け込み塾」に学ぶ。 付設の「無垢の木 蟻工房」での注文家具制作を経て独立。
2009(平成21)年9月9日、「アトリエ 几の香」開設。
「フランスには『ゆっくり歩むものは遠くまで行ける』ということわざがあるそうです。からだは、老いゆくとも、心意気はますます血気盛ん、ひたすら歩むまでのこと」
「やらねばならぬことを仕事にしているのでなく、やりたいことを仕事にしているのですから」
 
 
 一世 程田仲太郎

一世程田仲太郎は父方の曽祖父。宮大工・指物師。
千葉県柏市山高野の山神神社には、一世が遺した神輿(みこし)が現在も保存されています。
写真は平成24年7月29日に催された祭礼のようす。
灼熱の太陽の下、神輿は大勢の地元の方々に担がれて町を練り歩きました。勇壮な祭りで感動しました。

さらに右の写真で紹介するのは、程田家本家から二世仲太郎が譲り受けた伝来の指物道具のうち、とくにめずらしい3枚刃の溝切りカンナ、つまり手動のトリマー。3枚の刃で、両側溝と溝底を削ります。いまでも使用可能。エンブレムには「東京代表的助成木工具製作所製品」と刻まれています。
いつ頃のものなのでしょうか。















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時を超えて、暮らしに寄り添う家具がある
 



 
 アトリエ  几の香
woodwork Atelier Kinoka

主宰 二世 程田仲太郎
 

主宰 二世 程田仲太郎
123-0841 東京都足立区西新井3−13−17
Tel・Fax 03−3897−1827
E−mail:shigenori@msd.biglobe.ne.jp
活動時間 月〜金  午前8:00〜午後1:00
      土・日・祝 午前8:00〜午後3:00 不定休
■ お見積は無料です。いつでもお問い合わせ下さい
■ 納品にあたり、家具の送料は無料(関東エリア内)です
■ 納品の後、いかなる場合も修理・修繕は無料です
■ 毎年1回メンテナンス(小キズ直し、ワックス塗布)に伺います