『私の芭蕉・句碑紀行』刊行近づく

 
  芭蕉の足跡を追って20余年。訪ねた句碑は1200基を越えた。横町の隠居が愚直に歩いた「いしぶみ紀行」の集大成として、執筆に約2年の歳月を費やした、『私の芭蕉・句碑紀行』(A5版 公孫樹舎、税別3000円、電話  045-641-8080)の完成が近づいて参りました。
  
  第一部では蕉風確立の旅・『野ざらし紀行』、蕉風拡大の旅『笈の小文』、蕉風深化の旅・『奥の細道』に二度の月見の旅『鹿島詣』『更科紀行』を加えた、 芭蕉の五大紀行の名文と名句を鑑賞しながら、登場する句の句碑を紹介する。
  第二部では『奥の細道』の旅の終了後(元禄2年9月)、元禄7年10月大坂で客死するまでの5年間を、弟子宛の書簡で動静を探り、記載句の鑑賞とその句碑探訪記を、筆者の戯作「後の旅」で記す。 更に、芭蕉が生前に夢見ていた西国への旅(大阪から長崎まで)を、これまた筆者の戯作「夢紀行」で綴る。芭蕉が自分の句碑を訪ね、その様子を崇敬する先輩や弟子宛の手紙で報告する、芭蕉の夢の中の旅である。
  第三部では芭蕉の紀行の全舞台を訪ね歩いた旅の内、主要な旅を「芭蕉の紀行文の舞台を歩く」形式で筆者の紀行を綴った。更に、芭蕉や西行などの墓を訪ねる「掃苔紀行」や「芭蕉句碑の現況分析」を添えて、第一部と第二部の理解を補強した。
 
  芭蕉が生涯に詠んだ俳句は1000句強と聞く。この内、本著に登場する句は200句程ではあるが、有名な句の大半を紹介する。また、紹介する句碑は2200基強で芭蕉の句碑全体(含む俳文碑・記念碑)3677基の6割を占める。
  
 全国の文学碑探訪ひとすじに、16000余基の探訪実績を持つ筆者が、芭蕉の『野ざらし紀行』から『奥の細道』に至る紀行の全舞台を歩き、『奥の細道』以降も「後の旅」で、芭蕉が夢みた西国も「夢紀行」で辿る。
 著者の想いは、 時空を超えて、「言霊の幸はふ国」を駆け巡ります。流した汗の結晶がオールカラーの400ページに詰め込まれています。

  乞う ご期待