因幡の国に来た以上は、白兎海岸を訪れなければと、鳥取市街地を、再度、通り抜け西にハンドルを切った。鳥取郊外の湖山池、鳥取空港に沿って、少し渋滞した道をとろとろ走り、海岸線を走る国道9号線・山陰道に辿り着き、白兎海岸の「道の駅」に車をとめた。
  遠浅の海岸は真っ白な波で埋め尽くされていた。予想外の光景に歓声をあげ、歩道橋下のだいこくさま歌碑に取り付いた。自然石の碑面の上部に「田村虎蔵先生碑」と題し、「だいこくさま」の曲譜と歌詞の一部「♪おおきなふくろをかたにかけ♪」が海を睨んでいた。ここが神話「因幡の白兎・大国主命」の舞台かと沖を見る。青い日本海と打ち寄せる白波が遠浅の海岸に広がる光景が、果敢にもそれに挑もうとするサファーと共に、強く印象に残った。
  鳥取砂丘・国府跡で予想外の時間を過ごしたので、予定した三朝温泉の訪碑は取りやめにした。三朝温泉には斎藤茂吉、木下利玄、与謝野晶子・・・とお馴染の顔ぶれが9人も待っていたのだが、山陰随一・伯耆大山の中腹まで駆け登らねばならないので自重、腹ごしらえをして、長距離ドライブに備えた。 (以下次号)
     
     (国府跡・在原行平歌碑・万葉歴史館・大伴家持歌碑:田村虎蔵記念碑の白兎海岸)


    



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