朝食を終えてチェックアウトの準備。
部屋から見た備讃瀬戸。やっぱり気温が高いんでしょうね。海は穏やかだけど向こうの島はいつもより霞んで見える。
ホステルの猫たちはのんびりとお昼寝中。
帰りは15:25のフェリーなので、とりあえずカメラバック以外の荷物は例によって15:00前まで預かってもらうことに。
またお昼食べに来るからね♪
残り半日。
のんびりと歩きながら猫たちの姿をスナップ。
この手前の子はお乳が張ってますね。どこかに仔猫がいるんだろうな。
私と一緒にホステルを出た女性が頭をなでて。
この方は10:00の船で帰るそうです。
「夕方までいたいんだけど…」
高松から羽田、羽田から秋田と飛行機を乗り継がなくてはならないので朝の船で帰らなくてはいけないそうで。
猫という動物は野生動物ではありません。人に頼って暮らす生き物。
だから、そばで暮らす人の性格や姿勢によってそこに住む猫たちの性格も大きな影響を受けます。
何度も書いたことですが、佐柳の猫たちの人懐こさと優しさは、この島に住む人たちの優しさをそのまま鏡のように映したものだといつも思います。
私たちのような島の外から来た人間にも笑顔で接してくれる佐柳の人々。
世の中には猫が嫌いな人もたくさんいる。それはそれで仕方がない。
でも、嫌いなら嫌いでいいからそっとしておいてあげてほしい。猫に限らず動物に対してやたら邪険に接する人がいます。それをなぜかと問いただしてみれば「ただ単に嫌いだから」ということに帰結することがほとんど。「壁に犬がおしっこをする」「庭に猫が糞をする」、そういう表向きの理由はあるでしょう。でも同じことをされても「まあ仕方ないよ」「飼い主の方は気を付けてほしいね」という程度の反応ならわかるし、もっとものことだと思う。
私も地域猫の世話をする傍ら、そうした苦情に接したことがあります。そういう時は「猫忌避剤」(猫の嫌いな臭いを撒く薬)を「これ使ってください」と言って持って行ったことがあります。それがきっかけで地域猫に理解を示してくれた人もたくさんいました。
ただ「嫌いだから」という理由だけで犬や猫を追い飛ばしたりいじめたりする人は正直精神を疑います。
「動物に優しくできない人は人に対しても優しくできない」
「動物を虐待するような人は平気で人間の子供も虐待する」
「動物を平気で殺す人は人も平気で殺す」
昔、そう仰った方がいますが、けだし真理だと思う。
この佐柳だって全部が全部、島民が猫好きというわけじゃない。
「正直言えば猫はあまり好きじゃない」という方もおられます。
それでも、
「生き物だからね。同じ島に住んでる同士なんだからさ。人間の数も減ってしまって寂しくなった島なんだから、仲良くやったほうがいいよね」
かつては日本中どこでもそういう人が多かった。
都会では人間同士でもいがみ合う。お隣りさんと口をきいたこともないという人がたくさんいる。地域のコミュニティが崩壊してそれぞれが家の中に閉じこもって生活してる。自分は平気でゴミを出す癖にゴミ当番の仕事は拒否する。公園で子供が遊んでる声すらも「うるさい」「迷惑だ」と言う…そんな「自己中」な人間が増えてしまった。
そうした人間側の変化が、かつて良好だった人と犬や猫との関係をゆがめてしまったのではないかと私は思うんですよね。
佐柳には、お隣さん同士が助け合うという文化はまだ残っています。
人にやさしいということは動物にもやさしいということ。先ほどの逆もまた真なり。
だから猫たちも安心して暮らしていける。
確かに人は減ってしまった。現在、佐柳島の住民は本浦に40人程度、長崎に20人ちょっと。(ボランティアで島外から通っている人は含まず)
ほとんどが高齢者です。
でもだからこそ、人も猫も仲良くやっていこうよ、という気持ちが伝わってくるような気がするんですよね。
だからこの島の猫たちはのびのび暮らしていけるんですよね。
長崎へ。
さすがに今日は暑いのか、ガードレールのわずかな影を使ってる子がいます。頭いいな。(^^;
波打ち際の穴で暑さをしのいでいる子が…。(^^;
ここ、波が高い日は使えないんだよね。でもほんと涼しそう。
キミもおっぱい張ってるね…子育て中かな。ちょっとお疲れだね。
ホステルに戻り、ちょっと遅めの昼食を取った後一休みしてから荷物を受け取って本浦の港へ。
猫たちに挨拶をしながら…4日間楽しかったよ♪
あと30分で船が出る…最後にもう一度、あの親子に会いに行ってみました。
秋に来る頃には大きくなっているんだろうね。そのころには目のキトンブルーも緑色になっているのかな。
元気で育ってよ!
4日間、あっという間でしたね。
今回もたくさんの猫たちと触れ合えました。この稿を起こしているのは9月上旬。あれから4か月近く経っています。今年は瀬戸内も例年にない暑さで多雨だったそうな。猫たち、元気に夏を乗り切れればいいんですが。
11月、再び佐柳を訪れるつもりです。
この島の人と猫のやさしさに半年ごとにふれることが、私の大きなエネルギーになっているんで。(^^;
15:25の船が来ました。
見送ってくれた何人かの島の方と笑顔で握手をして船に向かいます。
「また来てね」
「待っとるよ」
ありがとうございます。秋にまた!
今日はいったん丸亀泊まり。明日は塩飽本島、その後は京都に向かいます。
第三部「塩飽本島・京都・御誕生寺」に続く