ねこたび日記

2024年5月17日(金) 佐柳島三日目  晴れ 
朝5時。日の出前、広島の上が徐々に茜色に染まっていく…。

昨日の風はまだ続いています。
でも。よく見れば小さな漁船が漁に出ていますね。

日が昇ります。
この朝はいつものように猫たちは堤防に上がって朝日を浴びていました。

八幡神社の灯籠も朝日を受けて染まる。

朝一番のお参りをしておきましょうか。今日もよい一日になりますように…。

本殿には神主さんならぬお宮猫。(^^;

「お賽銭のほかにちゅ~るを置いていくと御利益上がるよ♪」

クリスピーキッスじゃダメ?(^^;
本浦の猫たち。それぞれの朝。

この子は爪とぎに余念がありません。

「使い終わったら片付けないとね」

キミはエライ!SDG'sを地で行く猫だね♪

今朝の遊び相手はこの二匹。

ノリノリだったのはキジトラ君。茶白は「ボクは興味ないよ~」てな感じで適当にあしらってる感じに見えたんですが、なんと最後の最後で態度が豹変。
一瞬の隙をついてジャラシを奪い取りました。「知らんぷり作戦」??
今日もいいお天気です。

朝一番の船が来ましたね。この船はいったん長崎に寄港してから、こちらの本浦に入ってきます。

汽笛の音に敏感に反応する子もいます。

なぜなら、この船が本浦を出ると朝ごはん、という子が多いから。

「ねぇねぇ、ごはん早くぅ~~」
港から荷物を引き取ったおばさんにおねだりしながらついていく子。(^^;

穏やかな瀬戸内とはいえ昨日今日のように風の日もあれば雨の日も、あるいは寒い日も暑い日もあります。それはどこの島猫でも、あるいは都会の町猫でも同じだけれど、違うのはそばで暮らしている人のやさしさ。常に見守っていてくれる人がいる。
島猫というとどこの島でもそうだろうと幻想している人が多いようですが、決してそうではありません。佐柳のような島はむしろ少ないと言っていいです。現に怒和島では猫が好きな人もいれば嫌いな人もいる。餌をあげたり世話をしたりしている人はごく一部。そういう島のほうが一般的だといって差支えないでしょう。そして中にはほとんどの人に疎んじられている猫たちが細々と暮らす島もあるんですよ、同じ瀬戸内にも。
それを考えると、ここの猫たちはいかに幸せか。
この人懐こくて穏やかな性格はそのことをよく物語っていますね。

9:00。ホステルに戻って朝食。
昨日の強風で島に足止めを食った人たちの中には朝10:00の船で帰るという人がおられました。
「どうせなら夕方の船で帰ればいいのに」
「そうしたいんですけど、明日は朝早くから仕事なんで遅いと体がキツイし、準備もあるから…」
本来お休みは水・木で今日の金曜日は急遽有休を取ったんだそうな。土日がメインのイベント関係のお仕事で週末は通常より二時間早く出勤しなきゃならないんだそうです。
年に二度、ここの猫たちに逢いに来るのが楽しみなんだと仰ってました。
朝食後は、今日も長崎へ。
風は次第に収まってきていました。長崎の名物?「おはぎ岩」。(^^;
私が勝手に名前つけてるんだけど。

よく見ると柱状節理がわかる玄武岩質溶岩が露出した岩です。佐柳島のあたり、というより瀬戸内一帯はこういう火山岩がよく見られます。四国には火山はない、と言われていますけど、地質年代的には第三紀に噴出した火山はたくさんあるんですよ。ただ現代地学では新生代第四紀以降に生まれたものだけを「火山」と呼ぶようにしているので、このあたりのものは「火山」の名簿からは削られてしまいました。戦後まもなくまでは「瀬戸内火山帯」というのが地図帳にも載っていましたけど、今は「瀬戸内火山岩区」という名称に代わっています。
やはりこちらは風が緩いですね。波も穏やかになってきていました。

そのせいか、ちょっと暑く感じたりして。
長い道をトコトコトコトコ…。

島猫の一日は、遊んで食べてトイレして眠る…目が覚めたらまた遊んで食べてトイレして眠る。その繰り返し。
それを退屈と取るか幸せと取るか。人間の目から見れば人によって評価が分かれるところだろうけど、変な見栄や体面ばかり気にしている一部の人間よりはよっぽど幸せなんじゃないかな。
他人がうらやむほどの財産を持っていても、あるいはどんな立派な地位を得ても、見栄と体面に振り回されるような人生は私は送りたくない。死ぬときに「俺の人生なんだったんだろう?」などと後悔するような生き方になりそうだから。
猫たちは日々を生きるのに必死。そういう意味では楽な人生いや猫生じゃない。
でも彼らは、世辞や追従そして忖度といったものとは無縁だ。腹の探り合いをすることもない。いつも感情をストレートに出す。
うらやましい。

人間社会でいつもそんなことをしていたら間違いなく社会からつまはじきにされる。
でも…本当はどっちが正しいんだろう?
言いたいことを我慢して我慢して我慢してようやくつかめる「出世」って…意味あるの?
私は結局我慢しきれなかった。直属上司に盾を突いて組織を追われた。左遷された。アウトローになった。
でも今は…あれでよかったと思ってる。だから今は多幸感さえある。

「それでいいんだよ」
そう猫たちが言ってくれているような気がする…。

ね?…って、あれ?

あ、そちらはお取込み中でしたか。(^^;

お互い言いたいことは遠慮せずに言ってスッキリしましょうよ。変なオブラートに包んでうやむやにするよりも。
キミたちもそうだもんね♪
昼、ホステルの猫たちは早々とシエスタに入っていました。

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