ねこたび日記

第二部「佐柳島」

2023年11月22日(水) 快晴 佐柳島一日目 
松山6:13発、岡山行き特急「しおかぜ6号」。宇多津まで高松行き「いしづち6号」と併結となるこの列車に乗るには松山市から行こうとすると市内電車の始発では間に合いません。郊外電車の始発に乗って大手町で降り、駅まで5分歩いてなんとか発車15分前に間に合う。だから朝食はJR松山駅の開いたばかりのコンビニで買い込んでそのまま列車に乗る形。少々忙しい。(^^;
この春までは、松山からは前日の夜の特急で移動することにしていたのですが、それだとフェリー最寄り駅の多度津ではなくちょっと先の丸亀まで行かねばホテルがないので翌朝また普通列車で二駅バックしなければならず、ちょっと不経済でした。それなら朝少々早起きしても前日ゆっくり過ごしたほうがいいと思って今回はこの列車にした次第。
多度津着8:16。駅から港までは歩いて15分。
今日も快晴。11月下旬にしてはけっこう気温が高くなりそうな予感…。
もうすっかり見慣れた「新なぎさ2」が入ってきました。

9:05出航。
これも見慣れた多度津港の風景を甲板から眺めて秋の潮風を頬に感じながら…。

途中高見島に寄港して目指す佐柳島へ。
瀬戸内海は多くの船が行き交います。国際航路の客船からタンカー・貨物船…高見から佐柳に向かう途中でも大型貨物船と航路が交差。海上での交通ルールでは「右方優先」とされています。つまり、相手を右側に見る位置にいる船が進路を譲って右に舵を切って回避しなければなりません。

この時も「新なぎさ2」はやや面舵(右に舵を切ること)を取って相手の船を先に通しました。
たしか陸上での自動車の場合、信号のない交差点では「左方優先」じゃなかったでしたっけ?海の上では逆ですからご注意を。
佐柳島が近づいてきました。

車両甲板に下りて、扉が開くのを待ちます。
9:55、定刻に佐柳本浦港に入港。島の斜面の木々はようやく色づき始めたばかりという感じ。

待合所にいた猫たちがさっそくお出迎え♪

とは言っても、この船に乗ってきた島外者は私を含めて3人だけ。さすがに平日だけあって少ないです。
「はい、いらっしゃい」
と笑顔で迎えてくれたのは本浦の山路商店のお母さん。船が着く時間にはいつもこの待合所に詰めて切符の販売などをしています。私が初めてこの島を訪れた頃から(いやそれ以前から)ずっと続けておられます。もちろん猫たちの世話もされていて。もうかなりなご高齢になりますが、一日も欠かすことなく…ひょっとしたら健康を維持する秘訣かも。
この日もゴハンをねだる猫たちの一匹を抱き上げて。
「あんたはさっき食べたじゃろ。食べ過ぎはあかんよ」と。(^^;

いつまでもお元気でいていただきたいですね。
港を離れて集落へ歩きだすと、

猫たちが迎えてくれます。

瀬戸内らしい家並みを背に…。

おだやかな歓迎の笑顔。

「やあ!いらっしゃい」

「よく来たね」

「ゆっくりしてって」
なんだかそう言われているような。
佐柳の猫たち、他の島の子に比べて表情が穏やかに見えるような気がします。
それはもちろん、ここの猫たちだってケンカはするし縄張り争いだってあります。でも、そんなことを感じさせない柔らかい表情。

猫の性格は、そばにいる人の性格を反映するという人もいます。
この島の猫たちがどことなく醸し出しているこのふんわりとした雰囲気は、島の人たちの優しさがそのまま現れているのでしょう。
本浦漁港で出会った姉妹。

見たところまだ生後5~6ヶ月の仔猫ですね。体はだいぶ大きくなっているけれど一目で子供とわかる。

今は何を見つけても遊びの道具にしてしまう、そんな時期です。クリクリお目目で興味津々♪

ちょっとジャラシを振ると他の子も寄ってきて。

なかなかこの場を離れられなくなってしまいました。しばし猫たちのお相手を。
ジャラシを仕舞っても後を追ってきます。(^^;

片や大人猫は柔らかい陽光を浴びてマッタリ。

山路商店の脇にあるベンチで佇んでいるこの三匹は親子だそうです。

お父ちゃんベロ出してるし。(^^;

仲良さそうな夫婦でした。

今日も暖かい。
猫たちは思い思いに小道に出てたむろしています。人が通っても逃げることはない。

海岸の堤防の上でも。

神社でも。

足元に来た子。影が私を見上げてる。

本浦集落から猫たちと戯れながらゆっくりと北に歩いて…ネコノシマホステル近くまで来ると堤防の上にいた二匹の子。
ホステルで世話をしてる子のようですね。片方はしゃれたバンダナ巻いてたりして♪

「早く行けよ」「押さないでよ!」

そのちょっと先、浜に通じる排水口からひょっこり顔を出したのは…。

まだ生後2~3ヶ月くらいの小さな仔猫。

夏生まれの子ですかね。猫の出産は早いと4月、遅いと9月。それ以降はあまり子を産むことはありません。あまり秋も深くなってから出産すると仔猫を寒い1月・2月に育てなければならなくなるので、その辺のリスクを猫たちも考えているようです。だから11月というのはこうした小さな仔猫を見るその年最後の機会と言っていいかも。
温暖な瀬戸内と言えども冬はそこそこ寒いですから。

母親はどの猫なんでしょうね?

いろんな大人猫が世話を焼いているようですが…。

もっとも、これは島猫ではよくあることで、母猫だけではなく複数の雌猫が「共同保育」をすることが多いです。田代島などでもよく見られる光景です。

元気に育つんだよ!
この後、ネコノシマホステルに入って昼食。
今日からここに二泊します。
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