Northern White ~北の絵日記~
最終日の朝。触れば切れそうな月が中空に。
冷えました。-17℃。
霧氷はびっしりつきました。でも気嵐はあまり立ちませんでしたね。
朝食後、部屋を片付けてチェックアウト。6月の予約をして重機材と三脚はまたその時までTAITOに預かってもらうことに。なんだか私の重機材は一年の半分近くTAITOに置きっぱなしのような。(^^;
100-400と5DMarkⅣだけを持ってサンクチュアリへ。
残り半日、のんびり撮影。
写真だとタンチョウのダンスとケンカ、区別がつかないという人いますね。
実際に目の前で動きを見ればはっきり見分けがつきます。
明確に見分けるポイントがありますから。首を上げ下げしながらクルクル円を描くように動くのがダンス、直線的な動きで跳び上がるのがケンカです。
最初に相手の前で首を上げ下げするのがダンスへのお誘い。
社交ダンスなら「お嬢様、お手をどうぞ」ということですが、タンチョウの場合誘いをかけるのが常に雄とは限りません。
夫婦の場合はこれですぐダンスが始まりますが、独身同士の場合は相手がOKすれば…という条件付きです。(^^;
たまにフラれるヤツもいるみたいですから。
三羽並んで毛繕い。
この夫婦は片方が毛繕い、片方がストレッチ♪
この幼鳥は親から突き放されたのでしょうか。ずっと悲しげに鳴いていました。
親たちにもその声は聞こえているはずですが…。
聞こえていても知らぬふり。
そうしなければ子は独り立ちできないし、親たちは新しい繁殖に入れない。
春が来るたび繰り返される「儀式」です。
時間が来ました。カメラをしまいます。
この絵日記を執筆している今、あれから一ヶ月半が経っています。
もう湿原も雪がほとんど消えて、繁殖地に戻った番たちは営巣に入っていることでしょう。そして突き放された幼鳥たちは同じ境遇の若鳥たちとグループを組んで大人たちの縄張りの合間を縫うような生活を始めているはず。
まもなく道東にも緑が萌え出て、幼鳥たちは首筋が白くなり「亜成鳥」と呼ばれるようになる。そして番たちにはヒナが…。
6月に訪れる時にはどちらも元気な姿をみせてほしいものです。が
鶴居村でご一緒した皆様、ありがとうございました。