Northern White ~北の絵日記~

 
 3月3日(日) 晴れ 
 
早朝。音羽橋。こうやって見るとやはり塒にいるタンチョウの数は減っているようですね。やはり繁殖地に帰った番も少なからずいるんでしょうね。
寒さが戻って里に引き返した連中も多いんだろうけど。

日が昇る前から朝の体操をしている連中がいました。
今日は昨日の風は収まって、暖かい。とは言っても本来の3月初旬の気温に比べれば低め。
でもどことなくのどかな雰囲気。

そんなサンクチュアリの一角で…、

交尾をする番。
2月初めごろにも時折見られましたが、この時期になると交尾は頻繁に見られます。湿原帰りを目前に控えて繁殖行動が活発になってきます。とはいえ、まだ給餌場にいる頃の交尾というのはあくまで「予行演習」の最終段階。ここでの交尾が産卵受精に結び付くことはまずありません。湿原に帰って営巣を始める前に行われる交尾が「本番」ということになることが多いです。
後に一羽、別のツルが見えますよね?これはこの番の幼鳥だと思われます。

両親の行動を見て「なんだろう?」と。(^^;
人間では考えられないでしょうが、こうして間近に性行為を見ることで幼鳥も「学習」します。ある意味「性教育」になっているのでしょう。
ところがこの幼鳥、何を思ったか…両親の行為を「遊び」と勘違いしたんでしょうか。まるで母親にマウントしている父親と背比べをするように真後ろでジャンプ!(^^;

正面から見るとまるでタンチョウが三段重ねになってるようでちょっと笑えました。
両親の後をついて歩く幼鳥。

しかし両親は次第に幼鳥と距離を置くようになります。そう、3月は子別れの時期。すでに両親から突き放された幼鳥もいます。
この日、昼間は気温がプラスに転じました。やわらかな陽射しはまさしく早春のもの。

飛び立った番が、風もないのに高く舞い上がり、

まるで螺旋を描くようにクルクルと回りながら高度を上げていく。

だんだん小さくなる…。

そしてある高度まで上がるとすぅっと東の空に消えて行きました。あの番は繁殖地に帰るのでしょう。これは遠距離を飛ぶときの飛び方だから。行先は風蓮か野付かそれとも国後か…。
給餌場ではあちこちでダンスが。2月にはさほど多くなかったダンスもこの時期はのべつ幕なしに見られます。

これは若いカップル?かと思ったら。翼の先が黒い亜成鳥と幼鳥のダンス。たぶん右の幼鳥はもう子別れをされたんでしょうね。

ダンスの仕草、よく見ていると面白いです。何かを咥えて放り投げる動作が入ることが多いんですよね。あれは何を意味しているんだろう?
左のタンチョウが嘴に何か咥えて次の瞬間放り投げます。

やがて夕刻。光が低くなると…

三々五々とタンチョウたちが上の段に集まり始める…。

そして塒帰り。雪を蹴って…。

また明日。


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