フランス谷へ   その2
フランス谷回遊、おまけの氷河クルーズ

 
クエルノキャンプ場を早朝出発、こちらは高齢者トレッカー、時間に余裕を持って行動が鉄則だ。湖岸に沿って道を進め、イタリアキャンプには1時間半ほどで到着した。小屋にはレンジャーが常駐してトレッカーの安全などに携わっている。このレンジャーに水を分けてもらい、先を急いだ。イタリアキャンプから一気に高度を上げて展望が広がるようになった。この辺からあいにく雲が多くなり、青空が無くなってしまった。パイネグランデが眼前にそびえて迫力を増してきた。広いカール状地形がひろがり、目的地のブリタニカキャンプが近いことが感じられる。森林限界の先は広大な岸壁群が連なっていた。フランス谷の全景が目の前に展開していた。最後の急登をあえいで登りきると、そこはMirador 大展望台であった。

Paine Grande,Catedoral,Fortaleza,名だたる英峰が連なる感動の眺めが展開した。後続のパーテイが続々到着するが、パイネトーレの混雑ほどではない。昨日一緒に食事したベッカム似のカップルも着た。隣のテントの米国在住の中国人おばさんも登ってきた。しばし展望を楽しみ、下山の時間を考えて早めに出発した。
 着た道を忠実にたどって下る。イタリアキャンプから先になると天候は回復し、青空が再び戻ってきた。クエルノキャンプ場には17時45分、出発が朝7時だから、11時間近い行動時間であった。
長い行動時間では、2食の行動食が有効だった。それもご飯にふりかけをまぶし、鍋に入れて揺られておにぎり状になって本当にうまかった。今回の献立で、ICIで調達した米や混ぜご飯が本当に有効に効いた感じであった。

 翌日は再びLas Torresのキャンプ場に戻る一日。全ての荷物をまとめてテントを撤収、早朝出発。今日も快晴だ。一昨日着た道を荷物かついで進む。連日、暑さで大分参ったが、今日は風があり、気持ちいい。「Olha!」の挨拶を頻繁に交わしながら12時過ぎにToresのキャンプ場に帰り着いた。若者のうるさい場所を避けて今度はテントを張った。大分キャンプ場はすいた感じであった。キャンプ場の中のシャワーを使い、体をクリーンに、洗濯も行った。無事予定のコースを歩き終えたことに感謝し、ビールで乾杯した。

キャンプ場に戻りついた翌日はは連日の行動の休養に当てた。それでも快晴の天候であった。入山している間、1週間以上雨はまったく降らなかった。極めて珍しいという。キャンプ場で一人の日本人に出会い、話が弾んだ。22歳でスペインに渡り、それ以来ずっとラテンの地で生活しているといい、今はコスタリカで民宿をやっているという。スペイン巡礼旅に魅せられて5回も行っていて、横田氏と大いに話しが弾んだ。どこにも放浪好き、変わった方がいるんだと関心した。

 パイネ最後の日、最後の晩餐ということで、豪華ホテルのレストランで夕食にすることとした。レストランに入ると、サッカーのソアレスに似たウエイターが我々を迎えた。「ルームナンバープリーズ」ときいたので、横田氏がスペイン語で「Campement:」というと大笑い、キャンプ場からこのレストランに来るやつはいないのだろう、50ドルの夕食はそれはおいしかった。最後にチップをソアレスに包むと、最高の笑顔を我々に向けてくれた。

 パイネ最後の夜をテントで過ごし 午後2時過ぎのバスでプエルトナタレスに向かった。大平原をバスは疾走し、瞬く間にパタゴニアの山々が遠ざかっていった。バス乗客は皆快い疲労でうたたねをし、程なく観光基地のナタレスの町に、そして出発の宿であるB&Bに戻ることが出来た。


パイネ番外編  氷河クルーズ

B&Bのオーナーが是非と薦められた1日の観光ツアーが船での
氷河クルーズ、昼飯にババーベキューが出てそれは楽しいよと熱心にいうので、それじゃあ、行ってみるかということになりました。
朝8時前に観光事務所に行き、案内にしたがって乗船。天候はあいにく曇りで見通しはあまりよくなかった。でも、船中では、ビール含め飲み物はただ、つまみも出るなどサービスは良かった。船からの氷河観光も、船を下りて歩いて氷河末端近くにいくなどどうしてどうして内容もかなり良かった。

 なんといっても最高であったのはバーバキューランチだった。車に分乗して大きな牧場に出向き、その農場レストランでバーベキュー。子羊の1頭丸焼きを6頭ほど、時間かけて焼いたやつを骨付きで切って皿にもって出してくれる。ワインは飲み放題、この肉の旨いのなんのって、日本では到底味わえない旨さでした。

 チリのサッカーファンらの若者と同じテーブルで意気投合、大いに羽目をはずした楽しいひと時を過ごすことが出来ました。

 2週間のパタゴニアの山旅をすごした後、二人は次のアマゾン旅を実践すべく、サンチャゴからボリビアのサンタクルスに飛び立った次第です。
ブリタニカキャンプ手前からのフランス谷全景
谷の展望、鋭鋒が連なる
山火事でイタリアキャンプからペオエコースは閉鎖されていた
豪華高速観光船で氷河クルーズを楽しむ
チリの若者たちと羊丸焼きとワイン、最高の味だ!