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八島ヶ原湿原
(2003.9.13)


霧ヶ峰湿原の一つである「八島ヶ原湿原」。蓼科からビーナスラインを通って、八島ヶ原湿原に着いたのは11時頃。

沖縄に大きな被害を与えた台風14号はすでに日本海側を通り過ぎており、今日は雨の心配はもうないのですが、その影響をまだ残している上空の雲の動きはとても速く、台風一過の青空が戻るのを待つだけの空模様でした。



着いたときの湿原は深い霧に覆われていて、視界はわずかに100メートル前後です。

深い霧の中でも、にょきっと立ったシシウド(セリ科)がよく目立ちました。


国の天然記念物に指定されている八島ヶ原湿原は、標高 1,640メートルの高地にあり、また日本の高層湿原のなかでも南限に位置している貴重な湿原です。

標高が高く寒いところにある湿原の植物は、冬には枯死し泥炭化します。その泥炭化したものが毎年々々堆積していって凸レンズ状に盛り上がり、そこにミズゴケなどが生えたものが「高層湿原」です。八島ヶ原湿原はその泥炭の堆積が1万年という長い歳月をかけてできたもので、今でも一年間に約1ミリの厚さで堆積が続いているそうです。


視界を隠すように濃い霧がときどき目の前を横切り流れますが、きれいに整備された遊歩道を歩きはじめて10〜15分ほどすると、突然に霧がすーっと晴れだし、目の前には湿原の全景がだんだんと姿を見せはじめました。
 (写真はクリックで拡大します)


霧が晴れだした! 湿原が目の前に・・・ 鎌ヶ池も・・・


堆積した泥炭層が浮かぶ八島ヶ池。

この浮島の数は長い年月の周期で増えたり減ったりしているそうですが、見る角度によって7個にも見えるし8個にも見えることがあるので俗に「七島八島」とも呼ばれています。湿原入口の看板(このページのトップの写真)にも「七島八島」と大きく書かれていました。

写真はクリックで拡大します。


 八島ヶ池の向こうには「高層湿原」が広がっています。真正面は車山〜車山肩です。クリックで拡大すると、車山頂上(左側、標高1,817b)の気象測候所のドームも見えます。



湿原の周囲約4キロをぐるーっと回遊して散策できる板張りの遊歩道が整備されています。その道端の草叢には高原性、湿原性の秋の植物が花を咲かせていました。下の写真のほかにもワレモコウ、サラシナショウマ、ススキ、ハギなどが咲いているのが見れました。


(写真はクリックで拡大します)
アキノキリンソウ ゴマナ ヨツバヒヨドリ マツムシソウ
ミゾソバ ノコギリソウ ノコンギク オミナエシ
 オヤマリンドウ  リンドウ  タチフウロ  トリカブト
       
 ウド ヤマハハコ   ヤマホタルブクロ ヤマラッキョウ 
       
ヤツガタケアザミ  マムシグサ  ハンゴンソウ  ユウガキク 


湿原の入口近くには、横井弘氏が霧ヶ峰で作詞し、NHK「日本の歌、ふるさとの歌百選」にも選ばれた『あざみの歌』の記念の歌碑が建っていました。





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