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忍野八海 (2005.4.5)


一日降り続いた前日の雨も上がり朝から青空が広がったので、きれいな富士山が眺められるかなと忍野八海を取り敢えずの目的地として車を走らせました。中央高速河口湖線の富士吉田ICに近づくと、青空をバックに頂上から五合目あたりまで真っ白な雪に覆われ、眩しいくらいに美しい姿の富士山がガーン!と目に飛び込んできました。そのまま東富士五湖有料道路に入り、山中湖ICで降りて忍野八海に向かい、10時半頃到着。


お釜池(下の写真)そばの農道からの富士山。北側の稜線(右側)はすっきりとしていますが、南側の稜線は強風にあおられて雪片が舞い上がっているように見えます。

(写真はクリックで拡大します)

地上は風もなく穏やかな春日和なので、素人の勝手な推測ですが、気温の上昇にともなって溶けはじめた雪から上がる水蒸気が太陽光で乱反射して、ちょうど雪片が舞っているように恐らく見えているのだと思います・・・。


お釜池は人家のすぐ際にあり、鍋底のように凹んでいるところは直径2〜3m。澄んだきれいな水で、底がよく見えすぎて深さを推し量りにくいのですが、4〜5mはありそうです。池全体は畳6〜7枚ほどで小さな池です。忍野八海のなかでは一番外れたところにあり、そこに行くまでの道案内標識も小さなものが一つ立っていただけなので、見過ごしてしまいそうになりました。

説明板によると、関東大震災(1923年)以前はお釜の中でお湯がグラグラと沸騰しているように見えるほどに水が湧き上がっていたので、お釜池と呼ばれているとのこと。


忍野八海のほぼ中央部にある湧池(わくいけ)の底面を写したものです。水深約10mとのことですが、鉄柵によりかかって写真を撮っている自分の影が池の底にくっきり鮮明に映っているのを見るのは初めての経験です。水の透明度がそれほど高いということですネ。   (写真はクリックで拡大します)

忍野八海には20年ほど前に一度来ていますが、もう記憶はかなり薄らいでいます。しかし、中央部にあって一番大きいこの湧池では底の砂地が何ヶ所かでぼこぼこと膨れ上がり、水が湧き出している証左があったのを朧げに覚えていますが、今日覗き込んだ限りでは湧出場所は確認できませんでした。前回は夏頃だったと思いますので、地下径の雪解け水の量が多かったのかも知れません。


湧池についてのちょっと不思議な話題。池の外縁周がコンクリートでしっかりと固められ、落下防止用の鉄柵が設けられたのは、安全面からも非常にいいことだと思いますが、そこに行くには土産物店の中を通り抜けなければなりません。黙ってすーっと通り抜けるだけで、別段なにか買い物をする必要もないのですが・・・。

20年ほど前に来たときも、お茶屋さんだったか土産物屋さんだったか、池の横にはお店があったのを覚えていますが、お店に出入りすることなく自由に湧池を見れたはずです。この湧池が土産物店の所有地内にある?。何故なのでしょう。


(写真はクリックで拡大します)

湧池から見た富士山
榛の木資料館から見た富士山
この2枚の写真は午前11時〜12時頃の間に写したものです。肉眼では明るくはっきりと見える手前側の造形物が、写真にするとどのショットも黒っぽく影を撮ったようになってしまいました。この時間に忍野村から富士山のほうを見るとき、太陽は左肩斜め上くらいの位置にあって、逆光の状態ではないと思ったのですが・・・。写真と相対ではなく、上から斜めに見下ろすようにすると、少しきれいに見えます。



ほかの池を見るのにお金はかかりませんが、底抜(そこぬけ)池だけは榛の木(ハンノキ)資料館の一角にあり、入館料は300円です。

敷地内はきれいに整備され、その昔に豪農が住んでいた萱葺き屋根の大きな家も保存されていて、囲炉裏や茶箪笥、風呂桶などの家具類も見ることができるので、300円払う価値はあると思います。

底抜池もさして大きくなく、水深も1.5mほどですが、池底には泥が厚く堆積していて、池に物を落すと泥の中にもぐって行方が分からなくなることから、底抜け池と呼ばれているようです。


(写真はクリックで拡大します)
底抜け池 八重スイセン スイセンはまだ蕾のまま
ミズバショウ ワサビ ヒメオドリコソウ



ハンノキ資料館の敷地内を流れる小川の中ほどで、ボコボコと水が湧き出していました。 (写真はクリックで拡大します) 忍野八海の池はどれも小さく、池というよりは少し大きな水溜りという表現の方が近いほどのものですが、富士山からの清冽な伏流水があちらこちらで湧出している!、これが忍野八海に人々を惹きつける魅力なのだということが理解できます。



菖蒲池。池を囲むように菖蒲の花が咲きそろう季節に、もう一度来て見たい気持ちが起きます。
菖蒲池のそばの広場に萱葺きの建物。なに?トイレ!です。



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