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南 九 州 (宮崎、鹿児島)
(2002.1.20 〜 22)


師走からの厳しい冷え込み続きにうんざりしていたある朝、新聞を読んでいると「暖ったか南九州、2泊3日の旅」という旅行会社の広告が目に入りました。「そうか、南九州に行けば暖かいんだ!」と、すぐに参加申込みをしました。




<1日目 (1月20日)

出発の朝の東京は雲ひとつない晴天。羽田空港ターミナルビルには陽の光が一杯に差し込んでおり、暖房との相乗効果でぽかぽかと暖かく、窓際のいすに寄りかかって搭乗開始を待っているとスーッと眠気に誘い込まれてしまいそうです。東京がこの暖かさなら、九州はさぞかし暖かいだろうな!と期待がふくらみます。



羽田を離陸して間もなく、晴れ上がった空の中に富士山の秀美な姿が浮き上がって見えました。シートベルトをつけ、機体もまだ上昇中だったので、高度6〜7,000bくらいかなと思います。  (この写真はクリックで拡大します)


到着した宮崎の天気は雨。トップコートを着てもまだ寒いくらいで、東京の方が確実に暖かったです。
青島神社も普段は多くの参詣人で賑わっているようですが、しょぼしょぼと降り止まない雨のせいでしょう、参拝に訪れる人もまばらでした。
「鬼の洗濯板」とも呼ばれている波で浸食された砂岩の浜も、鉛色の海をバックにしたのでは感動もいま一つです。


青島神社に立ち寄った後、日南海岸の中でも絶景の地といわれる堀切峠へバスは向かいました。天気が良ければ、紺碧の大海原が足下に広がる絶景のスポットだろうなとは思いましたが、雨は相変わらず降り続けていて、強い横風まで吹いています。傘を差しながら、寒さに背を丸めて、写真を撮る気分にはとてもならず、バスの中から一面灰色の空と海を見つめていました。

あとは今日の宿がある霧島温泉までバスに乗り続けるだけです。早く温泉に入って温まりたい!




2日目 (1月21日)


早朝の薄明かりの中で、桜島の雄大なシルエットとその手前に広がる錦江湾が、霧島温泉のホテルから見えました。まだ空いっぱいに雲は広がっています。今日一日なんとか雨が降らず、暖かい陽射しが戻るように祈る気持ちです。


今日の行程は、午前中に霧島神宮を参拝してから、大隈半島経由で櫻島を観光。午後はフェリーで錦江湾を横切って薩摩半島のほうに渡り、薩摩の雄藩・島津家第十九代藩主光久公が、万治5年(1658年)、櫻島を築山に錦江湾を池にみたてて造園した島津家別邸・仙巌園を訪れます。

霧島神宮参拝のとき、雨雲が低く垂れ込めている薄寒い空模様でしたが、雨は降ってなく、前夜の雨で濡れた石畳や砂利道が逆に静かな境内を演出していました。

櫻島に着いてもお目当ての櫻島の山は雲の中に隠れっぱなしで、噴煙を上げているはずの頂上部分は流れる雲の切れ間から、チラッチラッとしか見ることができませんでした。

午後に訪れた仙巌園でも、桜島は上半分が雲に隠れており、肝心の築山が雲に隠れているのでは島津久光公が意図された壮大な借景も絵になりません。

このあと、指宿海岸で砂風呂を体験。気持ちよかった〜!。今日一番の収穫です。





<3日目 (1月22日)

ホテルをバスが出発しようとする時、急にパラパラっと降ってきたので、今日もまた雨かよ!?と思いましたが、どうやら通り雨のようでホッとしました。

池田湖に立ち寄ったあと向かった薩摩半島最南端の長崎鼻では、今度の旅行では初めての青空が広がっています。陽射しも柔らかで暖かく、ようやく「暖か!南九州」を実感です。

青空が広がると、写真を撮ろうという気持ちも湧いてきますし、薩摩富士と呼ばれる開聞岳の青空をバックにした優美な姿がとても印象的でした。
 (写真はクリックで拡大します)


 ブーゲンビレアと開聞岳  長崎鼻からの開聞岳  菜の花畑と開聞岳


やわらかい陽射しにあふれていた長崎鼻から、バスは知覧に向かいます。しかし、知覧が近づくにつれて天気は急変しはじめました。いままで晴れていた空が厚い雲に覆われたなと見上げていると、突然に横なぐりの雨がバスの窓をたたきだしました。薩摩の小京都と呼ばれる知覧武家屋敷めぐりをする頃には、雹(ひょう)までもがパラパラと音を立てて降り始め、もうびっくりです。




<Epilogue>

どちらかと言うと私は晴れ男のほうだと思いますし、1月の南九州地方がいつもこんな天候だとは思いませんが、私にはあまり「暖か!南九州」ではない印象を残した旅でした。



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