「カナダの旅」トップ


バンフ 
(Banff National Park)



カナディアン・ロッキーには、バンフ、ジャスパー、ヨーホーなど国立公園がいくつかありますが、バンフ国立公園はその中でも中心的な存在であり、また、カナダのなかで一番最初に選定された国立公園です。

ちなみに、世界中で一番最初に選定された国立公園は、アメリカのイエローストーン国立公園、二番目がオーストラリアのロイヤル国立公園、そして三番目がこのカナダのバンフ国立公園です。


(写真は全てクリックで拡大します)


バンフの町の中心街、メイン・ストリートです。この通りに面している建物はどれも3階までの高さに制限されており、また色も落ちついた雰囲気の色で統一されており、なかなか感じの良い街です。

正面にそびえるのがバンフの町のシンボル、カスケード山です。カスケード (cascade) というのは原住民の言葉で大酋長という意味だそうです。そう聞かされて山をよく眺めてみると、斜め横上を向いている酋長の顔のようにも見えてきます。


針葉樹に囲まれた19世紀ヨーロッパのお城に似た建物は、バンフ・スプリングス・ホテルです。

1888年に建てられ、内部はビクトリア時代を髣髴とさせる重厚かつ豪華な造りです。ダイニング・ルームもシックで落ち着いた雰囲気で、食事もなんか美味しく感じられます。しかし、肝心の客室は近代的な一流ホテルに比べるとやや狭いという印象です。


ホテルの部屋からは、眼下にはボウ川とその両岸に広がる針葉樹の森が、また遠くに目を転じると雪をかぶったロッキーの山々が見渡せ、素晴らしい!すばらしい!スバラシイ!としか言い表せない眺望が広がっていました。

心の休まる景色とは、こういう景色を言うのじゃないでしょうか。


ホテルからバンフの町に向かって緩やかな坂道を下っていくと、町の手前にボウ川が流れていて、映画「帰らざる河」にでてくるボウ滝が道路から見えます。

この滝は高さはないのですが、ごろごろとした大きな岩でできている滝で、ロバート・ミッチャムとマリリン・モンローが丸太を組んだだけのいかだを必死に操っていたシーンを思い出します。


ホテルの裏手側にサルファー山 (Mt. Sulphur) があります。Sulphur (硫黄)という名前が示すように山の麓には1885年に発見された温泉が湧き出ています。現在は温水プールが作られ賑わっているそうです。

サルファー山の頂上(2,450メートル)までゴンドラ・リフトで行けます。左の写真はゴンドラからの眺望で、まさに絶景!絶景!です。


サルファー山の40人乗り大型ゴンドラは、麓の乗り場から展望台(標高2,280メートル)までの標高差800メートルを、僅か8分であっという間に昇ります。

展望台からは、延々と続いているカナディアン・ロッキーの山並みが一望できます。案内板を見るとどの山も3,500メートル級の山です。


写真のほぼ中央、白い塔のように尖っている岩は原住民の言葉で「魔神」を意味するフードゥー (Hoodoo) と呼ばれているものです。

ロッキー山脈 (Rocky Mountains) は名前のとおり岩 (Rock) からできている山々です。その岩山に降った雪や雨が流れ出すときに、岩盤のなかでも柔らかい部分(石灰岩質の部分)から浸透を始め、長い年月を経て岩山を侵食した結果、岩の固い部分だけが尖った塔のような形で残り、フードゥー(魔神)として崇められたようです。


原住民の言葉で「水の精霊」を意味する Minnewanka (ミネワンカ)という名前の湖。その昔この湖に舟を漕ぎ出した人が沈んだまま浮かび上がってこなかったことから、湖に棲む水の精霊に召されたのだと信じられて、Lake Minnewanka (水の精霊の湖)と名付けられたそうです。

湖岸に立つとそんな悲しい話も忘れ去ってしまうほど、清らかに澄みきった水をたたえている湖です。



ページトップに戻る