とんぼの学校
「とんぼの学校」 全景
茨戸川(とんぼの学校から)
篠路福移湿原が急速に埋め立てられ、貴重な動植物の生存の危機を感じた本会は地域住民にも呼びかけ、湿原の動植物を他の場所に移動させようと考えました。その移動場所として作られたのが「とんぼの学校」です。2001年、湿原から約2キロメートル離れた茨戸川河川敷付近(石狩郡当別町ビトエ)にビオトープが作られました。作業は、石狩川開発建設部・札幌河川事務所の許可を受け、NPO法人「環を考え実践する倶楽部」(国策建設)がボランティアで掘削、さらに湿原の泥炭も運び込みました。
ビオトープは周囲100メートルほどの小さな人工池で、5月から7月まで3回、延べ280人が参加して救出作業を行いました。
救出した主な動植物は、ヤゴ・ドジョウ・水生昆虫・エゾトミヨ・ミズゴケ・エゾホトケ・ヤチヤナギ・ヨシ・ミクリなどです。
2002年、このビオトープに「とんぼの学校」と名がつけられ、以後年2回、移植・整備をかね「とんぼの学校整備」「とんぼの学校・学校祭」が行われており、草刈り、池の中の草抜きやカワセミの土壁の整備などを行った後、焼肉や茨戸川でのカヌー周遊など、自然に親しむと共に親睦を深めています。また町内会も参加し、植樹祭が3回行われ、エゾノコリンゴ、ヤマグワ、ナナカマド、エゾヤマザクラ、ミズナラ、オニグルミなどがビオトープの周辺に植えられました。
草刈り中
池の中の水草やヨシなどを抜いています。
整備の後は焼肉で親睦会!
茨戸川でカヌーに乗って間近で自然を体験
茨戸川で生き物探し
2006年には旭丘高校生物部が中心となり、ビオトープに人工的にカワセミの営巣場所をスコップを使って人力で作り、営巣させることに成功しました。生物部では以後3年間カワセミの生態・繁殖行動について調査・研究活動を行い、毎週末朝から日の入りまでの調査を継続、3年間の調査時間は642時間34分となりました。カワセミは順調に繁殖行動を続け、2006年は4羽、2007年は8羽、2008年は12羽の雛が無事に巣立ちました。色々なハプニングに見舞われながらも、カワセミは毎年営巣しにとんぼの学校に来ています。カワセミは4月中旬から5月下旬には繁殖行動を始めるため、毎年4月に営巣場所である土壁の整備を人力で行っています。
カワセミのための土壁づくり
毎年、カワセミがたくさん来てくれることを願って土壁づくりをしています!
カワセミ(オス)
カワセミ(メス)
カワセミをテントの中から観察・撮影
茨戸川でのカワセミの行動を観察