ナショナル・トラスト運動について
ナショナル・トラスト運動とは?
19世紀のイギリスで国民のために国民自身の手で自然環境という資産を寄付や買い取りなどで入手し、守って行く活動として始まった運動です。
篠路福移湿原は40年前に原野商法で切り売りされ、登記簿上では800人以上の地権者がいる私有地です。
湿原を守るために本会は2002年7月、当時の桂市長に「湿原公園」として市で保存するよう要請、また2003年12月にも上田市長に「風致地区として、湿原公園」として保存を要請しましたが、いずれも財政事情を理由に拒否されてしまいました。
このような状況の中、湿原は周辺から建設残土や廃棄物による深刻な埋め立てが進み、当初40ヘクタールあった湿原が5ヘクタール以下にまでに減少していきました。
そこで本会は、湿原の消滅を防ぐため土地を賃借し会で管理することにしました。2004年12月、地権者115人の登記簿を調べて「湿原保存活動へのお願い」要請文を発送しました。所在不明の地権者も多く、うち45人は宛先人不明で戻ってきてしまいましたが、2006年までに5地権者、6区画の土地を賃借することができました。
この区画には管理者を明確にするため「カラカネイトトンボを守る会管理地」の標柱を設置しました。しかし、賃借だけでは問題の根本的解決にはなりません。
カラカネイトトンボを守る会管理地No.2
管理地看板
最終的には自分たちで土地を取得するほか湿原を守る方法は無い、と考え「ナショナル・トラスト運動」が始まりました。2006年12月、日本ナショナル・トラスト協会から150万円の助成を得て4区画約680平方メートルを買い取ることが出来たのです。その後も寄付や助成により運動を続けてきた結果、管理地は 2023年9月30日現在9,750uにひろげることができました。今後も所有地を拡大し最終的には市民の手に湿原を取り戻すため日々活動を行っていきます。