湿原の動植物
カラカネイトトンボ
環境省レッドデータ2020:-
北海道レッドデータ2001:希少種
札幌市レッドデータ2016:絶滅危惧IA類
本会の名前の由来となっているトンボです。体長はわずか2.5cmしかなく、胸部と腹部背面が唐金色(金属光沢のある青緑色)をしているのが特徴です。学名のNeharennia speciosaは「優美な女神」を意味しています。
寒冷な湿地に生息します。特に、ミズゴケが周りに生えた浅い水域を生息環境として好むため、限られた場所にしか生息しておらず、札幌市では篠路福移湿原にしか生息していません。
(補足)環境省の第3次レッドリスト(2006年)では、カラカネイトトンボは準絶滅危惧種に指定されていますが、第4次レッドリスト(2013年)以降は、はずされています。
マイコアカネ
環境省レッドデータ2020:-
北海道レッドデータ2001:希少種
札幌市レッドデータ2016:絶滅危惧IA類
トンボ科アカネ属のトンボで、成虫のオスは顔が水色になる特徴があります。
水生植物が豊富な湖沼や湿原、田んぼなどに生息します。分布は局所的で、水辺からあまり離れない性質を持っています。
アオヤンマ
環境省レッドデータ2020:準絶滅危惧種
北海道レッドデータ2001:絶滅危急種
札幌市レッドデータ2016:-
ヤンマ科のトンボで、くびれがない体型をしており、全身が黄緑色をしています。
ヨシなどの植物が繁茂する湖沼や湿地に生息します。北海道では、道南と札幌近郊に生息しています。
ゲンゴロウ
環境省レッドデータ2020:絶滅危惧Ⅱ類
北海道レッドデータ2019:準絶滅危惧種
札幌市レッドデータ2016:絶滅危惧Ⅱ類
日本のゲンゴロウ科の中では最大サイズの種で、4cmほどの大きさになります。
水生植物が豊富な湖沼や田んぼに生息します。幼虫は水生昆虫などを食べます。蛹は陸に上がり、土の中で蛹化します。農地開発や農薬の影響によって、生息数が減少しています。
ゴマシジミ(北海道東北亜種)
環境省レッドデータ2020:準絶滅危惧種
北海道レッドデータ2016:留意種
札幌市レッドデータ2016:絶滅危惧IB類
シジミチョウ科の蝶で、翅の表面は青色で黒い斑点があり、裏面は灰色で黒い小さな斑点があります。
若い幼虫はワレモコウ属の花を食べますが、大きくなると(終齢幼虫)クシケアリ属のアリの幼虫を食べるようになります。
ヤチウグイ
環境省レッドデータ2020:準絶滅危惧種
北海道レッドデータ2018:準絶滅危惧種
札幌市レッドデータ2016:準絶滅危惧種
コイ科アブラハヤ属の魚で、日本では北海道にのみ生息しています。流れの弱い河川や湖沼に生息し、水生植物が繁茂した場所を好みます。泥炭地の水や、酸性の水でも生息することができ、酸素が少ない環境にも強いという特徴があります。北海道を代表する淡水魚でしたが、開発の影響で生息数が減少しています。
エゾホトケドジョウ
環境省レッドデータ2020:絶滅危惧IB類
北海道レッドデータ2018:絶滅危惧IB類
札幌市レッドデータ2016:準絶滅危惧種
タニノボリ科ホトケドジョウ属の魚で、日本の固有種であり、北海道にのみ生息しています。冷たい水を好み、小川や湖沼、湧水池などに生息します。口ひげが4対あるので、ドジョウ(5対)やフクドジョウ(3対)と区別できます。河川改修などによる生息環境の悪化で、生息数が減少しています。
タヌキモ
環境省レッドデータ2020:準絶滅危惧種
北海道レッドデータ2001:希少種
札幌市レッドデータ2016:準絶滅危惧種
タヌキモ科の水生植物で、黄色の花を付けます。水中に袋のような捕虫嚢を持ち、ミジンコなどを捕まえて消化する食虫植物の一種です。
貧栄養の湿地などに生息しています。
モウセンゴケ
モウセンゴケ科の植物で、白色の花を付けます。葉から生えた毛の先端から粘液を出し、昆虫などを捕まえる食虫植物の一種です。
ミズゴケが周りに生えた湿地に生息しています。
ノハナショウブ
アヤメ科の植物で、札幌近郊では7月頃に花を咲かせます。
紫色の花びらの基部に黄色の筋が入るのが特徴です。
タチギボウシ(コバギボウシ)
ユリ科の植物で、7~8月頃に花を咲かせます。薄紫色の漏斗状の花を付けます。
サワギキョウ
キキョウ科の植物で、8~9月頃に花を咲かせます。濃紫色の5裂した唇形の花を付けます。
エゾリンドウ
エンドウ科の植物で、9~10月頃に花を咲かせます。青紫色の筒状の花を茎の先端などに付けます。
ヤチヤナギ
ヤマモモ科の低木で、葉からはハーブのような良い香りがします。
ミズゴケやスゲなどが生えた湿原に生息しています。