大門山( だいもんざん)1572m赤摩木古山(あかまっこやま)1501m              [白山周辺] 

 

 大門山、奈良岳という名前を初めて聞いたのは、確か白山のチブリ尾根避難小屋だったと思う。泊まり合わせた金沢からの登山者から聞いたのは 、自分の全く知らない山の名だった。それらの山の良さを語る熱さがとても印象に残っていて、いつかは登ってみたいと思っていた。
 白山周辺の山は白山の知名度が高過ぎてあまり注目されないが、自然度が高く魅力的な山が多い。赤兎山、三方崩山、三方岩岳などは知っていたが、大門山、奈良岳、大笠山など白山北方の山々は 、その頃まだ意識の外だった。
 今から思えば、大門山は別名加賀富士、そして奈良岳は犀川の源流であり金沢市の最高峰ということで、金沢方面の人には馴染みの山のため、その登山者の思い入れの深さが口調に現れたのだろうと思う。

 国道156号沿いの道の駅で車中泊し、6時半過ぎに登山口のあるブナオ峠に上がってきた。一応舗装はしてあるが幅は狭く、全体として道の程度は林道レベルだが何と県道らしい。おまけに、ブナオ峠から先は通行止めになっている。
 下山後に寄った合掌集落で仕入れた知識では、この道は五箇山で作った火薬の原料である「塩硝」を金沢に運んだ道ということだ。

 峠の広場には既に3台車が止まっていて。そのうちの2台から男女一人づつ登山者が支度をして出発していった。

ブナオ峠の登山口

 

 登山道はブナ林の中を緩急を付けて登っていく。昨夜遅くまで降っていた雨のため道はぬかるんでいて、道が撓んだところは靴が埋まるくらいひどい。泥の中に渡された木の枝を頼りにしたり、道の脇の笹の根元を踏んだりして通過していく。落ち葉も一面に散り敷いているが、見上げるとまだ、青っぽい葉も残っている。

 白山周辺はブナ林の素晴らしい山が多く、南の方では刈込池周辺、東の方では三方崩山山腹、西の方では冒頭にも出てきた別山のチブリ尾根。北はまだ知らないところが多いが、ブナオ峠と言うくらいだから、このあたりもブナの多いところなんだろう。
 朝の陽射しにブナの黄色い葉が光る。

ブナの森を行く

 

アズキナシのしずく

 

ナナカマドの実

 

 尾根道を登り続けると、背後にブナオ峠を挟んで猿ヶ山が競り上がってくる。周りは見事な雲海で、島のように浮かんでいる。その左手は加賀の平野だが、金沢方面は雲海の下に沈んでいる。

 紅葉に励まされながら大門山の分岐に到着。ガイドブックのコースタイムはブナオ峠から1時間だが20分も余計にかかっている。ここのコースタイムはなかなか厳しい。一休みして取りあえず大門山に向かう。

分岐から大門山

 

 一部にはロープも張ってある急な道を登り、15分程で大門山到着。灌木がややうるさいが一応360度の展望が開ける。
 南の方はこれからたどる尾根の先に見越山、奈良岳、そしてひときわ大きい大笠山と続き、笈ヶ岳(おいずるがたけ)の尖った山頂の先にフタコブラクダの背のような白山が控えている。
 東の方は雲海で埋め尽くされ、隣りの人形山の左肩の先に立山と剱が雲の上に頭を出している。その右に大きな薬師岳が横たわっているが、そこから南のアルプスの峰々は雲の峰に置き替わってしまっている。

大門山山頂

 

 大門山は白山国立公園の北の端に位置する山で、ブナオ峠までが区域に入る。ちなみに白山国立公園の南端の山はひるがの高原の大日ヶ岳になる。

奈良岳(左)と見越山(右) 雲海の向うに剱と立山

 

 主稜線に戻って、先に進む。なだらかな尾根道を紅葉に包まれて歩く。ゆるゆると下った後、丸太階段でひと登りすると、稜線のコブような山頂らしくない赤摩木古山の山頂に着く。
 展望図の描かれた方位盤とベンチがあり、丁度先行の男性登山者が下山していくところだった。その先を歩いていた女性の登山者は奈良岳へ向かったようだ。
 

赤摩木古山への稜線の道

 

遠く白山と手前の笈ヶ岳 大笠山

 

 ここからの展望は大門山よりも開けている。大笠山はさらに大きく、より高く見える。
 大笠山の左肩に見える笈ヶ岳は日本二百名山で大笠山は三百名山。でも、ここから見ると大笠山の方がはるかに立派に見える。ちょっと登高意欲をそそられる。眼下に少し見えている桂湖というダム湖畔に登山口があり、山頂まで5時間半かかるそうなのでなかなかしんどい山だが、いずれ何とかしたい山だ。

猿ヶ山

 


 だいぶ予定時間をオーバーしているので、この先に進むかどうか少し迷ったが、取りあえず見越山を目指して腰を上げる。しかし道は少し先で急激に下り始めた。う〜ん、これは登り返しが大変だぞ。
 地図を取り出し、時計を眺め、これまでのきついコースタイムを考えて、ここで引き返すことにした。せっかくここまで来たのだから奈良岳も登りたいと思うが、まあ、金沢市民ではないので最高峰だからといっても執着はない。
 赤摩木古の山頂に戻り、パンをかじって改めて展望を楽しむ。白山の左手の峰は三方崩山だろう。あの山にも思い出が多い。残雪の稜線が怖くて登れず、三回目に季節を変えてやっと登れた山である。三度も登っているが、他の山からじっくり見たことがないので、雲に半分隠れてしまっているのが残念だ。
 

 赤摩木古山からの下り、大門山分岐の手前で道の真ん中に異様なものを見つけた。糞?。しかもどう見ても、大きさからして熊のものとしか思えない。登りの時には確かに無かったはずだ。この生々しさからしてまだその辺りに落とし主がいるんではなかろうか。周りの藪を伺っても、そのような気配はないし、匂いもしない。糞をじっくり観察したかったが、リスクは避けるに限るので早々に退散した。
 下山後ラジオで富山県の魚津市で市街地に熊が出て、2頭射殺されたと言っていた。タイムリー過ぎて後から怖くなった。

熊の糞?

 

大門山西面の紅葉

 

ブナにガスが纏う

 

 下山途中に振り返ると、大門山の西側の斜面の紅葉がきれいだ。今年の紅葉は少し遅れていると地元のラジオは言っていたが、今は1300m辺りが一番良さそうだ。ブナ、ミズナラ、タカノツメ、など黄色系のものが多い。
 下山途中に19名の高齢の団体さんとすれ違ったが、乗ってきたマイクロバスのナンバーは金沢だった。やはり、地元の方々に親しまれている山なんだと改めて思った。

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[山行日] 2016/10/19(水)
[天気] 晴れ         2016年10月の天気図     
[アプローチ] 18  東海北陸自動車道 五箇山IC (R156号)→ 道の駅「上平」 21:15
    [約2.2km]

19 6:05 道の駅「上平」 →(県道54号 )→ ブナオ峠 6:35

    ・20台くらい駐車可。トイレなし。

[コースタイム]
         
  行動時間 発着時刻 地点名 休憩時間  
1:20 6:45 ブナオ峠登山口発(976m)   13℃
8:05 分岐 0:05  
0:15 8:10  
8:25 大門山(1571.6m) 0:10  
0:30 8:35  
8:45 分岐    
9:05 赤摩木古山(1501m) 0:50 奈良岳方面に
0:20 9:55 進むが引き返す
10:15 分岐    
1:00 10:20  
11:20 ブナオ峠登山口着   全行動時間
3:25     1:05 4:30
登り 2:05        
下り 1:20        
[地図] 西赤尾 (1/25000)

 

[温泉] くろば温泉

・富山県南砺市上平細島1098番地、日帰り温泉施設
・入浴料 600円
・火曜定休。 10:00〜21:00
・露天風呂あり。ダム湖が見える。
・シャンプー、ドライヤーあり。洗い場広い。
・コイン返却式のロッカーあり。