落倉高原(おちくらこうげん)              [北アルプス山麓] 911m


 信濃大町付近から降り出した雪は、青木湖を過ぎるあたりからどんどん激しくなって、みるみるアスファルトが白くなった。ノーマルタイヤなので、どこかでチェーンを付けなければと思っていたが、結局、面倒くさくて、車のお尻を振りながら落倉高原のペンションまで上がってしまった。手間は省けたが、緊張した運転でかなり疲れた。

 そのまま降り続いた雪は、一晩で30cmほど積もった。翌朝は陽射しが戻って明るくはなったが、アルプスは雪雲の中。昨年のゴールデンウィークに楽しんだ栂池自然園は、新雪でラッセルが大変だろうと諦め、ペンションの裏の浅間山(せんげんやま)に登ることにした。

 浅間山は一昨年の3月にも、みねかたに行った時の足慣らしに歩いたが、その時とはえらい違いで、今年は雪が多い。ペンションの道の向かい側は雪の壁になっていて、ほとんど真冬の景色だ。浅間山に登る林道に取り付くのにも、除雪された道路からヨッコラショと上がらなければならない。

 新雪をラッセルしながら浅間山に登る

 林道は昨夜積もった綿帽子のようなふかふかの雪に覆われ、スキーを履いていても膝あたりまでもぐってしまう。幸い、スノーシューを履いた先行者がいたので、その踏み跡をたどることにする。楽チンだったが、途中で追いついてしまい、道を譲られてしまった。
 しかたなく、交代でラッセルしながら進む。しかし、新雪を踏みしめながら歩くのは気分がいい。先頭は大変だが、3人目くらいになると、雪が押さえられて楽に歩ける。

 小休止していたら、スノーシューを履いた20人近い団体さんが登ってきた。どこかのアウトドアショップが募集したツアーだろうか、割に年配の人が多かった。中高年の山歩きのブームの延長なのか、最近はスノーシューがはやっているようだ。

 もともと、クロカン愛好者は少ないが、バックカントリーでもスノーシューに押されているような気がする。日本のような起伏のきつい地形には、クロカンよりもスノーシューのほうが合っている気もするが、スノーシューは歩いて下りなければならないからチョットしんどい。でも、一度はやってみたい。意外とはまったりして。

 林道の終点から樹林の中を少し入ると、稜線に出る。この山はほとんど植林か二次林だが、1本だけ大きなブナが残っていて、そこからは姫川側が見下ろせる。

 ペンションのオーナーの話だと、ここから急斜面をスノーシューで下りるとおもしろいそうである。確かに、スキーでは無理だが、新雪の後ならずり落ちるように歩けるのでおもしろいだろう。

稜線のブナの木 
 ここからは、稜線上を南に向かう。少し瘠せたところもあるが、全般に稜線はなだらかで広く、木立があるものの歩きやすい。傾斜の急な部分は、スノーシュー部隊のトレースがあるため、もぐる心配が無いので、スキーを脱いでつぼ足で登る。
 稜線を南に向かう

 杉の植林地の隙間を抜けると。牧寄スキー場の跡に出る。目の前には白馬岳から鹿島槍に続くアルプスの峰々が見えるはずなのだが、今日はまだ雲の中だ。

 赤錆びたリフトの支柱が残っていて、なんとかスキー場だったことが分かるが、ゲレンデだったと思われる斜面は一面、潅木に覆われている。スノーシューのトレイルはその潅木の斜面を下っているが、スキーで滑るのは無理なので、もう少し稜線を南に進むことにする。

 牧寄スキー場跡のリフト 

 誰が付けたか分からないが、スノーシューをクロスさせた図案を描いた、黄色い鉄板のマークが木の幹の付けてあるので、それを探しながら進む。マークは20mおきくらいに付いていて、東側に回りこみながら稜線を下っていく。

 なんとなく、右側のスキーが変だなと思ったら、スキー靴がパックリ口を開けていた。スキー靴の底が剥がれてしまっていた。もう、10年以上履いているので、これも寿命なのだろう。このままでは歩けないので、どうしたもんかと思ったが、スキー板をとめるベルクロのテープを持っていたので、それを巻いて応急措置にする。あまり雪にもぐると靴に力がかかるので、皆に先に行ってもらい、その後をたどる。

雪中ランチ。寒くてなんとなく立ちあがってしまう。

 ちょうど、稜線が広くなったところに出たので、少々早いがランチにする。ガスコンロを出し、毎度おなじみのソーセージ入りのスープを作り温まる。もちろん、ワインもある。今日は5人で2本もあるので飲みきれない。
 赤松林の中で風がなくてありがたいが、座っているとだんだん寒くなってくるので、いつのまにか皆立って飲み食いしている。

 このまま、稜線を南下すると戻るのが大変なので、西側の斜面を下り、山裾の林道へ出ることにする。木立のある急な斜面なので、快適な滑りという訳にはいかず、斜滑降とキックターンでズリズリ下る。新雪で膝上までもぐってしまいスピードが出ないので、途中から直滑降で下ってしまった。

 林道に出てペンションに戻る

 林道からはまた、ラッセル。しばらく行くと山から下りてきたスノーシューのトレースに出会う。
 途中に一戸だけポツンと別荘があり、前の道が除雪してあるので裏に廻ったら、雪の中に丸まって眠っている犬がいて驚いた。近寄ってもピクリともせず眠っている。さすが雪国の犬。見上げた根性だ。

 最後はペンションの前で雪の壁をずり落ちてフィニッシュ。そんなに距離は歩いていないが、新雪でスキーがあまり滑らず、意外に疲れた。

 

アイコンをクリックするとマップがでます。 <白馬町、塩島(1/25000)>


[山行日]   2001/3/11
[天気] 晴れ時々小雪
[アプローチ] <3/10> 長野自動車道豊科I.C. →(高瀬川右岸道路)→ 信濃大町 →(R148)→ 白馬村 → 落倉高原 [約55km]
[コースタイム] ペンション出発 9:00頃−−−10:30 牧寄スキー場跡−−−11:20 昼食 12:20−−− 14:00頃 ペンション着
休憩時間込み。のんびり歩いているのでタイムはあまり参考にはなりません。 
[装備] クロスカントリースキー(エッジ付き)

 

[宿] ペンション「かむるーぷす」
・ 落倉高原にあるログハウスのペンション。
・ 風呂が少々狭いのが玉に傷だが、オーナーの作るニジマスの薫製は絶品。
・ XCスキーやスノーシューのレンタルもある。(1500円/日)
・ ペンション周辺の池や牧草地を歩くのもよさそう。除雪された道路を越えるのが少々大変だが。