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陣の里
             過去の日記U(平成23年9月〜平成24年3月)           
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平成24年3月23日(土)  キャンドルの灯り 復興の希望の光に祈る
 東京在住のキャンドル作家と音叉(おんさ)の奏者は、3.11大震災後、ある女性を媒介にして交流がはじまり、この度、一関市千厩町の「酒の蔵交流施設」を会場にしてキャンドルナイトが開催されました。あえて被災者を交えないという作家達の考えのもと、音叉の幻想的な効果音に包まれ、参加者はキャンドルの炎を見つめ、被災地・被災者の復興を静かに祈る。さらに個人の心の奥底に支援を固く誓うといった趣旨のようでした。キャンドルは球体で、水の循環をテーマにデザインされたもので「地球キャンドル」と言う名で多くの方に愛されているようです。


平成24年3月14日(水)  アロマオイル数滴で、あらまあ

黒い煙突に掛けてある四角い陶器。掛け花用の花器を利用し、水を少々入れてアロマオイルを2滴ほど垂らすと煙突の熱で花器が温まって心地よい香りが部屋中に拡がり1日中持続します。それに陶器なので水が無くなっても安全です。冬は揺らぐ炎とアロマの香り、ジャズ等の音楽を音量控えめに流してコーヒーでも飲みながらゆったりとした時間を過ごして頂けるような雰囲気作りに努めています。また、ストーブのオフシーズンは花器として観葉植物を生ける利用法もあるかと思います。ストーブ周りのお洒落の1つとして陶芸作品をマッチングさせたいという思いがあります。試作品は極力シンプルにしましたが、反省点も多く壁掛けとストーブとを併用するには大きさや重さ、それにデザインの改良が必要です。ストーブ仲間にも広めたいと思っています。


平成24年3月3日(土)  チェンソーの清掃・調整 こんなに違うとは

盛岡に本店がある薪ストーブの専門店「岩手暖炉」(リンク先参照)の社長さんがいらっしゃいました。近況報告に始まりストーブから出る灰の放射線量や処理等についての意見交換、さらに話しがチェンソーへと発展し、最近調子が悪くて使用できないでいる旨を伝えたところ直ぐに診断して頂けました。購入して約3年が経ちロクに手入れをしてこなかったチェンソーを診られるのは本当に恥ずかしいものですが、チェックポイント等を丁寧に説明しながら次々と部品を外して診てくださいました。ポイントは、燃料タンク、オイルタンク及び各種フィルターの清掃、さらにエンジン回転数の微調整でした。プロが触るとこれまで愚図っていたのが嘘のように調子良くなり、この差は今まで何だったの?ってな感じ。ポイントを教えて頂きましたので、今後は面倒くさがらず清掃等をマメに行い、長く大切に使用していきたいと思いました。



平成24年2月25日(土)  冷え込んだ早朝からアートに燃える 雪の川
 2月下旬に入ってからは日中の気温もプラスになり春めいてきましたが、早朝はまだマイナス3〜5度くらいでしょうか。冷え込んだ先日の朝、誰の足跡も無い真っ白な雪の庭をキャンバスに見立て、水の流れる様子を竹ホウキで象形文字の原型とでも言うような「川」を表現してみました。作業中はずーっと美空ひばりの例の曲が頭から離れず、「でこぼこ道や曲がりくねった道 地図さえないそれもまた人生 ああ川の流れのように」のフレーズを繰り返して口ずさんでいました。何か悩みごとでもあるのでしょうか?無意識に自分へ暗示しているのでしょうか? でも安心。これは芸術表現では無く、寒いから単に口ずさみながら何往復も雪掃きをしてできた産物ですから・・・。


平成24年2月18日(金)  薪ストーブがSL状態に 煙が室内に充満
午後から風が強まり始めた頃(風速約7m)、薪ストーブの本体と煙突の付け根の隙間から煙がモクモクと噴出し(逆流)してきて室内が煙で充満する事態が発生しました。薪を補給した直後、薪は燃えようとするのでどんどん煙を吐き出しますが、強風のため排出する力が弱く逆流を繰り返すので手の施しようが無く、ひたすら窓を開けて換気するだけでした。現場を例えれば、登山のときに雲で視界が悪い状態を室内で再現しているようなもので、写真を撮っても無駄だったとも思います(なので写真掲載なし)。燃焼システム等の説明は割愛しますが、原因はドラフト(煙の引き)にあります。ストーブ温度が低いと排出する力が弱くて強風に負けたということです。どの家のストーブも強風の際に必ず起きるものではありません。悪条件が重なったときに起きた出来事でした。この経験を薪の会の皆さんへも報告したいと思います。


平成24年2月6日(月)  ボランティア活動の方々に感謝
 東京に住んでいるカヌー仲間のA氏から、昨年12月から岩手沿岸の被災地(陸前高田)でボランティア活動をしている旨の連絡がありました。女性のIさんも土日を利用して一ヶ月に2回程度被災地を訪れ、現在は仮設住宅の集会所で主に子供達とipadでのゲーム等を介して触れ合いの時間を持っているようです。震災直後の4月からこれまでの間、変化する状況に応じてメニューを自分達で考えて実践しているようです。当初は触れてはいけない話題や恐怖感を思い出さないような話し方をすれば良いのか戸惑ったようですが、回数を重ねることで顔を覚えられ、信頼関係も深まり徐々に子供たちの方からどんどん話しかけてくるようになったそうです。東北被災地のために、岩手のために時間を割いてボランティア活動をして頂いている方々に感謝致します。


平成24年1月22日(日)  ディスプレー用のミシンが追加

私は機械類の骨董品が大好きで、ネットオークションで数千円程度の品であれば時々落札します。届いたレトロなミシンは部品が固着してピクリとも動きません。前所有者も分解してみたようでパーツの欠落が多いのが残念です。私は、昔の機械類をスムーズに動くように直したうえピカピカに磨き上げるのが大好きでこれまでに何台も復活させています。しばしいじってみると動かない原因が分かりました。早速分解してホコリや錆を落として磨き上げ、油を差して組み直した機械が軽やかに動いたときは本当に嬉しいものです。一つの回転運動が様々な部品の組合せで上下運動やピストン運動に変換されて針糸と下糸を絡ませる動作や布送り等が動いているのを見ていると、機械類特有の「ものづくり」の知恵って凄いと感心します。


平成24年1月12日(木)  白炭製炭に挑戦しつづける83歳
 元気な炭焼き職人を紹介します。陣の里から車で10分程度の所に、83歳を過ぎてもなお白炭窯を築き最上級品質の白炭製炭に挑戦し続けているH氏です。私は後述の窯の復元と火入れ時に少しだけお手伝いをさせて頂いたのですが、当窯を利用した研修会や体験会を開くなど後継者育成への意気込みを語るH氏の話しは情熱に満ちていて年齢を感じさせない素晴らしい方です。発端は、岩手白炭(備長炭に負けない炭を「ナラの木」で作ろうと窯の心臓部とも言われる煙道口の改良を繰り返して完成させた江刺窯)の第一人者であったI氏が亡くなり、さらに昨年3月の大地震で江刺窯が損傷したことからH氏の呼びかけで復元事業がスタート。解体時に起こした図面と発生した石やレンガをそのまま使用して忠実に江刺窯の復元と共に白炭の製炭技術を継承する人材育成と産業の振興を目的としています。陣の里のイベントとも連携できればと考えています。


平成24年1月3日(火)  笑う門松 福来れ!
 年明けから穏やかな天候が続き猫のようにゴロゴロした正月を過ごしています。玄関先には地元の方から頂いた縁起の良いというか5人家族のような笑顔が可愛らしいオリジナルの門松を飾っています。節のところを斜めに切ることで開いたところを唇口に見立て赤いマジックで着色しています。目鼻も書いてあって、一家団欒のようなほのぼのとした雰囲気があり和ませてくれます。陣の里では今年も交流スペースを活用した楽しいイベント企画や陶芸体験などの情報発信にも努め、そこから笑顔が溢れるように頑張っていきたいと思っています。本年もよろしくお願いします。 


平成23年12月30日(金)  開業元年 多くの方にお世話になりました
 3月の大地震で作品が殆ど壊れてしまうも形式上41日に開業しました。一からやり直し、夏には何とか親子陶芸教室の開催までこぎ着け、それを機に地元の個人や各団体等から陶芸体験の話しを頂き、先般最終の窯を焚き終え、年内に殆どの作品をお渡しすることができました。ある方は、年末年始には初作品でお酒を頂くと今から気合を入れるくらい喜んでくれ、私も本当に嬉しい限りです。また、陣の里が主催した各種イベントから人の輪が広がって陶芸体験や交流スペースの利用等にも繋がりました。実際、多くの方々に出会い大変お世話になった開業元年でした。陣の里が周知され始め「皆で楽しもう」という視線を感じつつ、私自身が「笑顔で楽しむことを忘れないように」とも教えて頂いたような1年でした。ありがとうございました&良いお年をお迎えください。


平成23年12月23日(金)  足踏みミシンに挑戦、しかし・・・
 部品交換をしたうえ針と糸まで買い足し、直ぐにでも縫える状態で寄贈して頂いた足踏みミシンですが、私は糸の通し方や操作方法が全く分かりませんので可動部へ油を挿しスムーズに動くようにして展示していました。それをご年配の方は懐かしがり、子供達は面白がって足踏みをキコキコ動かしていました。ある日、寄贈された方がミシン屋さんを連れて来られて説明と実演までして頂きました。足踏みミシンで初めて雑巾縫いに挑戦しましたが、スタート時に足踏みのタイミングが合わなくて弾み車が一定方向に回らず、雑巾が行ったり来たりして出来ませんでした。でも楽しいオモチャが手に入った気分です。


平成23年12月11日(日)  皆既月食 無風で雲ひとつない絶好の観察日和

10日(土)の2145分過ぎから皆既月食が始まりました。外気マイナス2度、無風で雲一つ無い絶好の観察日和の中、真上近くに見える月は左側から徐々に欠け始めました。写真撮影しようと防寒着で身を固め三脚にカメラをセッティングして構えていたところ、レンズの望遠倍率が低く豆粒程にしか撮れないうえ、冷気で電池の消耗が激しく数枚でシャッターが下りなくなりました。掲載の写真はピンぼけ太目の三日月みたいで、寒い思いをしてまで皆既月食を撮影するほどでは無かったように思いました。何となく気付いてはいましたが・・・トホホ。



平成23年12月8日(木)  蒔絵講習会 山谷古民家で開催

 山谷古民家主催の「薪絵※講習会」に参加し、人生初の漆芸を体験しました。当日は東北芸術工科大学の漆芸家から直接ご指導して頂けるという本当に素晴らしい企画です。概要は、30分程パワーポイントで漆の歴史、材質や用途の応用性等の説明があり、芸術的な作品にも直に触れてみることが出来ました。続いての体験会では、個々人が円形の紙面(CD程度)に鉛筆で模様を描き漆塗りの4寸皿の器面に転写した後、細筆に漆を含ませ、精神統一してリズム感をもって描きます。漆が乾かないうちに銀粉を降りかけ真綿で軽くポンポンと押さえる感じで定着させます。ジプロックに1昼夜入れることで程よい湿度の状態で乾燥させた後、銀粉を洗い流して完成。写真は私の作品です(赤面)。

蒔絵:漆器の表面に漆で絵や文様、文字などを描き、それが乾かないうちに金や銀などの金属粉を降りかけて器面に定着させる技法のこと。アワビ貝などを文様の形に切り透かしたものを貼ったり埋め込んだりする「螺鈿」(らでん)とは区別されている。


平成23年12月3日(土) 女性教職員と母と子の陶芸教室 

真滝地域の小中学校の女性教職員と母子の陶芸教室を開催しました。東中学校の美術の先生が企画したものですが、先生は「藤沢野焼き祭り」を経験し陶芸の楽しさを知っているため、学校の前にある木造校舎の部材を活用した陣の里で陶芸体験を以前から考えていたようです。先生以外が初体験なので、簡単な方法で作れる皿やカップを実演しました。約1時間半、隣の人と相談したり独り言を呟きながら粘土と戯れていましたが、子供は大胆に粘土を扱うので形が歪んだり凸凹した面白い器ができました。終了後、薪ストーブで温まりながらコーヒーとお菓子で1時間程おしゃべりの時間を楽しみました。

※「藤沢野焼き祭り」は、毎年8月に中学校のグラウンドで行われる日本一大規模な野焼きで、過去には岡本太郎や池田満寿男等も参加していた祭り。


平成23年11月27日(日)  レトロなオーディオ機器によるレコードコンサートを開催

真空管アンプを使用したレコードコンサート開催に至った経緯を2点紹介します。今年4月の開業以来、陶芸教室や交流スペースで大勢の方との出会いがあり、ある人が仲人役となって人を紹介しあう連鎖が生まれたことで真空管アンプ研究会のY氏との出会い、陣の里での開催に快諾して頂いたこと。2点目が「もったいない」と「地域交流」が共通点と感じていたこと。木造校舎の部材を活用している陣の里。廃棄処分される予定だった真空管を活かしたアンプや建設資材で波動スピーカーを制作し、そのオーディオ機器を媒介にして地域交流の機会を大切に考えていることです。

当日は、楽しいトークを交えながら2時間にわたりジャズ〜演歌まで3種類の波動スピーカーで聞き比べをしました。30名超の参加者も懐かしの曲や音質を楽しんでいるようでした。


平成23年11月24日(木)  座禅を組む男と犬

工房を掃除していたら、乾燥中の作品が朝日を浴びて光っているのが目に入りました。偶然の配置なのに隣の犬も伏せの姿勢で座禅に付き合っているようで微笑ましく感じましたので写真を撮りました。作者であるS氏は、陶芸経験が本当に浅い方ですが、手際よくかつ大胆に作られていました。S氏は、月に何度か座禅の会に参加しているようで、このような作品が思いついたようです。犬は、息子さんが動物病院を経営されていて、普段から動物を良く観察し可愛がっているので穏やかな表情を作れたのだと思います。私も観察力と表現力をもっと鍛えなければいけないな〜と思った次第です。


平成23年11月19日(土)  炭焼き窯の火入れ式

山谷古民家の炭焼き窯への火入れを、神主さんのご祈祷後、施主によって行われました(経緯等は922日の日記参照)。事業着手以来3ヶ月を経てようやく火入れ式に辿り着きました。私は、窯のアーチ部分からお手伝いに参加し、小屋作り等の雑多な作業等もお手伝いしてきました。仲間と一緒に作業した(汗をかいた)分だけ愛着があります。窯(主に内部)の乾燥が不十分なのですが、当地方も日増しに外気温が下がり、湿気で窯が凍らないうちに一度は窯焼きして内部(特に天井部分)を焼き固めることが目的なので、今回は捨て窯と言えます。勿論、薪が詰まっているので多少は炭になるかも知れませんが期待できないとのことでした。窯が冷めた後、再度薪を詰めて年内にはもう一度窯を焚く予定とのことでした。


平成23年11月14日(月)  波動スピーカーのミニチュア版を試作
 波動スピーカーの作り方説明会へ参加された方は、その後、各自で部品等を調達し苦労をして作り上げた旨の連絡が入りました。話しによると、内径20cmのボイド管を使用しているので外形は同じように見えてもメーカーや吸音材の分量等により音質が微妙に変化するそうで、その意味では10人十色の作品となるようです。私の場合は、当初から「ミニチュア版を安く」を最優先課題とし、音質には全く拘らずに4pのスピーカーと塩ビ管(90度エルボ)を組合せ、向きを正・反位変えられる可動式(これが特徴)にしました。正位置では何となく目玉っぽく見えることから、雑木の枝分かれ部分を活かした台座に鼻、口、角を付けて動物顔にしてみました。1500円程度にして音もまあまあの作品だと思います。

11月下旬、陣の里にて真空管アンプ、波動スピーカーによるレコードコンサートを開催します。その際に、自作のスピーカーを持ち寄り聞き比べる予定です。


平成23年11月9日(水)  軽トラ一杯分の花や球根をいただきました!
 ご近所の方が花の手入れをしていたので軽トラを寄せて挨拶をし、引抜いた花について尋ねてみました。すると、これから全て焼却処分するとのこと。陣の里へ植えたい旨を伝えたところ、菊を二抱え、水仙の球根約300球、コスモスの種二握り程を軽トラ約1台分頂きました。陣の里では、植樹と平行しつつ山の斜面を日々掘り起こし、花畑も整備し始めました。約2坪×10区画程度まで整備できた時点で、予知とでも言うのか、本当に奇跡的なタイミングの出来事でした。将来、山の斜面がパッチワークのように花で賑わうことを想像しながら開墾と巡回用通路の整備を続けたいと思っています。


平成23年11月4日(金)  布ゾーリ作りを見学

地域の伝統的なおやつの作り方講習会や陶芸体験、健康や介護に関する勉強会等を企画し、月に1度のペースで活動している60歳過ぎのグループ(619日の日記参照)が、今回挑戦したのが布ゾーリ作りで、それを見学してきました。同地域の81歳の女性が講師となり、1日がかりで両足分を作るものです。講師の女性は、子供の頃に覚えたワラジ作りを思い出しながら、最近になって材料を古布に代えて作り始めたそうです。高齢になっても挑戦してみようという姿勢は大変美しく感じました。作り慣れた方の形のバランスや硬さ(編みこみ)加減による履き心地、さらに材料選択による色彩感覚は、何気にやっているようでも簡単に真似できません。口でだけの説明でも駄目、自己流も駄目、実際に作りながら勘所を教え・覚えるという相互通行のコミュニケーション、正に技の伝承とか継承ということだと思いました。冒頭の地域伝統のおやつ作り=「家庭の味」も親から子への継承と同じことです。当地域も世代間交流が活発になり、益々人と人とが連鎖して魅力的な地域に発展していくことを望み、私も積極的に活動していきたいと思いました。



平成23年10月31日(月)  紫と赤の競演

山の木々は赤や黄色が目立つようになってきました。昨年の今頃、陣の里の木々は背丈が低く花も実も付かなかったので、何の木なのか名前も分からないまま今年の秋を迎えました。この1年間で急成長した木々は赤や紫色の実も沢山付けて紅葉もし始めています。自分が世話をしている木々に花が咲き、実を付け始めるとさすがに無関心ではいられなくなり名前を調べるようになります。中でも「コムラサキ」の小粒で紫色の実が綺麗で好きになりました。実を言うと、生えている場所が1等地なので、夏頃までは名前も知らず枝もどんどん伸びてくるので邪魔に思っていた木だったのです。根元から切らなくて本当に良かったです。また、コムラサキの背景には真っ赤なモミジが見えます。薪ストーブでお湯は何時でも沸いているので、コーヒーでも飲みながらもう少し秋を楽しみたいです。


平成23年10月29日(土)  いちのせき薪の会 第1回伐木講習会
 薪の会主催による平成23年度第1回伐木講習会及び情報交換会を「蘭梅山いこいの森」にて2日連続で開催しました。伐木、枝払い、玉切りの実体験、チエンソーの研ぎ方講習会を行うと共に、薪の調達等に関する情報交換並びに会の活動予定や要望等についての意見交換を行いました。玉切りした薪は参加した皆で分け合いました。講習会の模様は、いちのせき薪の会のページをご覧ください。
 薪の会は、年度内は月1回のペースで活動する予定です。


平成23年10月28日(金)  ウスがイスに変身

虫食いが激しいく焼却処分される予定だった臼を頂いてから1年が過ぎていました。私は小ぶりの臼を頂いた当初からイスにしようと考えていました。理由は、足を放り投げ少し目線を下げて薪ストーブの炎を眺めたかったことと、キャスターを付けることで小さな子供にはオモチャ感覚で楽しんでもらいたかったからです。

拘ったのはアクセントに付けたヘッドレストのボリュームと丸みと高さで、チエンソーで切り取った臼の底部の曲線を生かしながら全体的にも丸みを付けるため、鋸、ノミ、ディスクグラインダーで少しずつ削り取って整えたことです。丸みと背中への反発力が、炎を眺めながら指圧されている感じで心地よくウトウトしてしまいます。さらに、赤いストーブを意識して艶を抑えた赤っぽいオイルステインを塗布したことです。


平成23年10月22日(土)  ロケットストーブ

週末DIYでお馴染みの雑誌「ドゥーパ」10月号(P116)で紹介されていた「ロケットストーブ」を古いブリキのバケツ、90度エビ曲がりの煙突、コンロの五徳、トタン板等を利用して作ってみました。手順は、バケツにエビ曲がりを差し込む穴を開けてセット、煙突のぶれ防止と断熱効果を兼ねて木灰を詰め込み天板となる円形のトタン板をはめ込んだ簡単な構造です。燃焼実験では、始めは焚口だけで燃えていましたが、勢いが増してくると煙突効果が発揮されるのかバケツ側の煙突から炎が噴出すようになり火力も熱効率も良さそうなので、屋外でのチョッとした煮炊きに使えるかも知れません。しかし鍋やヤカンは結構煤けると思います。燃料は剪定した小枝等の細目の焚き木が良いので、週末に庭でお湯を沸かしコーヒーでも飲んでくつろいでみませんか。普段から「災害対策の一環」と言えば言い訳になると思います。


平成23年10月18日(火)  薪ストーブに今秋初の火入れ やっぱり癒される〜
 今年の秋は、昨年よりも早めに薪ストーブを焚くことにしました。秋が深まり気温が日々降下していく前に薪ストーブの遠赤外線の効果で建物全体を温め、結果的に薪の省エネに資するものと考えての試みです。今回は可愛いストーブを焚くときの手順をご紹介します。先ずは、いつ何時でも交流スペースでお客様を迎える際のおもてなしを最優先に考え、1日中揺らぐ炎を眺められるようにガラス扉の煤を掃除します。次に炉内の灰を均してから小割の薪を井桁状に組んで着火して徐々に太い薪を入れて勢いを増していきます。ストーブ本体の温度が250度を超えたらダンパーを閉じ、空気調整弁を少々絞れば後は自動調整機能が働き2時間ほど一定温度(約270度)で燃え続けます。ダンパーを閉じるまでの間に外から1日分必要となる薪を取り込みストーブの周りで少しでも乾燥させると共に温めては翌日に焚くことの繰り返しとなります。赤く揺らぐ炎を見つめていたのでは仕事になりませんが、23時間毎に薪の補給がデートの約束のようにウキウキします。


平成23年10月14日(金)  波動スピーカーからBGM

陣の里の交流スペースにBGMが流れるとグッと雰囲気が良くなり、コーヒーが普段より美味しく感じてリラックスもできます。実は、波動スピーカーを自作された方のご好意でお借りしているもので、私も真似て作ったらお返しすることになっています。特性についての想像ですが、音質に拘るのなら指向性スピーカーで一定の範囲内で聞くのが良いと思います。一方の波動スピーカーは、上手く表現し難いのですが、人間がどこの位置に座っても移動しても又はスピーカーをセットする位置に影響されずに館内全体へ音が回り込み包み込んでくれる感じです。興味のある方はお好きなCD等を持参で遊びに来てください。これからの季節は薪ストーブにあたりコーヒーでも飲みながら聞き比べてみませんか。


平成23年10月10日(月)  薪ストーブの煙突掃除

今年も薪ストーブが恋しい季節になってきました。薪を燃やし、温もりと火を眺める楽しみ、時々ダッチオーブンで焼芋をする楽しみもあります。現時点で薪は約2シーズン分ストックしているので「さー来い」と言いたいのですが、その前に多少面倒なストーブのメンテナンスをしてからお迎えします。そこで煙突掃除をしようと煙突を外してみてビックリ。昨年は薪の乾燥状態やストーブの温度管理に気を付けて焚いたので、煙突に殆ど煤が付いていませんでした。2シーズン目で焚き方をマスターした感じです。その他にも各種部品の交換、屋根周りの点検等をしっかりやっておけば、24時間×約6ヶ月間ストーブを焚き続けても安心です。陣の里では、薪ストーブから出る灰を篩って陶芸の釉薬の原料にし、さらに余れば畑へ撒いていますので薪〜暖房・調理〜釉薬〜肥料のサイクルが成立する働き者のストーブを労わってあげないと罰が当たりそうです。


平成23年10月6日(木)  原野の畑堀り これが開墾ってこと?
 荒れ果てた山の開拓から3年が経過し、ようやく畑を掘り起こせる状態になってきたので今年のうちに掘っておくことにしました。その理由は粘土質の土壌にあり、改良法として冬に凍結・解凍を繰り返すことで土が砕け軟らかくなる旨のアドバイスを受けたからです。比較的に土の軟らかそうなところを選んで掘ってみましたが、笹竹等の根っこがビッシリと土中に張り巡らされていて中々スコップが刺さりませんでした。それでも2時間かかって3坪程度掘り起こし畝(うね)を立てることができました。畝立てた土中には笹竹の根っこが沢山あるので、腐れるか取り除くまで作付けできないかも知れませんが、とりあえず来年は豆類やカボチャ等を植えようと考えています。今後も時間が出来たら原野を掘り起こして面積を増やしていきたいと思っています。


平成23年9月30日(金)  自作の真空管アンプと波動スピーカー
 喫茶室と音響室の2室が長屋状に繋がり、双方には自作の真空管アンプと波動スピーカーでジャズ等のレコードを聴かれている音響通の方を紹介して頂きました。年に数回は当機材を使用したレコードコンサートを開催しているようです。標準的な波動スピーカーの作り方は、建設現場で使用されるボイド管(厚紙の管)内径20cm、長さ40cmの筒の中に吸音材を詰め込み約10cmのスピーカーを両側に取り付ける構造なので専門知識が無くても大丈夫だそうです。陶工房陣の里では陶器の筒で作ろうと考えましたが、音響的には音が硬い等の理由で否定されました。しかし、将来はボイド管と陶管スピーカー双方を作って聞き比べてみたいものです。なお、音響通の方のご協力により、前述の機材にて陣の里でレコードコンサートを年内に開催する話しを進めています。


平成23年9月26日(月)  鎮魂と絆の祭典2
 くりはら万葉際では、開会〜閉会まで伝統芸能や現代アートのパフォーマンスが次々と繰り広げられ楽しいお祭りでした。中でも被災地である気仙沼から参加した「磯草虎舞い」の演舞も良いのですが、そのリーダーの挨拶が特に印象に残りました。今回の大津波で多くの人を亡くし物も失い海に対し怒りや悲しみが大きいが、一方これまでに海から多くの恩恵を得ていたのも事実であるから、今後も海に感謝の念は忘れずに仕事を続け1日も早い復興への決意が込められた内容でした。併せて津波で流された太鼓を何とかして調達でき栗原万葉際を発表の場として練習を積んできたようです。被災地の方々も元気で頑張っていることを我々に体言しているようでビンビン心に響いてきます。万葉祭を通じた内陸と沿岸部とのエールの交換のようにも感じました。


平成23年9月25日(日)  鎮魂と絆の祭典1

 宮城県北の「風の沢(69日の日記参照)」で第4回くりはら万葉際が開催されました。今年は311日の大震災で亡くなられた方への鎮魂と1日も早い復興を願う強い絆に感動した祭りだったと思えます。一関市の陶芸家I氏(94日の日記参照)がデザインした高さ約4mのオブジェは、地震で全壊した古民家の土壁の土と倒壊したレンガを材料にして、二度と大地震が起きないようにと願いを込めサーベルを大地に突き刺した形になっています。地震が発生した時刻の1446分にI氏自ら点火し参加者全員が1分間の黙祷を捧げました。I氏は石巻市や南三陸町にある陶芸教室の生徒さんを震災で亡くされていることから点火式では涙を浮かべていました。オブジェは次第に大きな炎に包まれ、やり場の無い憎しみや悲しとの戦いが続き、最後はサーベルが大地を制し炎が鎮火していくまで長時間に亘ってストーリー性のある表現なのだと思いました。


平成23年9月22日(木)  炭焼き用の窯打ちに参加

一関の観光名所の一つである厳美渓から更に西へ進んだ山里に古民家を再生した宿泊&農業体験施設「山谷古民家」があります。田畑の農業体験に加え、今後は炭焼き体験もできるようにと窯を構築中です。粘土を盛ってはカケヤで何度も叩き締め、部位の厚み(腰8寸、肩6寸、天井4寸)を測りながら少しずつ土盛りしていきます。窯づくりの指導者のもと約10名が1日中汗だくとなり重労働の末やっと外形ができましたが、さらに約1ヶ月間は毎日コテで叩き締め続けた上での火入れになるそうです。自作の道具類を用いての作業手順や要領・要点に至るまで陶芸の薪窯にも共通する部分が多いことから、将来薪窯を築く際に大変役立つ貴重な体験となりました。

窯打ち:粘土を盛ってはカケヤやコテで叩き締めて築く動作から言われています。


平成23年9月16日(金)  千厩夜市(せんまやよいち) 賑やかで楽しい夜市

昭和57年にスタートした千厩夜市(今年30周年)は、4月〜10月までの第2土曜日の19時から開催され、今年9月で226回目を数える歴史ある夜市です。当時、「昼間の人出が少なく物が売れないのなら夜に売ろう」という逆転の発想を発端に、今日では物を売ることに留まらないサービス=「儲けより心」をキャッチフレーズに毎回楽しいイベントを企画・開催されているようです。このような実績から、平成22年度には「地域づくり総務大臣表彰(団体の部)」を受賞されたそうです。

今回のイベントの一部であるミュージックフェスタへは「ザ・たこさん」というパワフルなバンドが出演し、強烈なパフォーマンスに観客は圧倒されっぱなしでした。他にも素敵なバンドや津軽三味線の演奏、そして美味しい食べ物も沢山あり、本当に賑やかで楽しい夜市でした。
 ※バンドに興味ある方は「ザ・たこさん」で検索


平成23年9月10日(土)  登山仲間が遊びに来ました

毎年この時期に恒例行事と化した「登山&温泉・宴会」を楽しみにしている登山仲間12名が、宿のチェックインまでの短時間とはいえ逆方向に車で1時間弱かかる陣の里へ立ち寄ってくれました。2週間前にお会いした方から最長は25年ぶりにお会いできた方まで本当に嬉しい再会ができました。昔登った山での楽しかったことが今でも鮮明に記憶が甦ってきます。雪の積もる山頂でフォークダンスをしたこと、イナゴとバッタの違いについて酒を飲み腹を抱え笑いながら議論したこと、男女混合のテント内で誰の横に寝るかをくじ引きで決めたこと、往復の電車の中でトランプに夢中になったこと、納会では登山の様子を当時8ミリ撮影した動画の上映会行ったこと等々、年齢、男女を問わず気心知れた本当に素晴らしい仲間です。


平成23年9月7日(水)  微笑ましい作品が続出 親子陶芸教室が終了

月下旬から約1ヶ月半開催していました親子陶芸教室が終了しました。期間中、5歳児〜中学生まで大勢の子供達が陶芸を初体験しました。斬新なデザインや微笑ましい作品が沢山生み出されました。中には粘土の紐を三つ編みにしたアーチ状の取手を付けた花器等女の子らしく可愛い作品やら花や魚等の各種模様のハンコを大胆に押し付けた力強い作品、園児らしいアンパンマンの顔のプレート、余った粘土で作った箸置き等、びっくりするほど子供たちの作品は自由で伸び伸びとしています。純真な心の中から溢れ出る創作意欲が成せる技で、粘土を素材とした造形の原点みたいなものを当方が勉強させられた気がします。また来年も開催します。本当にありがとうございました。


平成23年9月4日(日)  不屈の陶芸家
 3月に発生した大地震で陶芸の窯が崩落、その後半年間で窯を一から築き上げ、薪で焼成し、99日から3日間開催される展示会への出展まで漕ぎ着けた陶芸家Iさん(写真及び321日の日記参照)です。普通の人?なら崩落で気落ちするところ、逆に窯全体を取り壊したうえで改良を施した窯を設計し、ガソリンや物資の調達が困難な時期から複雑な曲率をしたトンネル状の窯の型枠となる大工仕事、レンガで積み上げる作業を一人黙々と進めてきました。短期間で窯を築くだけでも凄いことなのに、燃料となる赤松の調達と大量の薪を斧1本で毎日のように割り続ける作業と並行して素敵な作品を作り溜めていました。まだ話は終わりません。レンガを支えている型枠を焼き落として一度窯を空洞にし、作品を窯詰めして薪での素焼きに約3日間、窯出しして釉薬を掛けた後に再度窯詰め、そして今般改良を施した窯での本焼きへと至りました。本焼きは薪で約1週間昼夜焚き続けます。窯が冷めたところで作品を窯出し、初窯ゆえ作品の出来栄えから窯の癖等のデータ取得、次回へとフィードバックします。いずれにせよ、大地震発生から半年間で前述の作業をこなしてきたパワフルな陶芸家です。