埼玉・本庄の成就院の年中行事をご紹介します。
新年祝祷会(しんねんしゅくとうえ) 1月1日
施餓鬼法要(せがきほうよう)8月11日
写経会(しゃきょうえ) 毎月第一土曜日 午後2時
成就院では現在新規墓地の分譲を行っております。詳しいご案内はお寺までお気軽にご連絡ください。(成就院 TEL 0495-72-0568)
また、さまざまなご供養、そして成就院の水子観音菩薩のもと、埼玉県及び群馬県、東京都からもご供養に訪れる水子供養を行っています。こちらも行事ではありませんが、随時ご予約を承っております。水子のご供養につきましては
電話(0495-72-0568)または成就院メールにてお気軽にお問い合わせください。
私たちは普段の生活において様々な「欲」が生じます。しかし忙しい毎日の中で自分の心のありさまも顧みず、混沌としたあわただしい時間を過ごすこともおおくありましょう。そんな忙しい毎日の中、私たちが生きていく上で避けて通れない「食欲」をたとえにして、「もの惜しみをしない」人間らしく生きていく道を教えてくれるのが、施餓鬼法要でもあります。
お施餓鬼の由来は、『仏説救抜焔口餓鬼陀羅尼経(ぶっせつぐばつえんくがきだらにきょう)』に説かれる物語です。
この物語に登場する主人公は、お釈迦さまの身の回りの世話をし、お釈迦さまのそばで一番多くの教えを聞いたので「多聞(たもん)第一」といわれる、「十大弟子」の一人、阿難(あなん)尊者です。
ある日、阿難尊者が一人修行していると焔口(えんく)という餓鬼が現れます。そして「阿難よ、お前の寿命はあと三日だ。死んだ後は餓鬼道に堕ち、私と同じような醜く恐ろしい姿の餓鬼になるだろう」と告げました。驚愕した阿難は餓鬼に、「どうしたらその苦をのがれることができますか」と尋ねます。すると「明日の朝、無数の餓鬼とバラモン(司祭者)に、多くの飯食(おんじき)を布施しろ。そうすれば、その功徳によってお前の寿命は延び、私も餓鬼の苦を離れ、天上に生まれることができるだろう」と餓鬼は答えました。
しかし、そんなに多くの飯食を一晩で用意することなど到底できません。困った阿難はお釈迦さまに助けを求めました。するとお釈迦さまは、施餓鬼の陀羅尼(だらに)を示し、「心配しなくてよい。この陀羅尼を唱えながら食物を布施すれば、無数の餓鬼、そしてバラモンに心のこもった施しをすることになるだろう」と導かれたのです。
阿難は、このお釈迦様の教えのとおり餓鬼に布施をして、無事に死をのがれ、餓鬼は苦しみから救われたのです。
ここに出てくる餓鬼とは、地獄・餓鬼・畜生という「三悪趣(さんあくしゅ)」の一つで、飢えと渇きに苦しむものをいいます。
餓鬼は、水を飲もうとしても水が血の膿となって飲むことができず、喉が針のように細いので食べ物を飲み込めない、そして口から火を吐いているので食べ物が燃えて口に入れることすらできないのです。
限りない物欲を象徴しているのが餓鬼です。そして阿難尊者が見たものは、自分の心の中にある物欲にほかなりません。物欲に支配されていると、現代の普段の生活でも自分本位に走り、人を差別してしまったり、あるいは傷つけたりもします。お釈迦さまは、物欲に支配された醜い心を洗い、清らかにしていく手だてとして、布施の修行を示したのです。
施餓鬼はこの阿難尊者の施餓鬼について、改めて教えを学び、普段の私たちの生活を改め、仏様との結びつきを再認識する機会ともなるのです。