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「おじいちゃんの前ではいつもこうだった」
「ご用心」
「角から隅へ」
「一歩前(夜明け前)からの旅立ち」
「ふ〜あ ゆ〜」
「晴れの舞台」
「長靴チャプチャプ」
「春めきやんや」
「空を滑降」
「のびれ春」
「めでる」
「やってしまったア〜」
「そよそよには まだ」
「土産」
「ダイエットシャツ風」
「デュオ」
「稲荷神社で冬の結婚式」
「のんびりの化身」
「冬の 薄着ファッション」
「春夏秋冬 別れの言葉を忘れ」
「64歳」
「 Fly Me to the Moon」
「元気な杖 出鼻を くじかれる」
「見晴らしのいい窓でアイスキャンディー」
「雪のない季節」
「気づけば」
「ダメダメな魚屋」

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「おじいちゃんの前ではいつもこうだった」

庭がなくなり

ゆいつ隠し通せた
お爺ちゃんの植えた木の横が
僕の寝床

大きなタイルが敷き詰められ
次々と引っ込んだり
飛び出たりと波うつ

その上で僕は
生まれたばかりなのかも
忘れた踊る子犬

どこまで
楽しんでいい物語なのか

故郷

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「ご用心」

アリさんを踏まないよう

そろそろ小石が
靴に入る季節

ボ−ルが犬の口に
入る季節

そう
ボ−ル好きな犬が
君らの遊んでるそばに

ワッ!

ご用心

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「角から隅へ」

グ−グルア−スで
歩道の角の地面を
ズ−ムしてみよう

そこがあなたが
生まれた入り口かもしれない

少しバンクになってれば
気がかりが うれしく
なお良し

湯船に入ってたら
風呂場の床の隅と
目が合ってしまう

角から隅へ時は流れ

なら ここは私が
やがて眠りにつく所?

ヒュ〜

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「一歩前(夜明け前)からの旅立ち」

池の周りで
歯を磨く

水面に水輪を描いて
飛び込むのは汚れとは
限らないのに

と 思いながらも
せっせ せっせと磨く

うがいをしたら少し水がへった

かなしくって
ポトンと何粒かの涙が

池が ありがとう
水が増えた って

すこし笑えた

繰りかえす

ガンバ!

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「ふ〜あ ゆ〜」

一瞬で何億光年先まで
連れていかれる時がある

あなたは 誰?

ありがたや

ありがたや

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「晴れの舞台」

乾いた道
向こうも乾いた道

なのに

雨の日でも
晴れの日を作り
晴れの舞台が広がる
演劇を観にゆく

僕を舞台から探して

満ちたりた
笑顔なはず

帰り道は小雨降る
濡れ路

それとて花道を行く

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「長靴チャプチャプ」

水を入れた長靴をはいて
乾いた小石を踏む音を
聞きたい子

水の出ない噴水の周りを
水を入れた長靴をはいて
走りまわる子

夕方

水を入れたまま長靴は
水のないプールの
ジャンプ台の真下に
そ〜っと置いてあげて帰る子

いたずらっ子の親切

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「春めきやんや」

スキーの出来るほどの
雪の残る温かな日々とて

半袖 半ズボンの
アスリートたちが野外を満喫は
まだまだ
半袖 半ズボン愛好会のみ

まだ早いですよピッピ〜
とミニパトカ−たちも集まり
ミニパトカ−愛好会を
作って 親切

いまだ隠れる葉のない
裸の木々から
カラスの子育て時期を
占うのに使われる

素敵な毎年の光景

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「空を滑降」

やはり!

空を飛ぶ呪文を習って

あのお山のてっぺんから
このベランダまで

一気に

ヒュ〜

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「のびれ春」

春間近

空気圧より

いまだ気になる

背の丈

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「めでる」

花をめでる?

いやいや
その前に気になるは
華をみたことがない

華への憧れ

花を産むモノの
うつむきかげんな
顔は まさに華

気づけば

庭に咲く花を
めでる日は

明日にも
くるのでしょう

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「やってしまったア〜」

気がついたら
あなたはヤカンの
ふたのつもりで?

ヤカンの中にチャポン

きのうまでは
魔法びんのふただったのに・・・

こうして今日もまた
老人が1人生まれる

ヒュ〜

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「そよそよには まだ」

ふり返ると

波打ちぎわ
かなり前でこわごわ
しぶきに スリスリ

前を ゆくは

霧雨が
降るのか
降っているのか

晴れる予報
寒くはないけど
ご用心

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「土産」

版画で語る
さくらがあると

八つ橋が
教えてくれた

おたべ

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「ダイエットシャツ風」

パジャマちゃんと
下ろして
そんな半端な
ポーズで いないの

でも今が気持ちがいいのです

重たい空気が身を包むって
気持ちがいい
痩せるかも

一年に一度の日めくりの気

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「デュオ」

トロンボーンがハピーバースデーを吹くと
弟ぞうさんの誕生日

チューバがハピーバースデーを吹くと
お兄ちゃんぞうさんの誕生日

駆けつけたのは
寿命自慢の亀さん

甲羅にはたくさんのロウソクが
お客さんのつもり

今日は
みんながみんな

縁起物

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「稲荷神社で冬の結婚式」

稲荷神社でする結婚式では
そんな紙芝居が始まる

化かされないように
化かされたいのに
化かされたふりなのに

ひどい天気や足もとに
伸ばしたつもりの
優しいカメラマンの手が

紙芝居をめくっては
記念写真におさめる

すべてが解決したかのように

新郎新婦のいない
タクシーが
去ってゆく

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「のんびりの化身」

野イチゴの中で
真っ赤な金平糖
だったことがある

小石の中の小石

やっぱりね
小石ってそういう風に
ころがってるよね

支笏湖も洞爺湖でも
そうだった

渋滞が嫌だといってたけど
気づいたら
一番後ろだった小石

のんびり

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「冬の 薄着ファッション」

北国の女性は
雪女に憧れる

なぜ?

雪女 風邪引かない

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「春夏秋冬 別れの言葉を忘れ」

春去る者は
梅の花さえ桜と思いたく
一句残し

夏去る者は
花火の夜
足もとだけを見つめながら
去ってゆく

秋去る者は
手袋を編んでは
向こうから送ろうと 心に

冬去る者は
その事を知らない誰彼に
雪をかいては感謝され

別れの言葉を忘れ

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「64歳」

64歳 これから
数字を減らします

だって64個も
ケーキを食べれません

とりあえず

紅茶でも
いただきましょうか

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「 Fly Me to the Moon」

夢のある曲
私を月に連れてっては
昔々のお話

今は2522年
私を月に連れてって

ごめん 給料日前で
チョッと旅費が
足りないダヨ

ケチな人ね
さようなら〜

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「元気な杖 出鼻を くじかれる」

銅像の影から現れる人よ
カッコいい

あなたはバナナ

ロ−ドヒ−ティングから
立ちのぼる湯気をまとって
現れる人よ

あなたもバナナ
カッコいい

私は杖ですが まだ元気
簡素な文字にならなれますヨ
と買ったばかりの
ビニールを破られる

(´・c_・`)しょぼん

生前はソ−セージ
だったのかもしれません

バナナになれなかった
ソ−セージ

ひどいむかれ方

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「見晴らしのいい窓でアイスキャンディー」

富士山の真棒を持つヒトの
気持ちはこうと

食べ終わった
アイスの棒だけを
握りしめてる

もちろん古い思い出に
なるんだろうから

遥か向こう
富士のてっぺんに
アイスの棒の先を合わせ

白黒写真

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「雪のない季節」

きれいにたたまれ
積み重ねられた服の間に
ゆかたがまざっているのに
タンスに仕舞われるのを
ただ見てるだけ

のどが渇いて
声が出ない

コップを手に取ろうにも
そこにコップはない

のど飴が入ってるのに
入ってないようにみえる袋が
テ−ブルにひとつ
手に握りしめ

浴衣は
タンスの二段目 二段目

今年こそ
盆踊りに行くぞ 行くぞ

浴衣は
タンスの二段目 二段目

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「気づけば」

葉の雪がとけ
枝の雪がとけ
土の雪色が曇り空と混ざる

この景色の中に
紙の手ざわり

そう

真っ白な
紙飛こうきが ゆく〜

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「そこだけが と散ってゆく」

散る花びらを
ひろい集めては

元気な花咲く
花びんの横

小皿の中

目をつぶれば

意味も
期待も
寂しさも

キラキラ

待つ身の言い訳

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「ダメダメな魚屋」

シ−ズンに
ホヤの置いてない魚屋に
美味しい昆布巻きが
あるもんかい

(そうだ そうだ
もっと言ってやれ〜)

アラのさばき方は上手いけど

(そうだ そうだ
もっと言ってやれ〜)

____________________

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