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66 top 「おじいちゃんの前ではいつもこうだった」 「ご用心」 「角から隅へ」 「一歩前(夜明け前)からの旅立ち」 「ふ〜あ ゆ〜」 「晴れの舞台」 「長靴チャプチャプ」 「春めきやんや」 「空を滑降」 「のびれ春」 「めでる」 「やってしまったア〜」 「そよそよには まだ」 「土産」 「ダイエットシャツ風」 「デュオ」 「稲荷神社で冬の結婚式」 「のんびりの化身」 「冬の 薄着ファッション」 「春夏秋冬 別れの言葉を忘れ」 「64歳」 「 Fly Me to the Moon」 「元気な杖 出鼻を くじかれる」 「見晴らしのいい窓でアイスキャンディー」 「雪のない季節」 「気づけば」 「ダメダメな魚屋」 戻る |
「おじいちゃんの前ではいつもこうだった」 庭がなくなり ゆいつ隠し通せた お爺ちゃんの植えた木の横が 僕の寝床 大きなタイルが敷き詰められ 次々と引っ込んだり 飛び出たりと波うつ その上で僕は 生まれたばかりなのかも 忘れた踊る子犬 どこまで 楽しんでいい物語なのか 故郷 ____________________ 「ご用心」 アリさんを踏まないよう そろそろ小石が 靴に入る季節 ボ−ルが犬の口に 入る季節 そう ボ−ル好きな犬が 君らの遊んでるそばに ワッ! ご用心 ____________________ 「角から隅へ」 グ−グルア−スで 歩道の角の地面を ズ−ムしてみよう そこがあなたが 生まれた入り口かもしれない 少しバンクになってれば 気がかりが うれしく なお良し 湯船に入ってたら 風呂場の床の隅と 目が合ってしまう 角から隅へ時は流れ なら ここは私が やがて眠りにつく所? ヒュ〜 ____________________ 「一歩前(夜明け前)からの旅立ち」 池の周りで 歯を磨く 水面に水輪を描いて 飛び込むのは汚れとは 限らないのに と 思いながらも せっせ せっせと磨く うがいをしたら少し水がへった かなしくって ポトンと何粒かの涙が 池が ありがとう 水が増えた って すこし笑えた 繰りかえす ガンバ! ____________________ 「ふ〜あ ゆ〜」 一瞬で何億光年先まで 連れていかれる時がある あなたは 誰? ありがたや ありがたや ____________________ 「晴れの舞台」 乾いた道 向こうも乾いた道 なのに 雨の日でも 晴れの日を作り 晴れの舞台が広がる 演劇を観にゆく 僕を舞台から探して 満ちたりた 笑顔なはず 帰り道は小雨降る 濡れ路 それとて花道を行く ____________________ 「長靴チャプチャプ」 水を入れた長靴をはいて 乾いた小石を踏む音を 聞きたい子 水の出ない噴水の周りを 水を入れた長靴をはいて 走りまわる子 夕方 水を入れたまま長靴は 水のないプールの ジャンプ台の真下に そ〜っと置いてあげて帰る子 いたずらっ子の親切 ____________________ 「春めきやんや」 スキーの出来るほどの 雪の残る温かな日々とて 半袖 半ズボンの アスリートたちが野外を満喫は まだまだ 半袖 半ズボン愛好会のみ まだ早いですよピッピ〜 とミニパトカ−たちも集まり ミニパトカ−愛好会を 作って 親切 いまだ隠れる葉のない 裸の木々から カラスの子育て時期を 占うのに使われる 素敵な毎年の光景 ____________________ 「空を滑降」 やはり! 空を飛ぶ呪文を習って あのお山のてっぺんから このベランダまで 一気に ヒュ〜 ____________________ 「のびれ春」 春間近 空気圧より いまだ気になる 背の丈 ____________________ 「めでる」 花をめでる? いやいや その前に気になるは 華をみたことがない 華への憧れ 花を産むモノの うつむきかげんな 顔は まさに華 気づけば 庭に咲く花を めでる日は 明日にも くるのでしょう ____________________ 「やってしまったア〜」 気がついたら あなたはヤカンの ふたのつもりで? ヤカンの中にチャポン きのうまでは 魔法びんのふただったのに・・・ こうして今日もまた 老人が1人生まれる ヒュ〜 ____________________ 「そよそよには まだ」 ふり返ると 波打ちぎわ かなり前でこわごわ しぶきに スリスリ 前を ゆくは 霧雨が 降るのか 降っているのか 晴れる予報 寒くはないけど ご用心 ____________________ 「土産」 版画で語る さくらがあると 八つ橋が 教えてくれた おたべ ____________________ 「ダイエットシャツ風」 パジャマちゃんと 下ろして そんな半端な ポーズで いないの でも今が気持ちがいいのです 重たい空気が身を包むって 気持ちがいい 痩せるかも 一年に一度の日めくりの気 ____________________ 「デュオ」 トロンボーンがハピーバースデーを吹くと 弟ぞうさんの誕生日 チューバがハピーバースデーを吹くと お兄ちゃんぞうさんの誕生日 駆けつけたのは 寿命自慢の亀さん 甲羅にはたくさんのロウソクが お客さんのつもり 今日は みんながみんな 縁起物 ____________________ 「稲荷神社で冬の結婚式」 稲荷神社でする結婚式では そんな紙芝居が始まる 化かされないように 化かされたいのに 化かされたふりなのに ひどい天気や足もとに 伸ばしたつもりの 優しいカメラマンの手が 紙芝居をめくっては 記念写真におさめる すべてが解決したかのように 新郎新婦のいない タクシーが 去ってゆく ____________________ 「のんびりの化身」 野イチゴの中で 真っ赤な金平糖 だったことがある 小石の中の小石 やっぱりね 小石ってそういう風に ころがってるよね 支笏湖も洞爺湖でも そうだった 渋滞が嫌だといってたけど 気づいたら 一番後ろだった小石 のんびり ____________________ 「冬の 薄着ファッション」 北国の女性は 雪女に憧れる なぜ? 雪女 風邪引かない ____________________ 「春夏秋冬 別れの言葉を忘れ」 春去る者は 梅の花さえ桜と思いたく 一句残し 夏去る者は 花火の夜 足もとだけを見つめながら 去ってゆく 秋去る者は 手袋を編んでは 向こうから送ろうと 心に 冬去る者は その事を知らない誰彼に 雪をかいては感謝され 別れの言葉を忘れ ____________________ 「64歳」 64歳 これから 数字を減らします だって64個も ケーキを食べれません とりあえず 紅茶でも いただきましょうか ____________________ 「 Fly Me to the Moon」 夢のある曲 私を月に連れてっては 昔々のお話 今は2522年 私を月に連れてって ごめん 給料日前で チョッと旅費が 足りないダヨ ケチな人ね さようなら〜 ____________________ 「元気な杖 出鼻を くじかれる」 銅像の影から現れる人よ カッコいい あなたはバナナ ロ−ドヒ−ティングから 立ちのぼる湯気をまとって 現れる人よ あなたもバナナ カッコいい 私は杖ですが まだ元気 簡素な文字にならなれますヨ と買ったばかりの ビニールを破られる (´・c_・`)しょぼん 生前はソ−セージ だったのかもしれません バナナになれなかった ソ−セージ ひどいむかれ方 ____________________ 「見晴らしのいい窓でアイスキャンディー」 富士山の真棒を持つヒトの 気持ちはこうと 食べ終わった アイスの棒だけを 握りしめてる もちろん古い思い出に なるんだろうから 遥か向こう 富士のてっぺんに アイスの棒の先を合わせ 白黒写真 ____________________ 「雪のない季節」 きれいにたたまれ 積み重ねられた服の間に ゆかたがまざっているのに タンスに仕舞われるのを ただ見てるだけ のどが渇いて 声が出ない コップを手に取ろうにも そこにコップはない のど飴が入ってるのに 入ってないようにみえる袋が テ−ブルにひとつ 手に握りしめ 浴衣は タンスの二段目 二段目 今年こそ 盆踊りに行くぞ 行くぞ 浴衣は タンスの二段目 二段目 ____________________ 「気づけば」 葉の雪がとけ 枝の雪がとけ 土の雪色が曇り空と混ざる この景色の中に 紙の手ざわり そう 真っ白な 紙飛こうきが ゆく〜 ____________________ 「そこだけが と散ってゆく」 散る花びらを ひろい集めては 元気な花咲く 花びんの横 小皿の中 目をつぶれば 意味も 期待も 寂しさも キラキラ 待つ身の言い訳 ____________________ 「ダメダメな魚屋」 シ−ズンに ホヤの置いてない魚屋に 美味しい昆布巻きが あるもんかい (そうだ そうだ もっと言ってやれ〜) アラのさばき方は上手いけど (そうだ そうだ もっと言ってやれ〜) ____________________ |
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