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64 top 「どんぶりを買うときは三個買う」 「手をつなぐように」 「アイスバーンな道」 「オカルト」 「新年どんぶり」 「おばあちゃんの道」 「あぶりだし」 「しめ飾り」 「ダンボ−ルの穴から見える今日」 「ススキノの朝」 「七草粥」 「夏の日のようで 始まれない」 「人肌」 「フルグラ」 「人間除夜の鐘」 「こう話を結ぶ」 「師走はポエムも忙がしい」 「うそ うそ」 「ホッと」 「裏クリスマス」 「ジャズ喫茶にいるよと フォ−クソングで歌う」 「ランナ−」 「飛行機雲の顔」 「物語」 「散歩道」 戻る |
「どんぶりを買うときは三個買う」 どんぶりが三個 おたがいにしのぎを削り 一つ割れ 二つ割れ 最後に残るのが ながいつき合いに どのどんぶりだろう 台本のない ストーリー 題名は 化石 ____________________ 「手をつなぐように」 これ以上の描きモノが あるだろうか いえいえ こうしたらどう もうひとつ用意して はしっこを重ねてみようよ そこから きっと なにか生まれるよ ____________________ 「アイスバーンな道」 アイスバーンの中の目と 目が会うから 避けて通らなきゃいけないよ アイスバーンって恐いんだよ 挨拶の言葉は用意してるって そうかい そうかい 優しい子だからね じゃそ−っと 通ってごらん 氷さんが教えてくれるね みなさんにも 大丈夫な道取りを 教えてあげてごらんなさい そうそう 優しい子だね ____________________ 「オカルト」 映画館の大きなスクリーン じゃ怖いのでと テレビで見る オカルト番組の中に ブラウン管に反射する 自分がいる ヒュ〜 ____________________ 「新年どんぶり」 たった一つのどんぶりを 割ってしまった ラ−メンが食べれない そうめんが食べれない 汁だく好みの僕には 物足りない器ばかり 2018年も 汁だくでいきたいのに ヒュ〜 ____________________ 「おばあちゃんの道」 雪の上を田植え? いえいえ踏み絵? 初恋の人の名? 教えてよ おばあちゃんって 今日は道を聞かれやすい日だね ____________________ 「あぶりだし」 スケート場の隅 上手なつもりで すべってる青年が 浮き出ましたか 髪を伸ばして ジ−パンがほつれて? それは学生時代の僕です まだいたんですね あれから月日は 大分たったんですよ ____________________ しめ飾り」 おじいちゃん 正月のしめ飾りって いつしまうの? 〔それはの よそ様がしまった日になんじゃよ〕 そうなんだ?! さすが僕の、おじいちゃん 何でも知ってるんだね 〔いやいや それほどでも あるかな ワッハッハッハハ〕 ____________________ 「ダンボ−ルの穴から見える今日」 ダンボ−ルの穴から 顔を出すと 外はクリスマス そんな景色が迎えてくれる 私はひよこ 私は猫 ____________________ 「ススキノの朝」 片足で足元の地面を トントン トントン 日の射す ブラック歩道がまぶしく 週末明けのススキノの朝 向こうに落ちてるのは ライオンの頭 強烈なライトに 照らされたステージ中央 そう きっとあちらが ステージ中央 ____________________ 「七草粥」 七草 お粥の中で 時を待つ間もなく ねがいの中に消えてゆく スプーンの長さは 誰が決めた 口からだけの ねがいでは遠い ____________________ 夏の日のようで 始まれない」 暑い夏の日の 人様から目立つ建物の 地下で日除け 薔薇の花びらが 散らかってるよ そんな人の声が 聞けそうで 寝巻きに着替えるのも惜しく 長椅子で眠りについてみる 離せない携帯のぬくもりを 手のひらに握りしめてることが はじまりのポ−ズ でもあるからなのか ____________________ 「人肌」 白い肌を 白い季節で包めば 肌は白ではなく 人肌 触れたいのか 出会いたいのか 見過ごしてた季節が終わり 今は冬 ____________________ 「フルグラ」 流行りのあれ 今ガリガリかじってっから 話しかけられても 聞こえてないんだけど 小粒だからって 馬鹿にしないでよ〜♪ そっちのせいよ〜♪(違う 違う) ____________________ 「人間除夜の鐘」 ボ〜ン ボ〜ン うるさいと言われるまで ボ〜ン ボ〜ン 明けまして おめでとうございま〜す ボ〜ン ボ〜ン ____________________ 「こう話を結ぶ」 大地に おりたものが 舞いもどる それは ただただ 見上げるしか できないだけの景色が いい そう おただいが寄り添い 話を結ぶ ハルニレの木は2本の木 ____________________ 「師走はポエムも忙がしい」 白の向こうは白くなくって なにやら地獄が 待ってると思うのに 忙しいので まずは行ってみる 口がちゃんと閉まらないのを いいことに 話したいことがたくさんあると 口答ポエム 書きとって〜 忙しいので階段を 登りながら詩を作る 一段ごとに一作 絶好調 あ〜忙がしい ____________________ 「うそ うそ」 いらなくなった サンタさんの格好を お地蔵さんに掛けてあげる それほどの雪の日 こうして 童話は塗りかえられてゆく ____________________ 「ホッと」 火事騒動にも関係なく 出来たら落ちてくる 製氷機の氷 いと可笑し ホッ ____________________ 「裏クリスマス」 ろうそく1本を持った僕が立ってる ろうそく1本じゃ足りない夜 と思いながら 見わたすと ろうそく1本を持った僕が何人も立ってる この中の何人の僕に心があるんだろう 心のない僕からは ろうそくはいただいていいよね でも それとて やはり 一人クリスマス ____________________ 「ジャズ喫茶にいるよと フォ−クソングで歌う」 地下にメロディが響き 僕の作った詩が 歌詞のように振る舞う 足りない言葉や あまる言葉が くりかえし舞い 楽し気に僕を振り返るけれど 僕はおかまい無しに 足をくみ 手をくみ首をふる そんな僕 青空ジャズ喫茶に お呼ばれしたなら どんな詩を 持ってゆく? ____________________ 「ランナ−」 母はカ−ディガンを脱ごうとしません ランナ−なのに 青信号を待つ母は なんであんな遠くで様子をうかがってるの ランナ−なのに 歌う歌詞は飛んでゆかず いつまでも まとわりついて母を包む なん度も なん度も包む サングラスの間に紛れた歌詞があれば 涙になって落ちてゆく そんなランナ− 景色を相手に生活を すればいいのに ____________________ 「飛行機雲の顔」 飛行機雲の 飛行機が見えた でも色が分からない どうしても見えない 額の中の世界 引き込まれたいのか 飛び出したいのか そんな話の後に 眠りについた昨夜 色の話には ならなかった気もして ____________________ 「物語」 ビルの壁が一面 鏡 写る よそ樣のビルに なりたがってるビル ご注文のある方は いらっしゃいますか 腹が減ってるから早く 田口一朗をちょうだいと 言っては席に紛れてゆく まだかとまた現れては 早く田口一朗を ちょうだいという 気づけば僕の服は 上から下まで鏡で出来ていた でも とても僕は 目の前の田口一朗さんに なりたいとは思えない このビルからは 出て行かなければいけない頃合いの物語 ____________________ 「散歩道」 使われなくなった 市場の中小路 それでも雪がとければ 今だ何かありそう 春からの散歩道が こうして増えてゆく ____________________ |
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