シャックの中のアクセサリー

Top > 無線設備の変遷 > シャックの中のアクセサリー


過去に通信士を目指した事があり、1通の電気通信術まで取りましたが、途中で進路を変え、資格は取りませんでした。その後、船舶の工務(新造船の設計、新造船・修理船の工務監督)の仕事に就き、数々の船舶の建造や修繕に拘わる中、通信への拘りは持ち続けました。その時代に集めた部品や資料を紹介します。

送信管

船舶の送信機に使われていた送信管です。

6P80A (右) 

プレート損失が600Wですが、ヒーターが12V、20A(240W)も食う送信管です。短波の1KW送信機に使用していました。

P250A (左、中)

プレート損失420W。中波〜短波の500W送信機に使用していました。

P250A (右)

(上記と同じ)

P220A (右から2番目)

プレート損失230W。中波〜短波の250W送信機に使用していました。

4P60 (右から3番目)

プレート損失125W。中波〜短波の125W補助送信機に使用していました。

6146 (左端)

大きさの比較の為に置きました。


電鍵

電鍵は、今でも縦振りかバグキーです。そんな拘りより、実践向きで打ちやすい電鍵を集めたものです。

HK-1999

99年にハイモンド社からの「世紀末記念」として銘打って発売された縦振り電鍵です。ハイモンドのスタンダードなベアリングでピボット状の軸を支える形とは異なり、太い軸をブロックで支える形になっている為にガタつきがなく、また、接点がしっかりしているので打っていて安定感があります。非常に打ちやすく、購入して以来、愛用しています。

HK-1Z

非常に人気がある縦振り電鍵です。軸受けはハイモンドのスタンダードであるベアリングで、接点の面積が6mmΦと広く安定感があり、打ち味はソフトな感触。HK-1999を購入するまでは愛用していた電鍵です。

MK-702

ハイモンドのマニュピュレータで、大理石ベースのしっかりしたものです。エレキーの練習用に買いましたが、バグキーを使っていた為、どうも打ち方が馴染めず使うのを止めてしまいました。

VIBROPLEX

同社のマニュピュレータは有名で、使っている方も多いと思いますが、私のはバグキー付きのマニュピュレータです。同じ形で、プレゼンテーションと呼ばれる有名なバグキーがありますが、これはその下位機種です。短点の速度を左上に写っているウェイトで調整しますが、最低にしても速度が少々速く、私はウェイトを追加して使用しています。縦振り電鍵に疲れた時に使用する愛用のバグキーです。

BK-100

日本でバグキーと言えば、このBK-100を指すくらいに愛用者が多く、プロからアマチュアまで幅広い人達に使われています。ただ、パドルの部分が弱く、物をぶつけて割れてしまったBK-100を、船では良く見かけました。VIBROPLEXを購入するまでは使っていましたが、今でほこりがかぷっています。

BK-108

ハイモンドのバグキーです。真鍮ブロックを組み合わせてた様なフレームを持ち、周囲は円筒形のアクリルカバーで被われています。ウェイトによる短点の調整範囲が広く、低速度から送出できるので、初心者にも扱いやすいと思います。接点は、リードリレーをマグネットで開閉させる方式で、接触不良による短点のカスレが出ません。ただ、接点の電流容量が小さく、真空管のRIGには不向きです(接点がくっつき、使い物になりませんでした)。この為、残念ながら、手放してしまいました。

BK-200

ハイモンドのバグキーです。あまり見かけませんが、たまたまジャンク市で見つけ購入しました。BK-100やBK-108と比べ、作りが頑強で安定感があります。このため、手持ちのバグキーの中で一番打ちやすいキーだと思います。短点の接点にはリードリレーを使用していて、真空管の無線機をキーイングするのには少々不安があります。サブウェイトが付属していて、BK-108同様に広い範囲のスピード調整が可能になっています。


船舶無線局の法定書類

船舶無線局に要求される書類ですが、20年以上前の資料なので、現在は異なる可能性があります。

電波法令集

どの無線局でも要求される法定書類で、電波法以外の周辺法も収録されています。主な内容は、電波法、電波法施工規則、無線局設備規則、郵政省令(当時)、船舶法、航空法、放送法等。

海上移動業務及び海上移動衛星業務で使用する便覧

非常に長い名前ですが、国際公衆通信をする船舶局に具備が要求される書類で、国際電気通信条約付属無線通信規則(いわゆるRRと言われる、電気通信に拘わる国際法)等が収録されています。

NOMENCLATURE (ノーメンクラチャー)

船舶無線局の国際通信で使う、種々の情報が収録されている書類で、国際公衆通信を行う場合は、具備が要求されています。西、英、仏、露、中の各言語で併記がされ、次の書類で構成されています。

  • SHIP STATIONS
  • LIST OF COAST STATION
  • CALL SIGNS
  • MAP OF COAST STATION
  • LIST OF RADIODETERMINATION AND SPECIAL SERVICE STATION
世界海上無線通信資料

無線便覧といわれている書類で、気象局、海岸局、船舶局に関する情報が収録されています。いわば、ノーメンクラチャーの日本語板。


送信機のクリスタル

船舶の送信機に使われていたクリスタル。

短波の送信機に使われていたFT-243型クリスタル(右)。左は、大きさの比較の為に置いたHC-6/U。
局発?に使われていたと思われる、クリスタル(でかい・・・)。左は、HC-6/U。