私の小さな仲間達

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QRPとの出会い

 私は、兼ねてからQRPに興味を持っていましたが、果たしてどの位実用になるかが判らず、手を出せずにいました。

 九州の赴任時代にたまたま本屋で目にしたQRPハンドブックの素朴さに引かれ、QRPの世界に飛びこみました。その頃に住んでいた社宅では、アンテナが自由に張れ(20mHの7メガのダイポールを使っていました)、QRPでも思いの他に電波が良く飛び、感動を覚えたものでした。現在は、アンテナが思う様に張れず、私のQRPの電波はなかなか飛びませんが、それでも、僅か数百ミリWの電波で交信できる醍醐味は変わりません。また、QRPのキットを製作する事が、一つの楽しみともなっています。

 コリンズの機械いじりに時間を取られ、QRPは気分転換としてたしなむ程度ですが、今までに使用してきた機械を紹介します。


P-7DX

 私が、初めてQRPの楽しさを知った機械です。7メガCW、600mWの機械で、周波数範囲は7.000MHz〜7.030MHzでVXOでカバーしています。AGC、Sメータ、サイド・トーン、直読ダイヤル、RIT、フル・ブレークイン、オプションでAFフィルタと至れり尽せりで、初心者でも大変に使いやすい機械でした。九州時代の20mHダイポールと組み合わせ、良く飛びました。コンテストではWとの交信も出来ました。乾電池でWとの交信が出来た感動は今でも忘れません。


TS-130V

 Wでは手頃な中古価格と性能の高さで人気が有る機械です。WARCバンド、10W出力、パワーコントロール、IFシフト、CWフィルタ(オプション)、アッテネータ、ノイズブランカ、デジタル・リードアウト等々。入門機としての機能は揃っているので、シンプルなQRP専用機と比べると、機能・性能伴に文句の付けようがありません。それでいて、中古市場では2万円以下で入手でき、コスト/パフォーマンスが非常に優れています。出力は前面パネルに付いている、パワーコントロール(CAR)で絞る事が出来ます。私は、内部のALC調整のボリウムを併用して、出力を絞っています。特に、SSBの場合は、ALCで絞らないと、音声のピークで高出力が出てしまい、QRPとは言えなくなりますので、注意が必要です。


SW20+

 2006年に製作した Small Wonder Labs社 のキットSW20+です(右)。14メガCW、2Wの機械で、周波数範囲は14メガQRP国際呼び出し周波数である14.060MHzを中心とした約30KHzをVXOでカバーしています。装着するCにより周波数範囲を上下に微調整ができます。フル・ブレークイン、サイド・トーン、3ポールのラダー型CWフィルタが付属していますが、AGC、Sメータ、RITは有りません。感度は実用に十分です。なお、送信周波数を読む為に、周波数カウンタをRF出力にカップリングして接続しています(写真左)。


Rock Mite 40

 2007年に製作した Small Wonder Labs社 のキットRock Mite 40です。7メガCW、500mWの機械で、周波数はスポットで、WのQRP呼び出し周波数(7.040MHz)又はQRP国際呼び出し周波数(7.030MHz)を注文時に選択します。シンプルな回路であるにも拘わらず、フル・ブレークイン、サイド・トーン、受信時の700Hzシフト回路、スクイズ動作のキーヤーが内蔵されています。キーヤーのジャックにモノ・プラグを挿し込んだまま電源を入れると、キーヤーがバイパスされ、縦振り電鍵が使える様になるという、便利な機能を持っています。私のQTHでは放送局のフィード・スルーが有り、フィルターを考慮する必要が有りそうです(アンテナの状況によっても異なる様ですが)。

 ケースは、ミントのお菓子 ALTOIDS の缶を使いました。Rock Miteをお菓子の缶等に入れるのはWで流行っており、その色々な例が写真と伴に紹介されているサイトも有ります(The Rock Mite Files)。如何にも可愛く、愛着が湧く機械に仕上がりました。


<送受信周波数について>

 残念ながら日本では付属の水晶は使えません。日本のQRP呼び出し周波数である7.003KHzに出る為に、秋葉原の 千石電商 のB1Fの部品売り場で7.000MHzの水晶を購入し(@150円)、シリーズにコンデンサを挿入し(水晶とバリキャップの間のパターンを切って挿入)、周波数を動かして使っています。そのデータは次の通りです。

  

これでWと交信をするのが目標です

中身は至ってシンプルです


PIXIE2

 Amazonでワンコイン弱(送料込み)で購入したので期待はしていませんでしたが、部品不足もなく、アクセサリーとして、圧電ブザーモニター、ブザーカットスイッチ、LEDライトモニター、ピッチ調整ボリュームが付いており、大変に満足でした。しかし低価格だけあり、RF回路のフィルターが貧弱で、スペクトラムを見ると散々でした。この為、QRP LabsのLPFを購入し(送料込みで本体の2倍の価格)挿入したところ、使えるレベルになりました。未だ受信帯域が広く、送信周波数が7.030MHzである課題があるので、これをクリアしなくてはなりません。結局ワンコインが何倍にもなってしまいそうですが、それでも楽しいプロジェクトです。



本体


ケースに組み込んだLPF

 

PIXIE2単体

 

PIXIE2+LPF

 

Rock Mite


SLT

 アンテナが思う様に張れない現在のQTHで、7メガに出る為に、2007年に Hendricks QRP Kits 社 のQRP用のアンテナ・カプラ−SLTを製作しました。このアンテナ・カプラ−は、L型同調回路を採用しており、スイッチで5個のトライダル・コアに巻いたコイルを切り替え、ポリバリコンで同調を取ります。中央にはLEDによるSWRインジケータが付いており、発光が最小になる点が同調点となります。同調操作はチューン・ポジションで行いますが、このポジションでは離調してSWRが悪い状態でも反射波を内蔵の抵抗で吸収する様になっており、調整中に送信機のファイナルの負担を最小限に留める事が出来ます。主にLWでに使う事を目的とした回路であるため、どんなアンテナでも使え、使いやすいアンテナ・カップラーだと言えます。ケースやツマミは予め付属していて、買い足すものはありません。ケースは無地のアルミなので、好みの色に塗装しました。このカラーリングは、何処かで見た事が有るのではないでしょうか?


FCZ寺子屋シリーズ QRPパワー・メータ

 市販の少ない終端型QRPパワー計の一つです。キットで、価格が手頃な事もあり、多くの方に使われている様です。測定レンジは2W/500mWですので、QRPPの電力を直接測定する以外は、十分な性能だと言えます。価格を押さえる為に、メータに特性のばらつきが大きいラジケータを使っていますが、この短所を補完する為に、組立後に直流電圧で誤差の補正をします。良く考えられている点だと言えます。


LPM-880−01

 リーダーの終端型パワー計です。測定レンジが、120W/20W/5Wと通常の出力からQRPまで広範囲に使える機械です。前記の、FCZ寺子屋シリーズQRPパワー・メータの測定レンジが2Wまでなので、5W程度を測定できるパワー計を探していました。手持ちのBIRDの通過型パワー計の活用も考えましたが、HFで5W程度の出力を測定できるエレメントはありません。残念ながら、過去に数機種あったこのレンジの測定が出来る終端型パワー計は、全てが既に生産終了となり、中古市場でしか入手が出来ない様です。この機械は、ハムフェア見つけました。ご覧の様に、メータが大きく、2W目盛りが中央に位置し、QRP入門機の出力の測定には大変向いています。


どこでもパドルMINI・バッテリーパック

 Rock Mite 40を実践に使う為に、準備したパドルとバッテリーパックです。

 バッテリーパックは単三電池×4を2組使い9Vを得ています。非常に廉価で0.5Wのトランシーバーに十分な電源が得られます。

 キーヤーはハムフェアで買った「どこでもパドルMINI」です。廉価なキーヤーです。ベースにはマグネットが付いていて、ALTOIDSの箱にくっ付けて使っています。これに出会う前は、海外のMINIパドルを買う予定でしたが、このパドルは半値以下で買え、十分な実用性を備えているので、満足をしています。


テラスでのQSO

 ぽかぽか陽気の休日に、テラスに持ち出したRock Mite 40です(Rock Mite 40、SLT、どこでもパドルMINI、バッテリーパック、ロングワイヤー、カウンターポイズ、ヘッドフォン)。SLTに繋いだロングワイヤーを樹に引っ掛け運用をしましたが、住宅地で地上高が低い為に、簡単にはQSOが出来ないのが実態です。それでも、ビール片手に気長にCQを出すと、一時のリラックスした時間を過ごす事が出来ます。