Top > The Life in Jakarta > 第3話
 
17.蚊

蚊は最大の敵。デング熱という恐ろしい伝染病を媒介する。デング熱は、一回目の感染では発熱くらいで済むが、二回目は死に至ることも有るので、蚊に食われることすらできないんだ。そんなの無理だよ、と思うだろ。ところが、むりなんだ。実際は、少しくらい蚊に食われても平気だけど、体力が無い時で免疫力が下がっているときは要注意。また、来たばかりで、免疫が無い人も要注意。それって、オレだよ!というわけで、部屋に帰った時は、強力殺虫剤をガンガン撒いて、おまけに電子蚊取りをたいて、蚊を撃退している。ただ、強力殺虫剤は、日本じゃ絶対に使えないやつなので、気味が悪いよ。デング熱を取るか、劇薬を取るか。当面は強力殺虫剤を取っているけどね。
 
18.TVコマーシャル

TVのコマーシャルを見ていると、作り方がそもそもパクリなので、余り違和感が無い。女優さんはなぜか、色の白い人が多く、中国系や欧米人とのハーフのきれいな人が出ているので、益々違和感がなく、言葉だけが違うといった感じ。でも、ラジオのコマーシャルは楽しい。例えば、『ハイドロ・プロテイン』という精力剤?のCMだと思うんだけど、はじめは情けない声を出す男の人が出てきて、女の声が『ハイドロ・プロテイン ◎&#%▽・・・』と言うと、『ごくごくごく』と何かを呑む音がした後に途端に元気な声に代わり、女の人がうっとりしたような声を出す。おお、イスラム国家とはいえ、結構ストレートなCMも真昼間から放送されとるんヤね、と感心したりして。全然言葉は分からなくても、雰囲気で分かるものだ。
 
19.お手伝いさんたちとの生活

今日は大変でした。昨日から、我家が専用で雇い入れをした、メイドのRINIさんと、ドライバーのダルマジさんとのお付き合いが始まったのです。会社が雇っているSUTIさんとはバイバイです。今日は早速、皆で買出しドライブに行って来ました。最初、買い物を日本人が良く行く、COSMOとスナヤンプラザに行こうと言ったら、ダルマジさんが、HEROという現地人向けのスーパーのほうが安いと言ってくれたので、現地スーパーには前から非常に興味を持っていた僕は嬉しくてたまりませんでした。日本人同士だと、安全を考えて結局スナヤンかPASARAYAかCOMSOMで買い物と決まっているので、飽きていたところでした。HEROは、現地のダイエーと行った感じで、何でも有る大きなスーパーです。作りもほぼ同じです。そこで、RINIさんに、家族が来た当初困らない最低限の食器と当面使う調理器具を選んで貰いました。その後(NANTI という)、現地人が行く、レストラン(すかいらーくと言った感じ)に行き、三人でインドネシアの昼食(MAKAN SIAN)をとり、トヨタに車のおまけの付け忘れを付けてもらいに行きました。そして、食材を買いにCOSMOSに行きました。そこを出るときにRINIさんはチップを上げたいので、おつりの小銭をちょうだいと言っていたので、全部上げましたが、なんとRp100コインが5〜6枚ですか、つまりRp600=6円也。10時に出発して、結局帰ったのが5時で、皆ぐったりという感じ。皆で荷物を運び、買ってきたドリアンを食べました(僕にとっては始めてです)。味は、とっても甘くて、ネトネトした感じで、野菜が腐った臭いがします。やっぱ、ドリアンはあまり好きになれそうにもありません。ダルマジさんには週払いの日当等を今日払い、明日日曜日は休みにしてもらいました。日曜日はお休みですが、通常の家庭車はあまり休みが無いようです。今回ダルマジさんに払った週給の額はRp25万でした。日本円だと2500円ですが、既にRpに慣れ始めている僕にとっては、結構高いなという感じがしています。あと、月末28日にはRINIさんにRp50万+残業代、ダルマジさんにKILAKILA Rp50万払う予定です。
 
20.ほかほか弁当

金曜日の昼食は、前任者の送別会をやったときのお金の余りがあるとの事で、うちの女性が『ほかほか弁当』をとってくれました。全員で我部署の部屋でお弁当を食べるのは始めてです。お弁当が来てびっくり。ふたの上に、本当に『ほかほかBENTOU』って書いてあるのです。また、パクリやないんかね??お弁当の中身は極めてシンプルで、焼肉、ミニコロッケ、ほうれん草のソテー、ご飯という感じでした。そして、付いてる、付いてる・・・忘れてはならない『サンバル』です。これは、説明してもしきれないので止めますが、東南アジアのどの国に行ってもある辛いソースで、日本でも入手できるので一回試してみてください。たまには良いな、という感じでした・・・。
 
21.クレヨンしんちゃん

そうそう、先週の土曜日にTVを見ていたら、なんと『クレヨンしんちゃん』がやっているではありませんか。『シィンチャン』と呼ばれていました。シィンチャンの声は、インドネシア人がアフレコをしているのですが、日本のしんちゃんと全くそっくりで、、言葉だけが違い、なんだか変な気がしました。シィンチャンのお母さんが煎餅をぼりぼりやっているシーンでは、袋にちゃんと『おせんべい』と日本語で書いてありました。ま、面倒なので、あまり手を入れないのでしょうね。会社の現地人にシィンチャンの事を聞きましたが、皆よく知っており、あまり好ましくない漫画だとも言っていました。案の定、ここでもお尻をガンガンだしていました・・・・。
 
22.バスカン家訪問記

先週は、日本にいた時からのお友達であるバスカンさんの家に行って来ました。住所を聞き、『もし、分からなかったら電話を下さい』というメールもらったので、会社のドライバーなら平気だろうと思い、住所を見せたら、分かりますよ(オー、タウ、タウ!) 『ティダ、アパ、アパ、ヤッ!』と元気良く言っていたので、本を読みながら車の中でくつろいでいました。しばらくすると、なんだかドライバーのルカウィさんの様子が変なので、『タウ?』と聞いたら、きょろきょろしたまま『・・・・・・』だったので、急いでバスカンさん家へ電話を入れ、直接話をしてもらいました。結局、5〜6回電話でやり取りをして、やっとたどり着きましたが、『こんなところ、分かるわけないやん!』という様な所で、またインドネシア人たちのペースにはめられてしまったという訳です。バスカンさん家は中流家庭の住宅街で、ちょっと古い家が立ち並ぶ、僕が小さい時に見たような、懐かしい横丁の町並みでした。なんだか凄く落ち着くんだな、これが・・・。インドネシア料理をたっぷりご馳走になり、大満足で帰って来ましたが、あまりお調子にのって、辛いやつを沢山食べたので、次の日からは、またお腹がおかしくなり、大変な目にあいました。バスカンさんは次の週の水曜日には日本にまた留学に戻ってしまうことになっていました。すれ違いで、当分会えなくなります。でも、2年ぐらいしたらまた戻ってくるでしょう。
 
23.新しいお手伝いさん(その2)

新しいお手伝いさんのRINIさんは、年が43歳(本当の所は本人も良くわからない)なのですが、ジャワ系の人なので、一見おばあちゃんみたいな顔をしています。でも、良く見ると少しは若いのだなとも見えるし、良くわかりません。昨日の夕食に『おふ』みたいな物がでて、しょうゆが少しかかっていたので、インドネシア風のなにかで、なかに魚でも詰まって居るのかなと思い、口に入れたところ、なんやら見覚えがある甘い味がしたので、??と思いましたが、次の瞬間、確かに僕はこれを知っていると確信をしました。そうです、甘くてトローとした感触のものが中に入っている、ふわふわした生地の小さな食べ物といえば、『ミニ・シュークリーム』です!こう言う料理は、いくらインドネシアでも絶対に無い!と思った僕は、RINIさんに、これは何!!?(Apa ini!!?)と聞いたところ、ミニ・シューの箱を見せてくれたので、『それは、で、す、ね〜・・・・』と、つたないインドネシア語を駆使して、必死に説明したのでありました。でも、ま、しょうがないか。『ティダ、アパアパ』だよな・・・。RINIさんには、休みの日の夕食は、インドネシア料理を作ってね、とお願いしたので、今日の夕食が楽しみです〜♪
 
24.カフェテリア(2)

なぜ僕は昼食に日本メシを食べないのでしょうか。なぜなら、インドネシアメシを食べると色々な発見が出来るからです。大げさに言うと、インドネシア文化の扉を開けるからです。それが、毎日の小さな楽しみになっています。まず、カフェテリアに入ると配膳口の前の列に並び、四角いステンレスのお盆と、お茶用のコップと、フォーク、スプーン、ご飯用のお皿を取ります。ご飯は配膳口の前にある大きなステンレスのボールに入っていて、自分で好きな量だけ取ります。日本でも一時期食べたタイ米と日本米の中間の様な感じのお米で、若干ぽろぽろした感じで、さっぱりして、インドネシアメシにはこれが良く合うのです。配膳口で、おかずが乗っているプレート、スープが入っているおわん、果物をお盆に載せてもらい席に付きます。席には大きなやかんが置いてあり、そこでお茶を入れます。お茶は薄〜いウーロン茶のような味がするさっぱり系です。さて、おかずですが・・・、まず、インドネシアの焼き物は皆超ウェルダンで表面が真っ黒の場合もあります。日本では、やれ『ガンになる』などと敬遠されがちですが、インドネシアでは食中毒を防止するために、きっちり焼くのが鉄則になっています。遠い将来のガンの可能性と、明日の赤痢の可能性とのどちらを取るかなのです。その原則にたつと、揚げ物も必然的にしっかり揚げてあり、骨まで柔らかくなっています。特別な揚げ物ではなくても、骨まで問題無く食べられるのが嬉しいです。スープも楽しみです。ココナッツミルクが入った、ちょっぴり辛いスープが定番ですが、僕のお気に入りは、トムヤンクンスープみないな、柑橘類で『酸っぱ・辛い』味がするスープです。スープの中を覗いてみると、いろいろな木の実が沈んでいます。この木の実は、だし取りに使ってあるもので食べられませんが、色々な香りが楽しめます。あと、楽しいのは、配膳口に置いてある香辛料の類です。出される料理の種類により少しずつ違いますが、何にどれをかけて良いのやら良く解りませんが、とにかく、スプーンで少しずつお皿の横に取ります。唐辛子ベースの辛い香辛料ですが、香りや味のバリエーションがあり、とても楽しい脇役となります。あと、これはインドネシア独特?だと思いますが、昔駄菓子やで買ったような、柔らかいおせんべいがつきます。時には、お皿と同じ位の大きさのお煎餅が付く場合もあります。それを、少しずつちぎっては、スープにつけたり、そのまま食べたりしてします。なんだか楽しそうでしょ。これだから止められヘンわ。