* マルチヌー:ギリシャ受難劇 *

4幕のオペラ《ギリシャ受難劇》H.372-キリスト再磔の物語

チェコ・フィルハーモニー合唱団/ジョセフ・ヴェセルカ(コンサートマスター)
キューン児童合唱団/イルジー・フヴァラ(コンサートマスター)
ブルノ・ステイト・フィル/チャールズ・マッケラス指揮ブルノ・ステイト・フィル/ぺテル・ヴロンスキ指揮


1954年9月末、ニースにいたマルチヌーは、近郊のアンティーブに、ギリシャ人作家カザンザキス(1883-1957)を訪ね、 『キリスト再磔』(グリフィンの英訳)を台本にまとめる許可を得る。これは400ページの原作を10分の1に短縮するという難業で、 マルチヌーはしばしば作家の元に助言を求めに通った。これには丸1年かかったが、原作者からは激賞された。
作曲は第1稿が1956年2月下旬から翌年1月上旬まで、第2稿が1958年2月から59年1月半ばまでにかけて行われ、 4幕の大作が完成した。
初演は1961年6月9日、チューリヒ国立劇場でザッハ-指揮のもとドイツ語版で行われた。
今世紀諸島、アナトリアの山村でトルコ人に支配されながら平和に暮らしているギリシャ人集団と、 その村に現れたギリシャ難民と、第2次世界大戦後の内戦を味わったこの作家自身の苦い経験に基づいている。
原作とマルチヌー台本との最大の相違点は、最後まで生き長らえるカタリーナが、 原作では物語の半ばで死んでいることである。
なお邦訳が1998年秋に2巻本として出ている。
福田千津子・片山典子
「キリストはふたたび十字架に」
上・下巻 恒文社 2,500円


〈あらすじ〉
リュコヴリシ村では毎年、復活祭に受難劇を上演することになっていた。 今年も翌年の訳がきまり、選ばれたものは向こう1年間、それぞれの役にふさわしく毎日を送らなければならない。 キリスト役に選ばれたマノリオスは、ギリシャ難民を受け入れようとしないグリゴリス司祭ら長老に反旗を翻し、 ユダ役の男に殺される。
第13回例会コンサート・プログラムより
関根日出男


= info =
1999年7月にBregenz Festival(オーストリー)で上記ギリシャ受難劇の 第1稿での世界初演がありました。プラハのマルチヌー財団の事務局長アレシュ・ブルジェジナさんによると 音楽の80%以上が新しいとのこと。2000年4月5月にもロイヤル・オペラハウスにて上演されました。