日本マルチヌー協会 第20回例会コンサート

マルチヌー:『泉開き』

ヤナーチェク:『おとぎ話』未出版版:日本初演!

2004年10月2日(土) 午後5:00
会員: 2000円、 非会員: 3000円、前売り: 2500円
同仁キリスト教会
後援: 日本チェコ協会/日本スロバキア協会、在日チェコ共和国大使館

ドヴォジャーク: 『聖書の歌』より Bar: ジェフリー・トランブリー
2) あなたは私の隠れ家 Pf: 徳田真里
3) おお神よ、私の祈りを聞きたまえ
6) おお神よ、わが願いを聞きたまえ
8) 主よ、われを顧みたまえ
10) 主に向かって新しい歌を歌え
ヤナーチェク: チェロとピアノのための「おとぎ話」 Vc: 大前知誇(おおまえちか)
未出版ヴァージョン(日本初演) Pf: 徳田真里


マルチヌー: カンタータ『泉開き』 合唱:福島県立郡山東高校合唱部
Vn: 斉藤恭太
Vn: 田中洋子
Va: 河野美紀子
Pf: 佐久間智子
Bar: ジェフリー・トランブリー
Narr: 吉川重清

エベン: 無伴奏3声の女声合唱のための
9つの民謡集「燕の少女のお話」より
合唱:福島県立郡山東高校合唱部
1) 娘さん、娘さん、かわいい燕
2) お前は家に居なかったのかい
7) 郭公が啼く
9) 燕が飛ぶく


「わだち」指揮者:諸井氏のご紹介により、 合唱:福島県立郡山東高校合唱部のみなさんに、 マルチヌーのカンタータ『泉開き』を演奏していただきます。この合唱部は第2回コチャール合唱コンクール東京大会、 全日本合唱コンクール東北大会において、それぞれ金賞を受賞しており、この3月にはチェコ・ハンガリー・ドイツで演奏旅行を果たし、 好評を博しました。生徒さんたちの瑞々しい歌声をどうぞ聴きにいらしてください。
マルチヌーの『泉開き』H.354は、ボヘミアとモラヴィアにまたがる大地ヴィソチナ地方で、 美人の娘を女王様にしたて、『泉開き』から冬の間にたまったゴミを取り除き、春を迎えるという、民俗行事を題材に取り上げたカンタータで、 1956年にマルチヌー誕生の地、ポリチカで初演されましたが、当初から反響が大きく、レコードに録音され、映画にもなり、 テレビでも放映され、チェコ国内ではよく知られた美しい曲です。
また国外でもワルシャワ、チューリヒ、モスクワ、ソフィア、イェレヴァン、ペキン、エジンバラ、 アムステルダム、ブリュッセル、ベルリン、ハレ、ニューヨーク、ワシントンで相次いで演奏され、その結果マルチヌーは、 さらに同じようなカンタータを3つ作ることになったのです。
日本では、今年7月の上記高校第30回記念定期演奏会での初演に続き、2回目の公演となります。
『泉開き』の中のナレーションが長いので、「わだち」のバリトン・パートで活躍される吉川さんに 日本語でナレーションしていただくことにより、全体像をわかりやすくしました。
バリトンを歌うジェフリー・トランブリー氏は、米国の大学でロシア語を専攻、チェコに渡り、 3年間ゼロチン音楽学校で声楽を学び、1995年にチェコ声楽コンクールに出場、第1位を獲得。その後来日し、東京音楽大学大学院を終了。 現在は歌手として日本で活躍をしている。スラヴ語・日本語の堪能で研究熱心な歌い手として今後が期待されています。
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ヤナーチェク「チェロとピアノのためのおとぎ話」は、1910年に初演されましたが、 そのときの3楽章版が現在演奏されている版です。しかし、1923年に出版されるまでの3年間に何度か書き換えられており、 1912年に演奏されたときには4楽章でした。1楽章にも改訂が見られ、それについては資料が不十分なので今回演奏は断念しましたが、 同じ頃に書かれていて、「おとぎ話」に入れるべきかどうか議論がなされている「プレスト」を入れ、5楽章として演奏し、 解説では十分に演奏に耐えうる美しさを持った第4楽章がなぜ割愛されたのかを考察します。
尚、楽譜は前マルチヌー協会会長:故佐川吉男先生から演奏するように、 と手渡された手書きのコピーから起こしたものを使用します。(Supraphon-Bärenreiter Critical Edition Prague)