日本マルチヌー協会 第18回例会

マルチヌー : オペラ「ミランドリーナ」鑑賞会

2004年8月28日(土)
午後1:00
会員: 1000円、 非会員: 1500円
東京原宿医院(旧カサ・モーツァルト)
解説:関根日出男


))))) オペラ『ミランドリーナ』H.346とは (((((

オペラ『ミランドリーナ』は1953年12月15日から翌54年7月1日にかけ作曲された、3幕のオペラ。
1953年4月半ばに「第6交響曲」を仕上げ、5月半ば13年ぶりにアメリカからヨーロッパに戻ったマルチヌーは、 アメリカのヴィザを持っていたため故国へは帰れず、まずはパリに落着いた後、約2年間、ニースにいた戦前からの親友、 画家シーマ(1891~1971)の閑静な別荘に滞在した。
グッゲンハイム財団委嘱(3千ドル)作品のための題材を、市立図書館で探していた彼は、 ゴルドーニ(1707~93)の「旅籠の女主人 La locavdiera」(1753年作)のイタリア=フランス語対訳本をみつけ、 自分でイタリア語の台本を書いた。
この間、彼は54年4月にはイタリア、アレッツォのサン・フランチェスコ聖堂に ピエロ・デルラ・フランチェスカ(1415頃~92)描く「聖十字架伝説」の壁画を見にでかけており、 このオペラにはイタリアの明るい太陽が反映している。
作品は室内オペラの形式をとり、アリア、二重唱、アンサンブル、レシタティヴォなどの間に、 魅力あふれるワルツや軽快な間奏曲を入れ、3幕冒頭には8分の6拍子のイタリアのサルタレッロ舞曲が置かれている。

あらすじ

美人で頭のいい旅籠の女主人ミランドリーナの常連客には、彼女にぞっこんの貴族2人と女嫌いの騎士がいる。 騎士が自分に関心を示さないのでミランドリーナは、手練手管を用いて彼をなびかせる。その罠は、 彼の腕の中でわざと気を失うことでクライマックスに達する。 最後にミランドリーナは、密かに彼女を愛していた召使と結ばれる、という恋愛劇。