◆第一赤道儀室 |
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大正時代から存在している建物で歴史を感じます。建物自体が国登録有形文化財だそうな。以前は太陽の黒点の動きを手で、それも60年間に渡って観測し続けていたという偉大な施設。壁に何故か「ハチに注意」という注意書きがあったのが妙に印象的でした。
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◆東大天文学教育研究センター |
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こちらは普段公開されていない研究センター、去年は非公開だった気がします。中では講演をやっていたようですが、主に展示パネルを見つつ、劇難のクイズラリーをやりました。クイズラリーはパネルを注意深く見ていれば分かるようになっているはずなのですが、見落としまくったせいか半分ぐらいしか解けず。しかし、最新の研究動向、そして今も課題の研究の展示が多く、感心することしきりでした。
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◆太陽系ウォーキング |
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ここは以前サイエンスZEROで真鍋かをりが歩いて紹介していたこともある、国立天文台でも人気のコーナー。太陽から水星、金星、地球、火星、木星、土星までが実際の距離の比率で並んでいるのです。太陽から地球まではこんなもんかな、という距離。火星は思ったよりちょっと遠い、という感じ。そして木星は遥かなる遠方、歩いてみると実感します。プラネテスで有人木星往還船の話がありますが、いつになったら行けるのだろう?と考えこんでしまいます。まずは火星に本格的な基地が出来、エネルギー生産が起動に乗り、無人木星周回衛星を何機も打ち上げ、往還に必要とされるであろう飛行日数の耐久試験があり...きっとまだまだ準備はあるんだろうな、遥か先のことでしょう。しかし必ずや木星に到達出来る日が来るはず!と、かなり脱線してしまいましたが、ここを歩くのは一興です。あ、冥王星についての話もさり気無く書かれていました。
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◆天文台歴史館 |
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ここには65cm屈折望遠鏡が展示されています。展示、といっても現在は使用していないだけで使用は可能なようです。目を引くのは望遠鏡は無論のこと、巨大なドームです。しかも木製、歴史を感じます。当時は手動で滑車を使って地球の自転に合わせて動かしていたようです。大迫力!建物内にはすばる望遠鏡で撮影した写真がパネルとして展示されているほか、当時の観測装置(タイプライターのような形状、使い方は分からず)、現在の88星座以前の、古代中国、日本の星座体系の資料などがありました。
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◆アインシュタイン塔 |
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正式名称は"太陽分光写真儀室"と呼ばれるこの塔。しかしなんといっても通称"アインシュタイン塔"、格好(・∀・)イィ!名前の由来は、ドイツに既に存在していたポツダム天体物理観測所(アインシュタイン塔)と同じ研究目的で作られたから、だそうです。そしてその研究内容とはまさに、一般相対性理論の検証を行う為、だったのです。結果的に成果は得られなかったそうですが、その観測は多くの功績をもたらしたそうです。意外に小さいですが、歴史、存在感を強く感じました。あとは傍に生えていたキノコの集団がとても印象的...じゃなくて恐怖。
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◆子午環 |
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しごかん、と読みます。星の位置を測定する装置のようです。なんといっても巨大な施設。概観の大きなドームは大気のゆらぎなどから測定器を守る為に作られたそうですが、実はあまり意味がなかった、というオチがあるそうな。この子午環の両側に、地面を削ってクレーターのようになった場所に鳥小屋のような建物があり、かなり謎でしたが、解説者の方が教えてくれました。どうやら測定器が南北を正確に測る為の装置、だそうです。それにしてはでかい小屋、だな、と思いましたが1年来の謎が解けてすっきり。
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◆光赤外干渉計 |
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光の干渉、という現象があります。海の波にたとえると、波同士が重なり合うと波の谷間、山が出来ます。光は粒であり波であるという特殊な性質を持っている為、二つのスリットを通って来る光は干渉されて見えます。ここでは、プラスチック製のプレート(写真)で実際に豆電球の光が干渉して見える、という実演をやっていました。実証はやはり説得力がある。この施設では、この光の干渉を利用した、測定が行われているようです。(恒星の直径の観測などが出来るらしい)
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◆太陽フレア望遠鏡 |
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この施設はその名の通り、太陽のフレアを観測する為の望遠鏡があります。意外な小ささに驚きましたが適度な大きな、なのかもしれません。こちらでは、産まれた日の黒点のスケッチ画を印刷してもらえる、という粋なイベントをやっていました。産まれた日、5年後、10年後のスケッチが素敵な背景の絵と共に印刷されます。去年は別の場所でやっていて、確か誕生日の日が曇りでスケッチが無かったような記憶があったのですが、果たして1977/01/09のスケッチは無く、翌日のスケッチでした(`皿´)でもとても素敵な企画、このスケッチは第一赤道儀室で観測していたデータを取り込んだものなのでしょう。いいですね〜
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◆TAMA300 |
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この施設の名前、TAMAはそう、"多摩"のTAMAです。ふと思い出したのがTMNetworkの「T」、公式ではTime Machine Networkで過去から現在、未来までを繋ぐ、という格好いいコンセプトなのですが、当初は多摩ネットワーク、の「T」という裏話(ファンの間では常識)があります。それはさておき、この施設は未だ未検知の重力波を検出する装置です。300というのは300メートル、という意味で、三鷹の天文台の地下に300メートルに渡ってレーザーを使用した干渉計型重力波検出器、が張り巡らされています。超新星爆発、連星中性子星の合体、ブラックホールの合体、など色々な要因によって発生すると考えられている重力派を検知しようとしているのですが...未だ検知には至っていないようです。世界中で重力波検出装置が稼動しており、競争の真っ最中、ということなので、是非このTAMA300によって最初の発見がなされて欲しいと思います。重力波天文学の時代はすぐそこまで!
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◆VLBI |
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正式には"スペースVLBI推進室"と呼ばれる施設だそうです。正式な略称は置いておくとして、電波天文衛星を使用した運用、などを主に行っている研究所のようです。ここではすばる望遠鏡との実況中継を行う、はずだったのですが、先日発生した地震により計器が不調の為、展示のみとなってしまっていました。ここで良かったのがサイエンスカフェ!喫茶店のようなスペースに、研究者達がテーマにそったメニューについて解説してくれるというコーナー。コーヒーもインスタントではなく美味しいコーヒーを入れてくれました。注文したメニューは「宇宙の錬金術師」というテーマでした。その内容はというと・・・宇宙創世記には無かった重い元素、例えば金などは現在、正確にはどうやって誕生したのかが分かっていない、というのです。安定した鉄から更に重い重元素が出来るには巨大なエネルギーが必要となる、そんな巨大なエネルギーを生み出す現象で一番有力なのは超新星爆発。現在シュミレーションを行って解析しているといいますが、確実にこれだ、という実証はまだ得られていないようです。関連する話では、ヒトを構成する成分が超新星爆発によるもの、という話がありますが、こちらも同様に実証には至っていないのかな、とも思いました。(これまでは既成事実のように聞いていたので尚更)話してくれた方はすばる望遠鏡の観測から、星に含まれる物質の波長を解析し、構造を調べている、というこの道ではエキスパートの方で、話もうまく引き込まれてしまいました。すばる望遠鏡に組み込まれているソフトウェアも作ったとか、う〜ん、凄い。また、宇宙分野には色々な方面からの関わり方がある、ということも伺い、嬉しくなりました。
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