奥の細道 立石寺篇
                                                                     

山形県山形市大字山寺南院

平成05年(1993) 10月21日

元禄二年(1689) 七月十三日



山形領に立石寺と云山寺あり。慈覚大師の開基にして、殊清閑の地也。一見すべきよし、人々のすゝむるに依て、尾花沢よりとつて返し、其間七里ばかり也。日いまだ暮ず。梺の坊に宿かり置て、山上の堂にのぼる。岩に巌を重て山とし、松栢年旧土石老て苔滑に、岩上の院々扉を閉て物の音きこえず。岸をめぐり岩を這て仏閣を拝し、佳景寂寞として心すみ行のみおぼゆ。
  
閑さや岩にしみ入蝉の声


全山蝉が鳴き立てているというのにこの静寂はいったい何処から来たのか、
それは蝉の声が岩々にしみ入っていくからなのだ・

雑記


平成5年10月22日山寺に登る。前日 山寺駅から真っ直ぐ下がった所にある古い旅館に泊まる。運よく夜は高台にある公園で妃神のコンサートがあり、それと山寺がライトアップされるというのでカメラを持って出掛けたものの、ドームに隠れ演奏する妃神に対し厳しい撮影規制には腹立たしく非常に不愉快だった。妃神なんてどうでもよいのだライトアップされた山寺を撮りに来たのだ・・・
翌日は良く晴れた朝でした。奥の院は大変な石段を登らなければとテレビの旅番組等で見聞していたが、いざ来てみるとそれ程のことは無かった。登るときには快晴だったが、上がるにつけ霧が出てきて、奥の院からの展望は、幻想的なものでした。街は霧で埋まっていたのだ。
下って対岸の高台に作られた芭蕉記念館に行く。