品種別管理

経験の浅い人のために、品種別管理に付いて触れて見ます。

巻柏は肥料を控え目にして徐々に慣す事で、極一部の品種を除き、大方の品種は直射
日光にも耐える様になります。 しかし前項でも触れた通り、過湿な環境や過肥料にすると、
葉は軟弱になり、強日向き品種と言われる品でも、葉焼けを起こす場合も有ります。
それほど肥料、水分、日照の、三者の関係は密接です、此れを前提に置いてください。

 裏を返せば、培養が難しいと言われる品種でも、肥料や日照を控え、過湿にしなければ、
基本的には大丈夫と言う事になります。
しかし、より美しい色彩や姿を求めるには、許容範囲内で日照や肥料を増やす必要が有る
訳です。 肥料、日照、水分の調和が取れて、その上限に達した時に巻柏は最も美しい姿に
なりますが、その内の一つでも限界を超えると弊害が生じます。

 口で言うのは簡単ですが、品種個別の特性や、棚の環境、その年の気候なども関係して、
そう上手くは行かないのが現実です、従って安全に育成するには、全てを控えめに管理して、
美しさも程々で我慢出来れば、全ての品種を育成する事が出来る訳です。

 話が難しく成ってしまいましたが簡潔に言うと、極限の美を求めなければ、肥料、日照、水
を控えた管理をすることで、どのような品種でも、安全に培養する事は可能と言う事です。
しかし光合成で生育する植物です、過度の遮光は良くない事は、言うまでも無いと思います。

 以上の事からお解かり頂けたと思いますが、丈夫な品種とは、日光と肥料に強い品種で、
逆に培養が難しいと言われる品種は、日光あるいは肥料に弱い品種と言う事が出来ます。
また、日光に強いと言われる品種は肥料にも強く、日光に弱い品種は肥料も控えめが良い
と言う事も出来ます。

 

巻柏に興味を示される始めは、姿もさる事ながら、やはり色彩美に有ると思います。
一部の品種(主に白系斑物)には、中日以下の管理の方が特徴を良く現す品種も有ります、
そのために参考文献などでは、あえて中日又は弱日と表示される品種も一部有りますが、
一般的には強日管理をすることで、綺麗な色彩が実現します。

 培養経験を積んだ方は、その様な品種別の特徴を心得た管理をして、その品種の美しさを
引き出しています、それを理解せずに、現物の美しさに魅せられて購入したが、駄目に成って
しまうと言う事も有り得ます、巻柏は急激な管理変化や環境変化で、弊害を引き起こす場合が
有ります、初心者が巻柏を駄目にする原因の多くは、この辺にあるように思われます。
新しく入手した品は、安全を考慮した管理が必要です。
 (この場合の安全とは、それ以上の美を求めず、過度の日照や、追い肥を控える事です)
 
 強い日照下で色彩が良く出た品を、急激に強い遮光管理に変えるえる事も良くありません、
何日間も室内に置く等は、とんでもない事です、急激な管理変化は、絶対に避けてください。

 前の所持者の管理や環境に馴染んだ葉は、自分の棚の環境や管理に馴染んだ葉に入れ
替わるまで2〜3年を要し、少なくても翌年は前所持者の管理や環境の影響が尾を引きます。
慣れてくると葉を見て、前の所持者の管理環境の概要が解るようになるのですが、慣れない
内は不可能でしょう、また品種別の管理等も不可能と思われますので、培養に慣れるまでは、
参考書籍等に、日照管理「強日」と表示される品種から始める事をお勧めします。


参考までに私の主観で、各品種の日照管理適合表を作って見ました。
ここをクリックして参照ください。


その人の管理方法や棚の環境等から、努力してもある一部の品種が上手く出来ない等や、
難しいと言われる品種が良く出きる等、その人の棚に適不適の品種が出る事も有リます。

 急激な管理変化は弊害が生じ良く有りませんが、肥料を控えて徐々に慣らす事で、
多くの品種が強日管理が可能である事を、再度書き添えておきます。
強日管理の巻柏は、葉重ねも色彩も良く締まった葉姿になるのですが、培養管理や環境に
よっては、まさかと思う品種でも、ひどい葉焼けを起こす事も有ります。
夏期に過湿な環境の私の棚では、極一部の品種だけしか、強日管理は叶いません。 
一度傷めた株は復元に期間を要し、場合によっては復元不可能になる事も多々有ります。
強日管理が良い事は培養経験者は誰でも解っています、好んで遮光する訳では有りません、
しかし安全に育成する上では、品種によって遮光は欠かせません、安全を考えて夫々の
棚に合った遮光をするのです、遮光管理の意味と重要性も理解して下さい。

遮光管理を余儀なくされる品種に付いては、このHPの生みの親(出来の悪い子供ですが)
とも言える長生道人様は、ご自身のHP http://plaza.rakuten.co.jp/iwahiba/002001 で、
次のように述べています。 (悪い事とは知りつつ、早速盗用を始めました、お許しください)
育種によって創り出された美しい花は人にとっては好ましい物ですが、その植物が
望んだものではなく、人類や動物で言えば一種の奇形で病的なものと言えます。
自然界ではこの様な突然変異種は生き残れません。 これが自然淘汰です。
園芸植物の栽培はこのような弱い性質を備えた個体に適当な保護を与えて、
より良く生育させる技術であると言うことが出来ます
    (全文を御覧になる場合は、上のURLか、又はここをクリックして下さい。


 好みの問題もありますが、名前のある品種では、その品種でなければ
見る事の出来ない特徴を持っています、その魅力の虜に成っている管理人です。

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