品種統合

昭和49年の品種統合

日本巻柏連合会では昭和49年に、書籍「原色イワヒバ銘鑑」を発行するに当り、
編集委員を選出して、掲載品種の撮影に当り、地方によって違っていた品種認識を
全国統一することで、イワヒバの発展を目的に、文献を調査して品種を確定したようです。

結果として一部の品種が、統合された形になり、この期を堺に消えた品種もあるが、
再び世に出る事が出来て、現在も多くの趣味者に愛培されている品種もあリます。
これらの品種を集約してみます。

昭和49年度に、統合された品種

被統合
品種名
統合親
品種名
統 合 前 の 経 歴 そ の 他
故郷錦
九重錦
天保14年の「蛇の目」に始まり「故郷の錦」「故郷錦」名で
天保以降、統合までのほぼ全ての銘鑑に掲載される。
金獅子
金砂子
天保14年「金獅子」、その後同名で昭和初期、同30年代及び
同46年より統合まで断続掲載される。九重錦に統合説も有る。
東海錦
花 車
昭和12年より「東海錦」名で全銘鑑に掲載される。
枝葉が菱形になる特徴が有ったと言われている。
木曽錦
花 車
昭和36年新登録、統合まで連続掲載される。
「東海錦」に比べ葉肉厚く、白黄斑が強かったと言われていた。
京更紗
榧ノ雪
天保より明治まで掲載あり、昭和初期は掲載無く、昭和22年及び
25年に掲載され、その後44年より統合まで掲載される。
玉 錦
鳳 凰
昭和35年新登録、統合まで連続掲載される。
下垂して巻き込む特徴が有ると言われている。
栃 錦
紅玉錦
昭和47年新登録、わずか2年の短命で統合される。
「八房の如くかたまり」の説明文、親は極短葉だったと思われる。
日 光
友白髪
昭和42年新登録、統合まで連続掲載される。
一説には、斑の良く出た「友白髪」であったとも言われている。
宮ノ華
天 龍
昭和37年新登録、統合まで連続掲載される。
天龍に比べ常葉が多いと言われているが、見分け難い品種。

 この他にも一書籍には、「白砂も白鳥に統合されることになりました」の記述が有るが、
この関係は釈然としない物が有り、上記の表では除外視しました。
この関係について、もう一歩踏み込んで見たい方は、ここをクリックして下さい。



昭和49年度 日本巻柏連合会 巻柏の銘鑑から、復活した品種

品種名
経 歴 そ の 他
青 柳
天保、萬延、明治まで掲載、昭和6年の青桃園個人銘鑑に記録有るが、
その後は復活まで記録無し。
尖った葉形で深緑色、古株は長い胞子嚢穂が下垂して優美で有る、
この姿から青柳の名が付いたと思われる。
黒 龍
萬延、明治、に掲載有るが、その後は復活まで他の記録は無い。
品種名には龍が付くが、龍葉は見られず、立ち性の常葉だけである。
「野生種と見分けにくい」の理由で平成7年度銘鑑より再度はずれる。
玉孔雀
萬延、明治、に掲載有るが、その後は復活まで他の記録は無い。
除外の話は聞かないが、昭和60年より掲載無し。
細目の立葉で、野性種に近い葉姿。
山本砂子
天保14年より昭和初期まで掲載あるが、連合会銘鑑には第一号のみ、
復活後は56年まで連続掲載されるが、再度無掲載になる。
この系統の内では、葉幅広く、葉組み粗く、金斑少ない。
西ノ有明
文政の「弥七岩ひば」天保、萬延、明治、の「四季の曙」と言われている、
昭和25年改名登録の記述も有るが、実際にはこの年から掲載される。
この品種の特記すべき特徴は、葉先が飛散することであろう。
猿猴ノ斑
萬延元年「猿猴斑入」で掲載あるが、その後復活まで記録が見られない。
160余年間、記録が無いまま継承されていた事に感心する。
本種は地域によって「大花菱」扱いで有ったと言う。
萠黄縮緬
天保、萬延、明治まで掲載、昭和6年の青桃園個人銘鑑に記録有るが、
その後は復活まで記録無し。
緑色強いが萌黄類、縮れたような感じを受ける葉は、その名に相応しい。
細葉
岩檜葉
文政は「細葉岩ひば」、天保では「茶保宿り」、その後の記録は無い。
復活後は平成4年まで掲載されたが、培養によって野生種と見分け難く
なるため、との理由で同5年度銘鑑よりはずれる。



その他の品種統合

昭和49年の品種統合とは別に、類似している事により、
統合されたと言われる品種があるので、取上げてみます

銘鑑には、「此れに洩れたる銘柄は次号に載す」 とも有る事から、
銘鑑の構成上の理由で、一時的に掲載洩れした品種も有リますが、
次の品種は、資料や文献などに、統合の記述が見られ、
現在の銘鑑には、掲載されていない品種です。

被統合
品種名
統合親
品種名
統 合 前 の 経 歴 そ の 他
雪月花
高 砂
萬延元年に始まり「雪月花」名で、昭和56年までの全ての銘鑑に
掲載されるが、昭和57年度より「高砂」に統合される。
亀 綾
楊貴妃
明治31年に始まり、昭和52年までの全ての銘鑑に掲載され
続けるが、昭和51年より「楊貴妃」に統合される。
春 雨
麒麟獅子
昭和43年新登録、その後昭和56年まで掲載される、
昭和57年に統合される。  
国 冠
金 山
昭和46年新登録、その後昭和58年まで掲載される、
昭和59年に統合される。  
錦司龍
錦昇龍
昭和49年新登録、その後昭和58年まで掲載される、
昭和59年に統合される。  


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