文中の「布」は斑のことで、「日」は日向に適する、「中日」半日の意味、
「さ」は挿し木繁殖ができ、「四、五」は、四、五月の意味との事です。
参考書籍に注釈がある部分は良いのですが、注釈のない部分も、理解できず残念です。
なお昭和49年の銘鑑から再登場した、現在の「細葉岩檜葉」は、その後、平成4年度
銘鑑まで、連続で掲載されますが、「野性種のため培養によって見分けにくいため」との
理由で、平成5年度以降の銘鑑には、掲載されなくなりました。
「いただき岩ひば布」雑感
明治31年の「巻柏の種類名寄」の「  檜葉」には、次の説明文があるそうです。
「白爪斑にて葉先細かくまばらの斑なり」
この説明に該当するのではと、思われる品が存在します。
その現存品は「高砂」に比べ、やや細身の立ち性で、爪斑が少なめの品種で、
上記「  檜葉」の説明文の印象から、この品が連想されます。
この品種は「天鵞絨」にも似ているため、交換会等では、扱いがその都度違い、
時には「高砂」また時には「天鵞絨」だったりしています。
葉性は「高砂」「天鵞絨」の、中間種の様なこの品種は、白爪斑の多い両種と違い
昭和57年度から「高砂」に統合された「雪月花」と同様に、爪斑の出現が少なく、
この品種を数年続けて挿し芽して、子苗を育成して結果を見ましたが、葉性も
爪斑の出現率も確実に遺伝して、比較の両種とは、まったくの別種だと断言できます。
もしかして、この品種が「  岩檜葉」で、不遇と言われた大正時代を生き抜き、
品名も忘れられて、品種不明のまま、何処かで継承されていたのではないだろうか?、
などと、一人思いを廻らせています。
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